Kishiko forever
Kishiko forever 展 V
夕暮れ
火葬場に着き、いよいよ貴志子の肉体はこの世から無くなる。
葬儀の時に涙が出尽くしたのか、皆何故か冷静さを保っている。
棺の中に、思い出いっぱいの品々を入れ過ぎて、大丈夫かなって
ちょっぴり不安でもある。(苦笑)
棺の上に線香を1人1人、お供えし
ドアが閉まる。
「あ〜〜あ、とうとう骨になっちゃうのか。。。。」
淋しい気もするが、癌で侵された肉体が無くなり、
天国で新らしい肉体に、もしもなれるのでしたら
そのほうが良いのかなって
ちょっぴり思った。
棺を炉に入れ「合掌」
しばらくすると煙突から煙が出てきた。
「雲の上へ、行っちゃったね」
名残りおしいが、
再び葬儀場に戻り、食事し、再び火葬場へ、
骨を拾う、残念ながら仏さん(喉仏)が見つからない、
高温で焼いたのか? 癌によるものかは定かでないが
貴志子は、小さな壺と箱の姿になった。
再び葬儀場に行き、帰り支度をして葬儀場を後にし、自宅に帰った。
祭壇に、遺影、お骨、お花、好きだったグッズを添え
合掌
実父母を自宅に送りながら
菩提寺である、「普賢寺に向かった」
雨が降ったり止んだり、貴志子の気まぐれな性格と良く似た天候
お寺に着き住職とお話、
「これからは、僕たちで先祖の面倒を見ます」ということになり
以前あった位牌はどこにあるのかがわからないと住職、
「前の住所から、察しますと、この辺りにあるはず」
ジーと眺めてて、僕は「これです。」と昔のかすかな記憶が。。。。指をさした。
中を開けてみたら正解!!
「先祖が呼んだんですね。」と住職もビックリ!!
「こんなこともあるんですね〜〜」
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