(C−27 スーパーブルーフルフェイスダイヤモンドの子育て)
C−27 については、全国からいろいろな問い合わせが特に多く寄せられる。
写真は思い付きで撮影したものなのでピントが甘い等ご容赦願いたい。(私、そもそも写真撮影は苦手である)
C−27の子育てにおける共通の特長について少しお話する。
この記事は、これから是非C−27のブリーディングに挑戦したい、と言う方のために参考資料として書くものである。
このC−27という品種はブルーダイヤモンドの中でも特に産卵後、神経質である。
子供を得るつもりならまずセパレーター等は必需品で欠かせない。
中には、これでも本当にペアなのかというほど普段喧嘩ばかりしていて産卵が近づくと、その産卵行動の最中だけ仲が良く
それが終わるとまた喧嘩ばかりしているペアも珍しくない。それでも授精は行われていて3日後には稚魚が誕生する。
問題はここからである。
まず一つには、孵化率が非常に低い。ピア・ワンでの平均は20〜40匹程度である。
これは、チェンのファームにおいても一腹の子が水槽ごとに管理されているのであるが多品種に比べるといくらか少ないように
見うけられた。
次には先ほど触れたペアの喧嘩である。孵化後の喧嘩は子供の奪い合いで良くある事としても、C−27はなんと産んだばか
りの卵の奪い合いをはじめる事が多い。ここで放置しておくと卵は喧嘩に巻き込まれて産卵筒から離脱してしまう。
ネットを被せるなりセパレーターでペアを分けるなりオス・メスどちらか一匹だけ残して見守らせるなりの処置が必要だ。
これは、日ごろの観察から最もそのペアに適した処置を施す。
ペアリングを仕掛けるところからすでにブリーダーの腕を振るう必要がある。
こう仕掛けたらこう出るだろう、といった勘というやつである。一匹だけ残すにしてもどちらか取り違えるとそれでアウトである。
話しが前後するが、孵化した稚魚の数が少ない事が最も大きな壁である。子が少ないと子育てを放棄してしまう事も多い。
経験からいくと、子育て上手な別のペアに育てさせる事も出来るが、もちろんそのペアが子育て中で稚魚の誕生日が2日
以上離れていてはいけない。特に持っていく方の稚魚が小さいと向こうの稚魚の群れに入る事も出来ず群れから離れて
やがて衰弱して死んでしまう。
しかし、孵化した稚魚が少なくとも立派に育てあげる事ももちろんある。希望は持ってもらいたい。
とにかく、こんなに神経を使うブリーディングはC−27ならではである。やり甲斐があるというか充実していて面白い。
なんかペアで飼育していたら増えちゃった、っていうのとはわけが違う。是非挑戦してもらいたい。
左の写真は珍しくオス・メス同居で子育てしている様子である。セパレーターも無しで何とかなっているペアである。
幼魚の写真であるが、考えてみたらチェンはこんな小さなサイズでは出荷していないので、初めて見る人も少なくないだろう。
C−27のこのサイズの特長は口元から背鰭付け根にかけての見事にまっすぐな頭部の形である。
このまま体高だけがぐんぐん成長にしたがって高くなる。このサイズですでにC−27と識別も可能である。
中央の写真は2cm足らずの個体、右の写真の個体で3cmである。まもなくブルーが発色する。3枚とも今日撮影した写真である。
少しは、感じがつかめただろうか。とにかく一度C−27で、てこずってみてはいかがかな。
discus-pier-one 1999/05/19.
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