百名山62座

雨飾山(1963m)

登山日記

  2007.9.22

日帰り

 

          雨飾山                                山頂
9/21(金) 水戸10:30−常磐道−関越道−上信越道−松代IC−長野市−148号−小谷村−雨飾高原キャンプ場5:00
9/22(土) 雨飾高原キャンプ場5:30−荒菅沢一雨飾山頂上9:30〜10:30−荒菅沢12:30−雨飾高原キャンプ場2:00〜3:00−道の駅小谷−糸魚川IC−北陸自動車道−名立谷浜(仮眠)SA16:20−上信越自動車−関越自動車道−常磐道−水戸
山登りの費用  約4。5万 
内訳 交通費  ガソリン代・高速代(約3.5万)  走行距離920km
その他  食べ物4,158円  土産3,645円

 雨飾山は百名山最後の山として残して置きたかったが,今回思い切って登ることにした。小谷村までは遠いし時間がかかる運転だけでも大変だ。今回大きなアクシデントに見舞われた。登山口で写真を撮り画面を確認すると・・・画面が真っ白レンズが結露しているのかとハンカチで拭きもう一度シャッターを押した。なんと・・・写ってない。心を落ち着かせカメラに残っている保存画像は問題なかった。ここで,カメラが故障していることに気がついた。 「なんてことだ!」 今回の記録写真を残せない。どうしようかと悩んだ。頭の中ではもう一度この山に登りにくるしかないかと半分意気消沈して登山口を出発した。

 ここにある写真は今回の登山で大変お世話になった二人の登山者のご好意により撮影して頂いた貴重な写真です。この場をお借りしてお礼申し上げます。また,おじさんにはお礼も言わず立ち去ったことを深くお詫び申し上げます。                                                              

荒菅沢

頂上からの日本海

 雨飾高原キャンプ場に着いたのは,朝の4:55。すでに駐車場には30台近くの車が駐車してあり何組かのグループがヘッドランプを付け出発していた。私も5:30には出発しようとすぐに準備を始めた。登山口はトイレなどの設備は充実していた。
 登山口の写真を撮ったが,カメラが故障し写せなかった。このままここにいてもどうしようもないので歩き出す。
 始めは,湿地帯の木道が続いていた。この川には岩魚がたくさん泳いでいるだろうと思いながら,先を急いだ。そういえばここ何年か趣味の渓流つりには行ってない。

 頭の中では,証拠写真だけでも何とか撮らなければといくつかの案を考えた。

1.パソコンでネットをしている人に頂上で写真を撮ってもらい1000円払って自宅に写真添付のメールしてもらう。

2.写真を撮ってもらい住所と名前を教えて送ってもらう。(でもネガ写真では加工ができないな〜。)

 今日は,たくさんの人が入っているし誰かは助けてくれるだろうと少し元気が出た。ここからブナの樹林帯の急登が始まった。ほどなくしておじさんが休憩していたので声をかけた。よく見るとキャノンのカメラを持っていた。声を掛けたついでにカメラが駄目になった話をした。おじさんのカメラはデジカメで,記憶媒体がコンパクトフラッシュだった。いまどきコンパクトフラッシュを使っているカメラは少ない。
 これは天の助けかと「頂上でおじさんのカメラに私のコンパクトフラッシュのカードを入れ替えて写してもらえませんか?」とお願いした。おじさんは私が言っていることを理解してくれたみたいで「いいですよ。でも,私は,歩くのが遅いので時間がかかりますよ。それでもよければいいです。」と言ってくれた。
 これで,この山にもう一度来なくてすむと内心ほっとした。このおじさんは退職後から山登りを始めたようで今回もキャンプ場にテントを張っているとのことだった。「車で来たんですか?」と聞くと電車とバスで千葉?埼玉?(忘れました。)来たと言うことだった。小谷温泉バス停からは60分もかかる。テントを背負って歩いて来たとのことだった。その話を聞いて頭が下がった。

おじさんのペースに合わせて山歩きが始まった。荒菅沢の手前は比較的平らな道が続いた。やっとのことで荒菅沢へ着いた。ここは休憩にはもってこいの場所だ。
 ここからは山頂がくっきり見えていた。この時は二人とも頂上だとは思わなかった。ここに載っている最初の写真がおじさんのカメラで撮ってもらった写真です。ここからは笹平までの登りが始まった。だんだんとおじさんとのペースが合わなくなってきた。途中で何回か待っていたが,笹平手前でおじさんより先に一気に笹平まで登った。
  おじさんとの約束を破ってしまっていいのか・・・悩んだが,先に行って頂上で待っていようと勝手に決めた。その間降りてくる登山者に,デジカメは何ですか?と何組かの登山者に聞いたが,コンパクトフラッシュのカードの人は一人もいなかった。

単独行の30歳くらいの女性に声を掛けたら・・「心の奥底に風景を焼き付けて帰って下さいと。」なんとも悲しい言葉を言われた。私が期待していた言葉は《私のカメラで撮って後で送ってあげますから・・・》世の中こんなに甘くないと言われるかもしれませんが・・・。私だったら多分そうしてあげると思います。

 

南峰

高妻山を望む

 頂上直下の最後の登り意外と急だがあっという間に頂上に到着。すぐにデジカメ(コンパクトフラッシュ)の人がいないか探した。
 一眼レフのデジカメで撮影している青年を発見。いきなり「すいません。カメラのメモリはコンパクトフラッシュですよね。」と声を掛けた。「そうです。」その後はカメラが壊れて使用できない。なんとか頂上での記念写真を残したいとお願いする。
 「いいですよ。ちょっと待って下さい。私が使ったあと貸しますから。」との返事。心の中でやった!と思いました。その青年も以前,山に登っていてカメラのバッテリーがなくなったことがあったと話をしてくれました。
 お金で御礼しても失礼だと思い。余分に持ってきたペットボトル500mlのスポーツ飲料水を渡しました。(ここで売れば1000円位の価値はある。)快く受け取ってもらいました。
 借りたカメラで8枚位写真を撮った。頂上だけではこれが限界かな。
 昼食をとり30分位たった頃おじさんが頂上へ到着した。遅れて申し訳ありませんと言ってくれた。とんでもない私がおじさんをおいて先に登ってしまったことを謝った。
 そして,カメラも借りることができたと話をした。もう降りますかと言ったのでもう30分はここにいますといい。勝手だとは思いながらも笹平からの雨飾山を撮りたいので,おじさんと一緒に下山しますと言った。

笹平

火打山・妙高山を望む

 この写真が笹平で撮ったおじさんの写真です。了解なしにこのHPに載せたことをお詫びします。でも顔がはっきり分からない程度なので許してください。
 この後は時間的にも余裕ができたのでゆっくりおじさんと休みながら下山しました。荒菅沢で休憩をした。
 キャンプ場までコースタイムで1時間35分だったので,一気に下山した。
 おじさんも後ろにいるのかと思っていたが,30分経ってもなかなか登山口に戻ってこなかったので,着替えを先にした。登山口に車を移動しおじさんを待っていたが1時間経っても来なかったので駐車場を後にした。
 100人近い人が登っていたので何かあれば案内所に連絡が来ていたはずなのでおじさんは大丈夫だろうと思った。たぶん休み休み最後の1時間を下山しているのだろうと思った。
 挨拶をしないで帰ることに心が痛んだが帰宅の途についた。言い訳かもしれないが,笹平まで一緒に下りようと約束したのでこれでいいかなと自分に言い聞かせた。

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