百名山83座

飯豊山(2105m)

登山日記

  2009.9/19〜21

2泊3日(晴れ)

 

           飯豊山                                            大日岳
/19(土)

21(月)
水戸−那珂IC−常磐高速−磐越道−磐梯山SA(仮眠)−会津若松IC−山都町−川入駐車場4:50登山口-5:30−三国小屋9:40−切合小屋11:30〜12:30本山小屋14:40(泊)−夕食16:30−起床4:30−小屋5:50−御西小屋7:00−大日岳8:15〜50−御西小屋10:00〜30−飯豊山頂11:45〜12:00−本山小屋11:45〜12:00−切合小屋14:10−三国小屋15:50(泊)−起床5:00−日の出5:30−小屋6:20−中十五里8:30−登山口9:30−いいでの湯−蕎麦−山都町−磐梯河東IC−磐越道−常磐道−水戸15:00 
山登りの費用  約1.5万円
内訳 交通費  ガソリン代 6,070円  ETC 2,000円  山小屋2,000円×2日   飯豊の湯 500円  土産5,630円 
走行距離    500km      
 飯豊連峰は、東北随一の山塊と評される山だ。2000mの峰を連ねる飯豊連峰は山の深さ、高山植物や残雪の多さなど多くの優れた点を擁している。
 飯豊連峰は、3年前から行こうと計画を立てていた山だ。3泊4日の小屋泊まりの荷物を考えるとなかなか実行できないでいた。百名山最後の山にするかどうか迷ったが5連休のシルバーウィークを有効に使おうと行くことに決めた。
 今まで山に登っていて登山者から飯豊山は、紅葉が素晴らしいから是非行って下さいと言われたことが何度かあった。登ってみて本当に素晴らしい山だった。
 本山小屋では、隣になったSさんから焼酎をご馳走になり楽しい小屋泊まりができた。また、三国小屋では、小学1年と4年生の兄弟が百名山97座目を登頂し、最年少百名山登頂記録を目指していることがわかった。人それぞれ百名山に挑戦する目的は違うだろうが、是非百名山を達成してもらいたいと思った。
 
川入キャンプ場駐車場 登山口入口
 川入に入り、民宿のある集落で通行止めの看板が突然飛び出した。ここまで来て登山口に行けないのかと車を止めた。
時間は4:30村人に聞くにも聞けない。どうしようかと迷っていたが、左にある小さな橋を渡った。民宿の間を通ると山に向かう山道らしき道になった。行けるとこまで行こうと車を走らせる。所々に対向車避けの道路が作ってあった。たぶん間違いないだろうと進むと大きな駐車場が見えた。これで一安心。駐車場には、30台近い車が駐車してあった。昨日山に入った人もいるので今から何人の人が登るのだろうかと思った。10人近い登山者が準備を始め出発する登山者もいた。キャンプ場で、トイレ・自炊場などが整備されている。
登山口 長坂

登山口まで10分ほどの林道歩き。ここからは、ブナ林の3時間の急登が始まる。ネットなどの情報でこの登りが大変だと書いてあったので、休む間隔は、40分以上歩いてからと決める。焦らず一歩一歩地面を踏みしめて登る。ザックの重さは15kgだ。水場は所々にあるが、枯れていることもあると書いてあったので、2.5リットルの水を持ってきた。

中十五里 笹平

登山道は、どちらかというと整備されてない自然のままの道だ。下十五里・中十五里・上十五里・笹平とちょうどよい休憩場所がある。

狭い登山道 横峰

三国岳 紅葉

横峰小屋跡を過ぎた頃三国岳が顔を出した。天気はよさそうだ。ところどころモミジの紅葉が見られた。

水場峰秀水 地蔵山

地蔵沢の水場へ到着。冷たく美味しい水だ。こんなに水が豊富ならここで水を汲めばよかったと思った。

剣ヶ峰 剣ヶ峰

ここからは、滑落注意の剣ヶ峰の岩稜だ。飯豊山にこんな危険な場所があることを知らなかった。ここで多くの登山者に出会う。年配の夫婦は、ゆっくりと休みながら登っている。

剣ヶ峰 剣ヶ峰

数カ所足場がわからないところがあったが、無事に難所を通過した。帰り疲れていたらここを下るのはきついだろうと思った。

三国岳山頂

4時間10分で三国岳山頂へ。予定より1時間も早く着いた。

遠く飯豊山 大日岳

三国小屋からは、飯豊山・大日岳が素晴らしい姿を見せていた。思っていた以上に大きな山だ。

三国小屋 鎖場

三国小屋の中をのぞくと管理人はまだ来ていないようだ。山頂で休んでいたおばさんがトイレには鍵がかかっていて使用できないと言っていたので、確認すると奥の一カ所が使用できることがわかり使えますよと教えてあげた。この小屋には泊まる予定はなかったが、二泊目に泊まることになる。

紅葉 切合小屋へ

紅葉が所々に見られ綺麗だった。切合小屋へは多少のアップダウンはあるが、なだらかな登山道が続く。

種蒔山へ 飯豊山

切合小屋へなだらかな稜線を歩く。七森・種蒔山と頂上ははっきりしない。紅葉のトンネルを通り小屋へ向かう。

切合小屋 水場

最初の予定ではこの切合小屋に宿泊するはずだったが、いっしょに歩いていた人はみんな頂上小屋まで行くと言って歩き出した。この小屋は定員100人で食事を希望する場合は、米3合を持参すると書いてあった。明日の行程を考えると頂上小屋まで行った方がいいと判断。ここからは、2時間20分だ。時間はまだ11:30だ。ここで、お湯を沸かしラーメンを食べ1時間ほど休憩した。シーズン中なら小屋まで冷たい水が引いてある。

緩やかな登り 紅葉

登山道から見える斜面には色鮮やかな紅葉が広がっていた。

草履塚からの稜線 姥権現

草履塚で休んでいる登山者が多い。ここからは急な下りになる。下ったところにお地蔵さんが立っている。

岩稜・御秘所 御前坂

ここからは岩稜の御秘所を通過する。剣ヶ峰から比べれば危険はない。

最後の登り テント場

ジグザグに御前坂を登るとテント場に着く。水場はここから二分ほど東側に下ったところにあるが、水量は弱い。500ml入れるのに60秒かかる。8時間近く歩いているので最後の登りはきつかった。

本山小屋 飯豊山神社

2:40に小屋に到着。20人近い登山者が来ていた。管理人のおじさんは、宿泊者に対し順番に宿泊台帳と管理協力金台帳のふたつに住所と名前・登山日程を記入させていた。単独行の登山者は1階に2人以上は2階にと登山者を割り振った。
後から後から登山者が小屋に入ってきた。2階の登山者を優先しているのでいつまでたっても受付してもらえない。1時間も待たされ、やっとの事で受付してもらった。すでに山頂にはガスがかかり今から山頂へ行ってもしょうがないと登頂をあきらめた。
隣になった福島の郡山市?福島市?から来ていたビール好きのAさんと水を汲みに水場へ行った。Aさんはすでに登りながら6本のビールを飲んでいた。小屋についてもまたビールを2本注文し夕食前に飲んでいた。すごい大酒飲みだと思った。私の隣には米沢からきていたSさんがいた。小屋の夕食は4:00頃から始まった。宿泊者はそれぞれ持ってきたフリーズドライやレトルトのカレーなどを食べていた。食べ終わるとSさんとAさんは晩酌を始めた。私は酒を山に持ってきたことはない。家で晩酌はしないからだ。Sさんが、パックの焼酎を持ち出し飲みませんかと誘ってくれた。明日下山するので持ち帰ってもしょうがないということだった。疲れていなければ大日岳へも行く予定だったようだ。Sさんは地元の山をメインに登っていると言っていた。Aさんは数年前に西穂高からジャンンダルムを経由して奥穂高へ縦走したという強者だった。二度と行きたくないと言っていた。私もいつかはあのルートを歩きたいと思っている。山小屋で知り合った人と酒を飲み交わしたのは初めてだ。いい思い出になりそうだ。Aさんは、日本酒まで飲んでいた。それを見ていた私が、「飲酒で山で遭難したら山での飲酒が禁止になりますよ。」と言うと「飲酒運転じゃなくて飲酒登山になる。」とSさんが言った。

小屋のトイレ 飯豊山頂

最近の山小屋のトイレは浄化処理システムが採用されている。使用後、足でボタンをプッシュする仕組みになっている。

朝4:30に起きると霧で視界がなく突風が吹いていた。昨日頂上へ行っていればよかったと後悔した。宿泊者の多くは、大日地岳登山をあきらめて今日下山するようだった。往復6時間30だ。管理人のおじさんは、荷物はまとめておけば、置いていってもいいと宿泊者に話した。私は、着替えとシラフ・食事などをビニールの袋に詰めて小屋に置いて5:50出発した。

霧の御西小屋 流れる雲から青空が

小屋から20分の頂上へ向かった。風は強く体が吹き飛ばされそうだ。流れる雲の切れ間から青空がのぞいていた。台風の影響はわかっていたが、天気予報では東へそれるはずだ。私は必ず天気は回復すると確信を持っていた。最悪の場合、御西小屋まで行って戻ってこようと思った。宿泊者の多くは様子を見ているようだった。御西小屋へ1時間で到着。大日岳へ向かっているのは数人だ。

大日岳 大日岳へ

7:00御西小屋から大日岳に向かう。霧に包まれていた山並みが一気に姿を現し始めた。

大日岳へ 紅葉

大日岳は、飯豊連峰最高峰の山だ。最高峰を登らずして飯豊連峰を登ったとは言えないとネットでは言われているようだ。

大日岳山頂 登りの登山者

8:15大日岳山頂へ到着。5人の登山者がいた。互いに写真を取り合った。飯豊山と思ってみていた山は北股岳だった。大日岳からは飯豊山は御西岳に隠れて見えないそうだ。頂上には30分ほどいて展望を満喫した。日本海が見えなかったのが残念だった。

御西小屋へ 御西小屋に置かれたザック

下山を開始してから天候の回復を待っていた多くの登山者が登ってきた。御西小屋に10:00に到着。予定より早く戻れたのでここでお湯を沸かしコーヒーを飲んだ。ここで、初めて女の子供を連れた家族連れに出会った。この山は家族連れが簡単に登れる山ではないと再確認した。多くの登山者が荷物を小屋に置き大日岳を往復している。

雪渓 草月平

朝霧でまったく見えなかった稜線の雪渓が顔を出した。草月平から見える飯豊山は美しい山容だ。すれ違う登山者の多くは中高年夫婦だ。

飯豊山頂 本山小屋

快晴の飯豊山山頂へ11:45に到着。記念写真の撮り直しをして本山小屋へ向かう。小屋に預けていた荷物を取り外でザックに入れようとすると管理人のおじさんが小屋の中でやっていいよと親切に言ってくれた。今日はどこまで行くのかと聞かれたので切合小屋までですと答えると小屋は相当混むので三国小屋まで行った方がいいとアドバイスしてくれた。この小屋も今日は満員だそうだ。40人の定員に60人以上泊まるようだ。

切合小屋へ 切合小屋

2:10分に小屋に到着。30分ほど休憩し三国小屋へ向かう。切合小屋も今日は満員だそうだ。

稜線 磐梯山

 3:50分に三国小屋に到着。30人近い登山者が宿泊していた。1階の空いているスペースに場所を割り振られる。6人のグループ2組と男の子2人連れの3人家族と私だ。2階は夫婦や小グループのようだ。
 夜の6:00に40代?の夫婦が小屋に飛び込んできたのには驚いた。小屋のおじさんも何時だと思ってるんですかと怒っていた。危険な剣ヶ峰をこの時間に登ってきたのにはびっくりさせられた。

 この小屋で地獄を味わうことになるとは・・・・・・。奥のグループは、小屋の管理人と交流のある常連のグループらしい。夕食は鍋での宴会らしい。隣のグループは磐城市から来ているどこかの山岳会だった。このなかの一人が夕食前に大いびきをかいて寝ていた。仲間達はまた始まったと言っていた。もしかすると寝られないかもしれないと思ったが、二日間で16時間も歩いているので疲れて寝られるだろうと勝手に思ったのが間違いだった。2時半までいびきと息で寝られなかった。私は我慢できず足と頭を入れ替えてやっと寝ることが出来た。最初からそうすればよかったと後悔したが遅かった。私の隣の3人の親子連れのお父さんも寝られなかったようだ。
 
 この親子は、百名山の最年少記録を目標に3年前から登り飯豊山で97座を達成し、あさって剣岳へ行くと話していた。今月中に達成し新聞にも出ると話していたが、まだ、記事になっていない。

 宴会で酔っぱらったおじさんが「お酒と女は二合まで」と言ってまわりの笑いを誘っていた。どちらも深入りしないのがいいのか?と勝手に解釈した。また、この小屋の管理人のおじさんは、私は独身なんですと自分を紹介していた。星空を見に外に出る。小屋のおじさんが、星はまったくわからないが、明かりが見える町を紹介していた。米沢市・喜多方市の明かりがみえる。下の明るい外灯は川入キャンプ場の明かりで、ライトが動いているのは車が登山口に向かっているところだと事細かに説明していた。 

御来光 遠く朝日連峰

朝5時に小屋が動き出した。福島・山形の山並みが雲海の中に顔を出した。磐梯山・吾妻山・安達太良山・朝日連峰・那須岳・日光白根など360度見える山がすべて姿を現した。日の出まで時間があったので、お湯を沸かし紅茶をいれて朝食のパンをたべて御来光を待った。蔵王山?の方向から太陽が顔を出した。

岩稜 川入キャンプ場駐車場

難所の剣ヶ峰を無事通過し、川入キャンプ場登山口に着いたのは9:30だった。帰りいいでの湯に入り、蕎麦を食べて帰りの途についた。町おこしでやっている民家のそば屋に入ったが、期待はずれだった。(高くてまずい)帰ってから飲み屋さんで聞いた話では駅前のおそば屋さんの方がよかったかもしれないと言われた。下山途中で百名山を達成した福島市から来ていた登山者と話が出来たこと。また、99座と97座を達成している登山者と話が出来てアドバイスをもらうことができたことはよかった。

登頂記録へ

百名山軌跡へ