戒名

戒名について

■戒名とは

仏門に入り、戒律を守ることを誓って授けられる名前。
現代では人が亡くなった時に菩提寺の住職などから頂く(順修戒名)が、本来は生前に命名して頂くもの(生前戒名=逆修戒名)。
宗派により、法名・法号ともいう。

■戒名の構成

戒名は本来は二文字。それに院号・道号・位号などがついて全体を戒名というのが一般的。

男性の例:□□院(院号)△△(道号)○○(戒名)居士(位号)

女性の例:□□院(院号)△△(道号)○○(戒名)大姉(位号)

○院号

本来は屋敷など住んでいた場所などを表すが、最近ではその人の仕事や性格などを現すこともある。
院号よりも上位のものとして院殿号があるが、本来は院号に次ぐもの。
そのほか院号に次ぐ称号として、庵号、斎号、軒号、房号などがある。

○道号

号や字(あざな)や雅号など。名前、場所、職業、宗派、季節、性格、功績、趣味、特技などを表す字を使うことがある。

○戒名

本来の意味の戒名。俗名の一字を付けることが多い。宗派既定の文字が入ることがある。
場所、職業、季節、性格、功績などの文字を入れることもある。

○位号

仏教徒としての階級的なもの。院号が付くと居士(大姉)が付くのが一般的。

成人(15歳以上)の位号(男/女)
 信士/信女 一般的な信者
 清信士/清信女 信士・信女の1つ上の位
 禅定門/禅定尼 仏門に入った者
 大禅定門/大禅定尼 禅定門・禅定尼の1つ上の位
 居士/大姉 特に信仰心が篤い者
 大居士/清大姉 居士・大姉の1つ上の位
子供の位号(男/女)
 水子 流産や死産
 嬰児/嬰女 0〜1歳
 孩児/孩女 2〜3歳
 童子/童女 4〜14歳
 ※子供の場合、一般的に院号、道号はつけない。

■戒名の値段(戒名料の相場)

「戒名料」ではなく「お布施」。お布施なので決まった値段、相場というものはない。
お坊さんに聞くと、大概は「お気持ちで」と言われ、困ってしまうが、葬儀屋さんに
聞くと、おおよその相場を教えてくれる。
中にはハッキリ値段が決まっているお寺さんもある。
宗派、地域によっても大きく異なるが、おおよそ以下のような金額といわれている。

金額
 信士/信女 20万円〜
 居士/大姉 50万円〜
 院居士/院大姉  80万円〜 

各宗派による戒名の特徴

「天台宗」

戒名の頭に梵字が入ることもあります。その場合は大日如来を表すア号(図1)か、
阿弥陀如来を表すキリーク(図3)が多いようです。

「真言宗」

戒名の頭に梵字が書かれています。大日如来を表すア号(図1)という文字です。
子供の場合は地蔵菩薩を表すカ号(図2)が書かれています。

「浄土宗」

戒名の中に誉という文字が入ります。○○院◇誉△△□□居士(大姉)というように、
道号の前に誉を含めて2文字入るのが特徴です。戒名の頭に梵字が入ることもあります。
その場合は阿弥陀如来を表すキリーク(図3)になります。

「浄土真宗」

2文字の法名の前に釋(釈)という文字が入ります。釋□□、○○院釋□□のように、
釋を含めて法名は3文字か6文字になります。
以前は女性の場合、釋尼□□とつけられていた風潮がありました。

「曹洞宗」

道号と戒名の4文字は、経典や漢詩などを参考にしながら対句で熟語になることが多い。
戒名の頭に梵字パク(図4)が入ることもあります。

「臨済宗」

院号にかわって、庵号、斎号、軒号が使われることがあります。
また、位号に禅定門、禅定尼などをつけることがあります。

「日蓮宗」

法号に日の字が入ったり、道号に男性は法、女性には妙がつくことが多いようです。
戒名の上に妙法という2文字が書かれることもあります。
(男性)○○院法△日□信士
(女性)○○院妙△日□信女