「最強馬はどの馬か。」

競馬ファンなら一度は考えたことがあるテーマでしょう。(たぶん)
一般的に、シンザンやシンボリルドルフなどが史上最強馬とされることが多いようです。

僕ももちろん考えたことがあります。
「最強馬はどの馬か。」

僕にとっての最初の最強馬はマルゼンスキーです。
8戦無敗。朝日杯3歳Sでの大差ぶっちぎり。8戦の合計着差が61馬身。
最強としか言いようがない。
無敗だぜ、無敗。
シンザン君もルドルフ君も負けちゃってるんだもん。
その時点でブッブーだよ。
最強馬は無敗じゃなきゃダメなんだよ。
マルゼンスキーが最強馬なんだ。

そんなある日、とあるレースを見ました。
「俺が最強馬だ。」
「いや、俺が最強馬だ。」
両者全く譲らない2頭のマッチレースでした。
そのレースは日本競馬史上最高の名勝負といわれています。
すごいレースだった。
そして、本当の強さを見た気がしました。
でも、その馬は無敗ではなかった。
負けても負けても挑戦し続ける馬だった。
無敗馬マルゼンスキー最強説が絶対ではなくなりました。
しかもマルゼンスキーはそのレースへ向けての調整中に脚部不安を発症し、
引退していたことを知りました。
あの2頭と対戦していない?
もう彼が無敗であることすら僕にとっては何の意味ももたないことになっていました。

そもそも、最強馬は無敗じゃなきゃダメだとすると
一度負けた馬はもう最強馬への権利を失ってしまうことになります。
じゃあ、負けた馬は何のために走るの?
やはり、最強馬になるためだろう。
最強馬は無敗である必要はない。

「最強馬はどの馬か。」

また考えなくてはならなくなりました。
シンザンやルドルフをもっと知りたいと思いました。
つまらない馬だと思っていたシンザン。
あなたの有馬記念を拝見させていただきました。
じっくり見ようと思っていたのに、消えてしまいましたね。
クレイジーだよ、あんた。
つまらない馬だと思っていたルドルフ。
あなたの有馬記念を拝見させていただきました。
前走の汚名返上とばかりに、カツラギエースを追いかけ回してましたね。
いじめだよ、あんた。
シンザンもルドルフも最強馬と呼ばれるにふさわしい馬でした。
でも、最強馬は一頭しかいません。
じゃあ、シンザンが最強馬だ。いや、ルドルフが最強馬だ。
いや、タケシバオーが、トキノミノルが、クリフジが、マティリアルが、ナリタブライアンが、タマモクロスが、
セクレタリアトが、シーバードが、リボーが、ドバイミレニアムが、ブリガディアジェラードが、
アグネスタキオンが、セクレタリアトが……
その時期その日によって、コロコロ意見が変わりました。
「最強馬はどの馬か。」

そんなある日、とあるレースを見ました。
ゴールまで200メートルを切り、もう大勢は決していました。
「俺も長年競馬を見てるんだ。ゴールまで見なくても結果は分かるぜ。へへっ。」
などと決めこみ、決められた未来を待つだけでした。
ところが、そいつは追い込んできました。
常識の壁を突き抜けて、そいつは追い込んできた。
まさか…、んなばかな…。
なんと、そいつは決められた勝ち馬に勝ってしまったのです。
感動した…。
純粋にレースだけで感動してしまいました。
そいつはそのレースを勝つことで無敗での引退を飾ることになりました。
無敗…、無敗?
無敗だったの?
……。
無敗で引退する馬のレースではなかった。
このようなレースをこいつは勝ち続けてきたのか。
クレイジーだよ、あんた。
やはり、「最強馬=無敗」なんだろうか…。
また、そんな考えを抱かせるぐらいパーソナルエンスンのBCディスタフは強烈でした。

「最強馬はどの馬か。」
僕なりにもまだ答えが出ていません。
てゆうか、最強馬は無敗なの?

「最強馬は負けを知らない馬なのか、
      負けを知ってる馬なのか。」

皆さんはどう思われますか?
負けを知ってる馬でいい?
そう言っとかないとディープ君がすねちゃうかもしれないからね。
とゆうわけで、阪神大章典は8馬身ぐらいぶっちぎってね。
 〜最強のダービー馬はキンカメだと思っているデッショより〜
(2006/03/02)


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