2000年トピックス

暑中お見舞い申し上げます

<ブルーイーグルインパルスダイヤモンドPO-B2> 

2000/08/01

 

(夏のPIER-0NE飼育事情)

ここ、ピア・ワンはビルの三階にある事もあってとにかく夏は暑い。とくにこの夏の暑さは例年とくらべて別格である。

室温30度をこえると2機の換気扇が自動排気を始める。それでも日中は容赦なく室温は35度をオーバーする。もちろん夜中も夏の間は30度を下回る事はなく換気扇は24時間ひたすら排気を続けている。この事はある程度予測ができた事なので、当時DISCUS-PIER-ONEを建設するに当たりビルの北側を選んだ。さらに窓と言う窓は厚い発泡スチロールで断熱されている。日も当たらないここピア・ワンの水温上昇が今年の最大のピンチだ。

今年、岐阜ではこの夏高校総体が行われている。各選手団の最大のテーマは「暑さ対策」だそうだ。とにかく今年に限っては暑すぎる。天気予報でもこの暑さは九月まで続くそうである。岐阜をこの時期に訪れた方は身を持ってその暑さを体験され、ここで取り上げている事についてもよく理解していただけるはずです。納得されている事でしょう。

さて、ピア・ワンの各タンクの水温は下段で32〜34度、上段で36度。中段はこの中間の温度である。三段ラックの上中下段でそれぞれ水温が違う。これは年間を通じて言える事である。もちろんこのままにはしておけない。水温調節のためにほぼ毎日26度の水で1/3程の水換えを行いタンクの水温を30度近くまで下げている。

この事がブリーディングと深い関係にある。ディスカスは水温30度とか31度以上ではなかなか正常な繁殖行動をしない。この事は多くの方が体験され、また一部の文献にも見られる事である。夫婦仲が悪くなったり・・・・子育て放棄である。あるいは産卵さえもしない。しかし今年については先ほど述べた水温調整により面白い事が起きている。

水換えにより水温調整をした次の日偶然にも晴天でない場合水温の上昇はごくわずかに押さえられる。晴天でなかった事などほとんど回数は知れているが、多くのペアがまるで申し合せでもしたかのように一斉に産卵するのである。この長く続く夏のおかげでこの事は何度も確認できた。

というわけでペアタンクの水換えを毎日しなくてもいい季節が待ち遠しいPIER-ONEです。

2000/08/13

 

(ファーム岐西の紹介)

Discus-PIER-ONEから車で5分の距離にこのファームがある。ここではPIER-ONEの店内のタンクが比較的バクテリアに頼らない飼育方法をとっているのに対してウェット&ドライのろ過設備による飼育をメインにしている。太陽光がサンサンと照りつけているにも関わらずその良好な建物の構造上の換気特性により水温は夏場の日中でも32度に保たれている。集中ろ過設備なので各タンクの水温はほぼ同じである。冬場の室温維持には石油ボイラーが一役かっている。

少し見ずらいが写真左端の給湯器の奥に巨大なドライボールのタワーが座っている。下段のウェット部分には殺菌灯も接続されウェット&ドライのそれぞれの比率はおおよそ50%である。循環する水はボールタップ方式により一定に保たれている。各タンクはオーバーフロー方式だ。この設備により日当たりが良いにもかかわらず水が緑化する事は決してない。

 

 ここで大切に飼育されているディスカス達は「タンジェリンドリーム」「レオパードスキン」「リオコアリ」「オリエンタルレッド」「モザイクタンジェリン」「ゴールデンアナコンダ」等、赤系が多い。青系ではチェン・ワイ・シン氏のフルブルー(C-8)等のわずかに留まる。

さて、ここ「ファーム岐西」では5面体である水槽のうち前面を除いたすべてがアクリルホワイトで構成されている事が写真からお分かりであろう。この環境は魚の学問からすると非常に個体にストレスを与え良くない環境とされる。昔、金魚屋さんで金魚を選んで真っ白なホーロー製の洗面器に移し替えたとたんそのどれもが美しくきらびやかな金魚になった。しかし、その後数十分でストレスにより体色が抜けてしまうのだ。ディスカスを飼っている我々にとってはストレスといえば個体が黒くなってしまうもの、と思いがちであるがこの退色化も立派なストレスからくるものだそうだ。ヒメダカなんかはこの洗面器に入れるとものの数分で透明なメダカになってしまう。

タンジェリンドリームを例にとってみると、この白い水槽に移し替えるとオレンジ色だった体色が黄色が強くなる傾向がある。もう一つ面白い事に各鰭までが黄味を帯びてくるのだ。その決定的な実験をピジョンブラッドを使って実験してお見せしよう。この系統のディスカス達は多かれ少なかれ体表に黒点を持っている。それがほぼ消失してしまうのだ。

左の個体は、ほぼオリジナルに近いピジョンブラッドである。これをこの白い水槽に移し替えると約3日後には全く別の魚のように変身してしまう。右の写真は「マルボロレッド」「レッド・ルビー」「ルビー・エンゼル」等と混浴させているがちょっと見ただけでは全く区別がつかない程になっている。言い替えると、アクリルホワイトで販売されているショップでこれらを買い求め自宅のバックスクリーンが黒いタンクに入れると全く別の魚のようになってしまう事も有り、と言う事である。ただ、個人的な観点から言うとストレスが有るとは言ってもこれは人間の飼育下に置かれた彼等にとっては避けられない問題だと思う。ディスカスを美しく楽しむためには必要な選択肢かも知れない。

2000/08/19

 

(ハッピーバースデー)

今日は記念すべきPIER-ONEホームページの2才の誕生日である。昨年の開設一周年セールには多くの方々からアクセスをいただき有り難うございました。この夏も二周年セールを企画はしていたのですがとうとう何も行動できずに今日を迎える事になってしまいPIER-ONEのファンの方には大変申し訳なく思っています。そのうちにまたなにか企画しますのでよろしくお願いします。しかし、おかげさまでなんとか再び二回目の誕生日を迎える事ができました。有り難うございます。今後とも御支援よろしくお願いします。

discus-pier-one

 <オリエンタルレッド>  

 2000/08/20 




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