遥かなる大陸アストローナ・・・
この大陸の中央より少し北、そこにある森を
ひとりの少女が散歩をしていた。
彼女の名前はフォニア・・・遠目から一見したところただの幼い少女のようですが、
彼女には尻尾があり、その耳と手もまるでネコのよう・・・
そう、この子はこの森にある隠れ里に住む種族の子供・・・

そんな彼女がいつもの道をちょっとはずれて、
ふら〜りと寄り道したところ、すごいものを見てしまいました。
そう、そこにはフォニアよりも少し大きな女の子が倒れていたのですから・・・


   第3話:森で出逢った少女


倒れていた少女は、閉ざされた意識の中で記憶を手繰りよせていた・・・

そこは、森に近き草地。
しかし平穏さはなく、かわりに魔物たちが立ちふさがっている。
それと対峙するは、自分と側にいる女性の2人だけ・・・
その女性が魔法で魔物を追い払おうとするが、
敵は強く、そして数も多く、徐々に追いつめられてゆく・・・
そんな中、油断があったのだろうか、
敵とは距離を置いていたはずの自分の目の前に魔物の爪が迫ってきている。
「ルナ!」
同行の女性が名を叫んだ次の瞬間、そこにあったのは
魔物の爪によって深手を負ったその女性の姿だった。
「お姉ちゃん!!」
その悲痛な叫びとともに、自分の中で何かが目覚める音がする。
そして、途切れてゆく意識・・・


「お姉ちゃん!!」
そう叫びながら、倒れていた少女ルナは寝台より飛び起きる。
「・・・ここは?」
ルナは辺りを見回すが、覚えがない。
そして、一緒に旅をしていたはずの、姉と慕う女性の姿も・・・

「ん?  気がついたにゃ?」
ルナが起きた部屋に誰かがはいってきます。
はいってきたのは、ところどころがネコな女の子。
そう、倒れていた彼女を森で見かけた、猫娘のフォニアです。
ひとが来たのを見て、ルナはさっそく話しかけます。
「ここは?  それにお姉ちゃんはどこ?」
「お姉ちゃん?  ひとりだけで倒れてたけど
 誰かと一緒だったのかにゃあ?」
「うん・・・お姉ちゃんと一緒に旅をしてて、
 途中で魔物に襲われて、気がついたらここにいたの・・・」
「そうだったんだ・・・
 あ、名前言うの忘れてたね。  『フォニア』だにゃぁ☆」
「わたしは『ルナ』です。 よろしくおねがいします」
・・・と自己紹介されちゃったので、つい返してしまうルナでした。

「ところで、ルナちゃんはどこに行く途中だったのかにゃ?」
「わたし、昔の記憶がないの・・・それでさまよっていたところを
 お姉ちゃんに拾われて・・・それから手がかりを探す旅に出てたの。」
「そうだったんだ・・・そうにゃ、
 フォニアもお姉ちゃん探すの手伝うにゃぁ☆」


それからルナとフォニアは、村のひとびとにたずねることにしました。
そう、ルナといっしょにいたお姉ちゃんのことをです。
でも、お姉ちゃんがどこに行ったかは誰にもわかりません。
魔物に襲われた場所に行っても見つかりません。
一緒に身に行ってくれた狼頭のおにいさんの話だと、
食べられちゃってはいないというので、ひとあんしんだけど・・・


そんなこんなしていると、いつのまにか村の長老さまがやってきました。
長老さまはすごいです。
なんていったって、立派なひげをはやした龍なのですから・・・

その長老さまが一瞬にらむようにこちらを見ます。
もうびっくりなフォニアとルナ、
でも、すぐにやわらかい顔に戻って、長老さまはこうたずねました。
「どうするね? いずこかに消えたそなたの姉君を探しに行くのか?」
ちらっとフォニアを見てから、こくんとうなずくルナ、
そしてそれを見てフォニアもうなずきます。
「そうか・・・ならば良いものを渡そう。」
そう言って長老さまはふたりにお守りをくれました。
形は違うけど、ルナとフォニアとにひとつずつのお守り・・・
「フォニア。 これはみんなとの連絡につかうものだ。
 天気の良い日に外で使えば話ができよう。
 そして、ルナちゃん・・・君を見て気付いたんだが、
 これが何かの手がかりになるやもしれん。 持って行くと良い。」

長老さまのくれたお守り。
それはルナにとって、どこかで見たことのあるようなふしぎな飾りでした。
・・・これが手がかりになるのかな?・・・


それから準備をしたりみんなにあいさつしたり、
いろいろあって次の日のおひる・・・


「みんなぁ〜  いってくるんだにゃぁ〜☆」
フォニアの元気なあいさつとともに
ふたりは外の世界へとたびだっていきます。
はたしてなにが待っているのやら・・・

「でも、お姉ちゃんの名前、なんていったっけ・・・
 ず〜〜っとお姉ちゃんって呼んでたから忘れちゃったよぉ」


つ・づ・く