百名山100座 制覇!

利尻岳(1719m)
北峰1719m
南峰1721m(登頂禁止)

登山日記

  2014.8/14(木)
日帰り
(晴れ)

           上空からの利尻島                                           山頂神社
8/14(木)     
 沓形地区(旅館)4:00−マイクロバス−北麓野営場登山口210m(2合目)4:30−甘露泉水(3合目)−野鳥の森(4合目)−雷鳥の道標(5合目)−第一見晴台(6合目)−胸突き八丁(7合目)−第二見晴台−長官山1218m(8合目)30分休憩−利尻山避難小屋−第三見晴台(9合目)−分岐−利尻山山頂9:50(妻は9:30に登頂)1時間休憩−下山開始11:00−甘露泉水分岐(妻が旧登山道へ)捜索20分北麓野営場登山口4:30沓形地区(旅館)5:00
山登りの費用 パック4泊5日(航空運賃 旅館4泊) フェリー代往復2000円(利尻−礼文間) 電車代(水戸−羽田) 高速バス2000円
 観光バス(利尻島一周)3250円 携帯トイレ400円 タクシー1300円 サイクリング900円 温泉500円 
内訳 移動 水戸(自宅)−常磐線−上野−浜松町−羽田空港−千歳空港−利尻空港−宿(沓形地区)−北麓野営場
歩行時間  登り5時間、下り4時間30山頂休憩1時間  
 天気にも恵まれ、予定もしていなかった妻と一緒に山頂に立てたこと。山の神に感謝だった。
しかし
、ハッピ−エンドでは終わらなかった。最後に、山の神は私に「戒め」を与えた。
 
利尻北麓野営場 野営場
 朝、3時に起床し旅館のマイクロバスで登山口まで送迎してもらう。朝食は弁当に変えてもらった。宿泊者は10名程度だった。登山をするのは私達だけであった。
 利尻島の上空周辺は薄い雲に囲まれていたが、山頂には雲はかかっていない。
 旅館の主人の話では登山には最高の天気になるとのこと。30分で登山口に到着。
 希望としては朝の3時に登山口を出発したかったが、タクシーは6時前には営業はしてないと事前に知らされていた。旅館の主人が4時だったらという事で数日前に了解してもらっていた。
甘露泉水の場所(3合目)270m 野鳥の森(4合目)390m
 10分ほど歩くと名水甘露泉水に到着した。ここまでは舗装の遊歩道になっている。
 多くの登山者はすでに出発していたようだ。太陽が昇らないうちにできるだけ高度を稼ごうと登山口を出たが、体が思うように動かない。
  昨日、利尻空港に14時に到着し、宿に着いてから十分な休息を取っていたが、部屋にはエアコンがなく台風が去った後だったこともあり蒸し暑かった。なかなか寝付けなかった。
 (明日百名山を達成出来るだろうかという不安と明日で百名山が終わってしまうのかという複雑は気持ちで興奮していたのかもしれない。)
  空は薄い雲に覆われ暑くなく登るにはいい条件であった。しかし、体が動かない。妻は先を歩いていた。

 (妻は避難小屋か9合目で待機する予定であったが、なぜか体調がよかったようだ。)
針葉樹林帯 礼文島が見える。
 礼文島が見えた。下山後、体に問題なければ、明日フェリーで礼文島へ行く予定だ。
 ところどころ展望があり気休めになると話していた登山者もいた。
 しかし、体が重いのが気になり始めた。
ダケカンバのトンネル 第一見晴台(6合目)760m
 妻は先を歩いていた。遅い私を見て困っているようだ。(写真右)妻は第一見晴台で私を待っていた。
 
 多くの登山者が登っているし、特に危ない個所はないので先に行かせても大丈夫だろうと決断し、
 
 妻は止まってしまうと歩けなくなると分かっていたので、妻に自分のペースで先に行っていいと言った。
トイレブース 鴛泊港
 第一見晴台のすぐ上に最初のトイレブース。二つ目は避難小屋の隣・三つ目は9合目の第三見晴台にある。
 これで山の環境が保たれるのは大賛成だ。
 多くの山で実施してほしいと思った。
出来れば、富士山のように入山料金(寄付金)を取ってバイオトイレにしてほしいと思った。
岩場 第二見晴台
 このコースでは、この場所が最初で最後の岩場かもしれない。展望がいいこの場所で多くの登山者が休憩をしていた。
長官山1218mへ 長官山の石碑
とても美味しい弁当 長官山頂
 登り始めて2時間だが、体が思うように動かない。昨夜の寝不足がじわりじわりと効いてきた。
私は、何度か金曜日の夜に車で山に向かい、一睡もせずに山に登った経験があったので問題ないと高をくくっていた。

 (心の中で、百名山最後の山で「山の神」が私に試練を与えているのだろうと思った。)
 
 これ以上水分を取ってもばてるだけだ。このままでは11時までに山頂へ着かない。
 ここで決断、朝食も食べていないのでここでランチタイムにしよう。すでに、妻は先に行って見えなくなっていた。
 
 お弁当はおにぎり二つとたくわんかと思っていたが、お弁当を広げ開けてびっくり。
 
       (山で食べる弁当のコンテストがあったら優秀賞を取っていただろう。)
 
 中身の紹介(梅干しおにぎり二つ・昆布巻・ゆで卵・たくあん・しそ巻・チーズ・焼き鮭)山で必要な栄養素がたっぷり取れる弁当だった。
 ここで20分休憩し半分以上弁当の中身を食べた。元気が出てきた。さあ出発だ。
エゾシマリス 利尻避難小屋
 歩き始めてすぐに登山道のところで動くものを発見。七曲りの七合目で写真を撮りそこなったシマリスがいるではないか。
写真を撮る間、逃げなかった。体も回復してきたうえにシマリスと出会うことが出来た。

                私にも運が向いてきたと感じた。
 
 利尻小屋が見えてきた。中を覗くと15畳位ある避難小屋だった大きい方だろう。
 5合目付近で下山者と話をした。青年の登山者は昨日小屋に宿泊したと言った。昨日は天気が悪く山頂からは何も見えなかったそうだ。今日は行かなかったのですかと聞いたが、予定のフェリーに乗れなくなるので行けなかったと言っていた。 格好は軽装だった。食料も水も一日分しか持たなかったのだろう。
トイレブース内部 リシリブシ
 トイレブースの中を覗く。携帯トイレを持ち歩かなければならない山なので中は匂いもなく綺麗だ。
ここで、携帯トイレで大便をしてザックに入れて持ち歩くのには相当抵抗があるだろうと思った。
 今回は一度も使わなかったので、その時はどうなるのか分からない。
 (いざという時のためにザックの中には厚めのビニールを余計に2枚持参はしていた。)
美しい 幻想的な利尻山
 朝、山頂には雲はかかっていなかったが、気流の影響で山頂部にガスがかかりはじめた。ガスは東から流れていた。太陽の日差しが強くなってきていた。ガスの中の登山は涼しい風が体に当たり気持ちが良かった。
気持ちのいい稜線 登山道修理中
 利尻岳コマドリプロジェクトで行われている登山道修繕場所があった。
 多くの地元の人達に支えられている。感謝しなければならない。
 (下山後、旅館で利尻山コマドリプロジェクトバッチ一個1000円を2つ購入した。少しでもいいから山の保全・整備に使われてほしいと思った。)
第三見晴台(広場) 9合目ここからが正念場!
 第三見晴台へ到着。10人位の登山者が休憩していた。
 下山してくる登山者も多くなってきた。ここからは約1時間だ。
 体調も回復してきた。ここからは火山灰砂礫の不安定な道だ焦らず気を付けて歩こう。
鴛泊の海岸線 小学生親子はすでに下山
 数える余裕もないが、ここまで50名位の登山者とすれ違っていた。今日は100人以上が入山するだろう。
整備された登山道 山頂へはもう少し
 山頂直下は山の側面が崩壊し、一部ロープが張られていた。
 この登山道も少しずつ地元の方々によって修繕・補修されるだろうと思った。頭が下がる思いだ。
目の前には北峰 山頂には多くの登山者
 山頂に多くの登山者が見えた。山頂までもう少し。
 妻は無事に山頂に到着していた。私より25分前に到着していた。
山頂でたくさんの写真を撮っていたのかと思いきや、他の登山者の写真を頼まれていたようだ。
登山口から一緒だった登山者から「旦那さんはどうしました?」と聞かれ、「そのうち来るんじゃないですか。」と答えたそうだ。
山頂 日本百名山達成!
 
 夢にまで見た百名山完登の記念写真を撮ることになった。登山口で一緒だったほとんどの登山者は下山していた。
 山頂には20名位の登山者しかいない。登る前には山頂で順番を待たなければと思っていたので少し安心した。
 
 記念の垂れ幕を出す前に、何枚か写真を撮った。
 
 周りの様子をうかがいザックから垂れ幕を出し、隣にいた人にお願いして記念写真撮影。
 
 写真を撮ってくれた方から「百名山登頂おめでとうございます。」と温かい言葉を掛けられた。
 
 近くにいた他のグループからは「あの人百名山最後の山だったみたいよ。」とわずかに聞こえただけ。
 
 後は、あの人何してんのと言う感じで気にもされなかった。(少し残念でした。)
 
 山の雑誌で投稿されている写真の多くは山頂にいた多くの登山者に祝福されている写真が載っているので
 
 自分もそうなったらどうしようと考えていたので拍子抜けだった。
 
 
最後の山が昨年登った水晶岳だったら山頂にいた中高年の人達とみんなで写真が撮れただろうと思った。
 
三角点 南峰とローソク岩
 利尻山は双耳峰で南峰は登頂・通行禁止しなっている。南峰は北峰より2m高い一度は登って見たいと思った。
壊れた石碑「○天?獄」 整備された登山道
 山頂の神社の前に倒れていた石碑。割れていて先端が紛失していた。おじさんが倒れた石碑の上に腰を下ろしていた。罰が当たらなければいいなと思った。
急勾配の火山灰登山道 合流地点はこの下
 足場の悪い火山灰の急勾配が続く。側面は崖が切り立っている。焦らずゆっくりと下山した。妻はこの場所で足を滑らせ三回尻もちをついた。一回は岩に頭を軽く打ち付けたが、大事に至らなかった。私も一回尻もちをついた。
それを見ていた近くの登山者から「女の人の登山靴は靴底が小さいので特に滑りやすいんですよね。」と声を掛けられた。
それを聞いてこの人は優しい山男なんだと思った。
9合目 利尻山と最後の記念写真
 ここですぐに下山するのがもったいないので、ここで小休止し最後の展望を楽しんだ。多くの登山者が下山していた。この時間に登って来る登山者がたくさんいたのにびっくりした。たぶん本日小屋に泊り、明日ご来光を見る登山者のようだ。20名近い登山者はあの小屋に全員入れないだろうと思った。中にはテント持参の登山者もいたようだ。また来る機会があれば小屋に泊りご来光を見たいと思った。
 ネットの書き込みで、夜中に登り、ご来光を見た人の書き込みもあったが、中には夜行登山は止めて下さいと野営場の管理事務所の係員に注意されたとの書き込みもあった。
 熊もヘビもいないこの島なら夜行登山も何とかなりそうだ。
姫沼 礼文島
 利尻の観光案内パンフレットには姫沼から撮影した利尻山が載っている。私も利尻にいる間にここからのベストショットを撮りたいと思った。(最終日行ったが、山頂は雲に隠れ利尻山の雄大な写真が撮れなかった。5日間いたが、午後3時頃からは山頂の雲はなくなっていた。海洋性の気候のためなのではと思った。宿の主人に聞くと利尻山は夕方の方が雲がなくなり利尻山がはっきり見えると言っていた。)
フェリーが稚内へ 尾瀬にもある登山者カウンター
 妻は山頂までの登りで足や膝に負担がかかったようで、下りに多くの時間を要し多くの登山者に追い越された。
 (妻の今までの最長歩行時間は斜里岳の11時間だった。
 普段はまったく運動はしていない。今月に入り日光の戦場ヶ原の散策に2回ほど出かけていた。)
直進?勘違いする標識(左が登山道) 名水甘露泉水の水場
 野鳥の森(4合目)のところでここまでくれば大丈夫だろうと思い「先に行って甘露泉水の水を汲んで待っている。」と妻に言って先を急ぐ。水を汲んで待っていたが、いつまでたっても来ない。下りてくる登山者に一人で下山している「女性の登山者を見ませんでしたか?」と何人もの登山者に聞くが、「そんな人は追い越さなかったですよ。」との返事。

 携帯が繋がったので「どこにいるんだ。」と聞くと「木のベンチのところをまっすぐにでいいの?」と聞いてきた。「そうだ。」と答えた。私は4合目の丸太のベンチかと思った。迎えに行くが、下山する登山者に聞いてもそんな人は見かけなかったとの返事だった。
  変だ?一本道間違えるはずがない・・・・ポン山方面に行ってしまったか?右に曲がる登りの道が一カ所ある。しかし、間違えることはないだろう。
 再度、携帯に電話する。
 屋根の付いたベンチの場所は通過したかと聞くとその場所を直進したとの返事。
 これで間違えた道が分かった。最初に、携帯に電話した時には、すでに、水場を通過していたのだ。

 標識を見ると直進が鴛泊市街へと矢印がある。その下に小さく(旧道)との記載が。

 ベンチのある東屋まで戻るように妻にいい、旧道へ迎えに行く。ほどなくして妻と合流。
 
 「野宿するつもりだった。」との返事が返ってきた。

 捜索願を出すことにならなくて助かった。ホッ・・・・・

 妻が旧道へ間違っていった時に、一人の青年とすれ違い、下山道はこの道でいいですか?と聞いたようだ。その青年はこの道で間違ってないと言ったそうです。私はいい加減なことを言うやつだと思った。この青年はキャンプに来ていたようでキャンプ場と旧下山道と甘露水の場所を周回して散歩をしていたようだった。
 
甘露泉水の東屋 森林浴の森・北麓野営場・登山口
 携帯が繋がっていた場所だったので助かった。妻は先に行ったあなたが悪いと言ったが、記念の百名山完登だったこともあり・・・・大事に至らずに済んだ。
 せめても償いに妻のザックを私が持って登山口へ向かった。

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