百名山38座

笠ケ岳(2897m)

登山日記

  2005.8.20〜23

3泊4日(車中1泊)

←2006.8黒部五郎小舎から撮影

                 

8月中旬

水戸−新宿(夏山直通バス)−新穂高温泉−笠新道−笠ガ岳山荘(泊)−笠ガ岳−秩父平−弓折岳−双六小屋(泊)−鏡平−小池新道−新穂高温泉−バス−松本−東京−水戸

 この年は 、仕事が忙しく夏休みがお盆過ぎにしか取れなかった。夏山のピークはすでに終わっていた。笠ガ岳から黒部五郎まで縦走するつもりだったが、大風は日本から遠く離れていたがその影響を受け天候が悪く笠ガ岳登山だけで下山した。

 登りの笠新道で首に飛びついた蜂を払おうとして左指を刺されそのトゲが取れるまでに1週間かかってしまった。さされた瞬間口で毒を吸い込んで吐き出したため、腫れる事はなかったがついていなかった。

 秩父平で可憐な高山植物が咲き乱れていた。今まで山で見た群生の中で一番大きかったかもしれない。 

笠新道入り口

槍ガ岳

 新宿から直通夜行バスで新穂高温泉に着いたのは朝の5:30頃だった。ここから笠ガ岳山荘までは8時間かかる。

 バスに乗った登山者は、西穂・双六・槍と各方面に別れ出発した。私はわさび平小屋に向けて出発した。1時間を過ぎたところで笠新道入り口に到着した。ここから笠ガ岳に向かうのは私一人ではないと思っていたが、私以外だれもいなかった。
 
 私とバスで一緒だった単独行の女性が、「一人静かに登山が出来ていいじゃない。」と言って鏡平方面に行ってしまった。この人は三俣山荘まで行くといっていた。私だったら双六までが限界だ。相当山に精通している女性だと思った。

 ここからの登りはとてもきつかった。午前中は晴天で樹林帯は蒸し暑く急登なため、30分で休憩・20分で休憩・10分で休憩と時計を見るのが怖くなるほどバテテシマッタ。登り口から杓子平まで行くのに6時間もかかってしまった。

 杓子平は一面霧になっていた。下山する登山者とやっとのことで出会った。何人かの登山者と出会ったがここ数日霧で何も見えなかったと言っていた。やはり天気はよくないようだ。
 

杓子平 ヤマユリ

 この頃から、雲行きがおかしくなり今にも雨が降りそうになってきた。ここから山荘までは2時間30分かかる。もう少しペースを上げないと4時を過ぎてしまう。
 

タカネマツヌシソウ 雷鳥

 杓子平は一面お花畑だ。雷鳥も顔を出した。急いで稜線へ向かった。稜線に着いたときはすでに3時を過ぎていた。山小屋に電話が繋がり予約を取った。
 休憩してまもなく雨が降り出した。急いでカッパに着替え山小屋に向かった。小屋に電話したとき急いで来て下さいと言われたので最後の力を振り絞って歩いた。
 小屋に到着し、受付をすると「早かったですね。」との返事。急がせておいてそれはないだろうと思った。
 部屋は6畳に4人だった。部屋を案内してくれた人は茨城の人で、ここでアルバイトをしている学生だった。受付のときに住所を書いていたのでそれを見てわかったみたいだ。
 蜂の針が指に刺さったままだったので、針と消毒液を借りたが、結局針は取れなかった。

笠ガ岳山荘 笠ガ岳山頂

 朝起きたが天候は回復せず、雨と霧と風まで吹いていた。小屋に残っていたのは二人だけになった。山頂まで10分くらいかかったと思うが二人で山頂へ行って記念写真を撮った。下山するか迷ったが、もう一日様子を見てからにしようと双六小屋に向かった。

分岐 コバイケイソウ

 笠ガ岳から抜戸岳・秩父平までは歩きやすい道だった。秩父平では素晴らしい高山植物の花園を見ることが出来た。霧が出ていたので近くに行かないと花は見れなかったのが残念だ。

雷鳥 ハクサンイチゲ

 弓折岳まで誰にも会うことはなかった。雨は時折やんだが、晴れる様子はまったくなかった。歩いている途中に携帯電話が鳴った。職場の上司からで、職場の同僚の御悔やみが出来たということだった。こんな所で携帯が繋がるのか。これはすごいと思った。

キヌガサソウ 花見平

  弓折岳分岐で、やっと多くの登山者と出会った。多くが双六小屋から来た登山者と今から向かう登山者達だ。

小屋から 双六小屋

 昨夜は、寝られないほど強い風雨だった。朝になり雨がやんだが、どんよりした天気だ。天候の回復が見込めないので下山することに決めた。

双六岳方面 秩父沢

 双六から弓折岳分岐を経由して鏡平に向かった。下山途中、鏡平からの多くの登山者とすれ違った。天候をあきらめて下山する人もいれば、期待してこれから登る人もいる。私が登っていた時、下山していた人も私と同じ気持ちだったのかなと複雑だった。
 下山すると新穂高温泉は晴れていた。山の上の天気は登らないとわからない。

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