百名山76座

光岳(2591m)

登山日記

  2009.8/8〜9

1泊2日(晴れ時々霧)

 

           光岳                                           イザルヶ岳
8/7(金)

9(日)
水戸20:00−常磐道−外環−関越道−圏央道−中央道−飯田IC−152号−ナビにない林道−易老渡4:30−登山口5:30−易老岳−光小屋13:30−光岳−光石−15:00小屋(泊)5:30−イザルヶ岳6:30−易老岳−11:20登山口12:00−松川IC−中央道−圏央道−関越道−外環−常磐道−水戸21:30 
山登りの費用  14,580円
内訳 交通費  ガソリン代7,880円 ETC3,700円(?) 食事(蕎麦)1,000円    コンビニ800円 土産1,200円
走行距離  960km
 今年の夏は、梅雨が明けたのか明けないのかはきりしない夏山シーズンを向かえた。私は、山形県の飯豊山と石川県の白山へ行く計画を2ヶ月前から立てていた。しかし、お盆になっても東北の梅雨明けはしていない。急遽、ネットで山の天気を確認し、晴れ間が期待できる南アルプスへ行くことを決めた。そして、百名山でまだ登っていない光岳へ行くことにした。南アルプスの中でも奥深く交通の便が悪い所だ。光岳へは,長野側の飯田市から入るルートと静岡側の畑薙ダムから入るルートがある。東京からは、長野側から入るのが一般的だ。ナビで場所を確認するが、登山口が見つからない。その結果,登山口が分からず1時間近く道に迷ってしまった。
 
易老渡駐車場 登山口
  水戸を夜の8時に出発し、混雑を避ける為首都高には入らず,外環・圏央道を利用して中央道へ行くルートを選択した。この日、関東(群馬・埼玉)は雷雨に見舞われていた。帰省ラッシュに巻き込まれるのかと思っていたが、車は順調に流れた。ガソリンとトイレ休憩でSAに2回ほど立ち寄り飯田ICで高速を降りる。

 高速を降りコンビニに立ち寄る。ジュースを購入し店員に易老渡までの道を尋ねる。親切に道を教えてくれた。しかし、道が複雑で分かりづらい。光小屋のHPで周辺マップを印刷していたので何とかなると出発する。飯田市の町を通過し最初の狭い道に入る。対向車が来たらすれ違いができないような山道だ。途中から拡幅工事が行われた新しい道になる。矢筈トンネルを抜け、国道152号に出る。ここから、上島トンネルを目指すが、どこまで走るのか見当がつかない。ここで、道を間違え地蔵峠へ入ってしまう。1時間近く関係のない林道を走ってしまう。車を止めネットで調べた資料を読み返すが、場所が分からない。昭文社の山地図は、光岳登山口周辺の詳細図がちょうど切れていて役に立たない。

そして、私の車に付いている安いナビは易老渡へ入る林道が出ていない。

時間は、朝の4時近くになっていた。登山口に5時までに着かないと大変なことになると思った。1日目の行程は8時間の登り、できるだけ早く登り始めないと体が持たないからだ。

国道125号に出て、誰かに聞こうと車を止めた。通りかかった車を止めようと手を振るが止まってくれない。やっと3台目の老夫婦の車が止まってくれた。親切にナビで検索してくれた。私のナビはどうなってるんだと思った。ここからは落石注意の沢沿いの道だ。予定よりも1時間も遅れ登山口に到着した。駐車場は30台の車で満杯だ。止める場所がないので路肩に駐車した。すでにランプを付けて出発する登山者もいた。某大学のワンゲル部がテントをたたみ出発の準備に取りかかっていた。

吊橋を渡るが、半分腐りかけた橋桁が気になった。

苔石 面平と檜

ここからは、ジグザグの急登だ。途中尾根道になり面平に到着。岩には苔が張り付き異様な雰囲気をかもし出している。ある人のHPでは、この苔を屋久島にも劣らない巣晴らしい苔だと評していた人がいた。しかし、休憩で座る石、倒木には苔が生えていてズボンが濡れてしまい私には厄介な苔にしか思えなかった。

上河内岳 樹林帯

鍋の底を歩き、また、尾根の急登になる。倒木帯を過ぎ少し歩くと、北側斜面に視界が開ける。樹林帯の隙間からは聖岳が・・・・なんともピラミダルな山だ。聖岳は大学時代の友達3人で10年前に登っている。この時は、お盆休みで聖平小屋は1畳に3人という地獄を味わった小屋だ。このとき以来、私は混んでいる山小屋には絶対に宿泊しないと心に決めていた。

唯一の岩場 易老岳2354m

岩場のやせ尾根を通過し、10時20分に易老岳へ到着。数人の登山者が休憩をしていた。ここまで来れば、あと2時間30分で小屋に到着できる。この光小屋は、3時までに小屋に到着しなければ夕食は出さない決まりがある。私は素泊まりなので、何時についても大丈夫だ。

シダと立枯れ 易老渡(遠山川)

分岐からは、シダと立ち枯れの林の中を通り、ぬかるみの湿地帯が続いた。スパッツは持っていたが、着けるのがめんどうなのと着けると足に通気性がなくなり蒸し暑くなるのが嫌なので着けなかった。

ガラ場の登り

三吉平を過ぎ、ここからは谷筋のガラ場の登りが始まる。最後の登りの1時間は体に堪える。

高山植物 光岳からの下山者

この辺から光岳からの下山者とすれ違うようになった。この人達は、昨夜、茶臼小屋に泊まり縦走をしている登山者だ。茶臼小屋−易老岳−光岳−易老岳−易老渡のコースタイムは10時間近い。私には真似はできないと思った。

トリカブト 静高平

急登がなくなったころから、お花畑が見えてきた。花の最盛期は過ぎている。トリカブトや白や紫の花が所々に咲いていた。水場がある静高平に到着。

水場 木道

時期的に枯れることがあると山地図に書いてあったが、今年は水量が豊富だ。それだけ雨が多かったのだろう。水場の看板には、水が出ている間は、小屋での水の提供はしないと注意書きがあった。私は空になったペットボトルに水を入れた。ここで、沢の水をガブガ飲んだら小屋でのビールはおいしくなくなるだろうと思い我慢したかったが、ついついがぶ飲みをしてしまった。

イザルヶ岳 日本最南端のハイマツ

センジヶ原の木道を歩く。イザルヶ岳への分岐に到着。ここから往復15分だったが、明日登ればいいと考えハイマツの中を通り小屋に向かう。

光小屋 光岳山頂

光小屋に1時30に到着。きれいな小屋だ。素泊まり寝具つきの料金4500円を払う。素泊まりだけなら3000円と分かっていたが、ザックにシュラフを入れたときザックがいっぱいになってしまったので、あきらめて車に置いてきていた。この山小屋は珍しく公営なので、1泊2食でも7500円だ。バイオトイレも設置されている。荷物を置いて頂上へ向かう。ここからは15分位だ。水と粉末紅茶とカメラを持って出発。ダケカンバの林の中を緩やかな登りが続く。ほどなくして頂上へ、視界がないこじんまりとした頂上だ。誰もいないのでセルフタイマーで記念写真を撮り、光石へ向かう。ここから10分だ。

ハクサンイチゲ 光石

光岳の名前は山頂直下に石灰岩の白い光石を持っていることからこのような名前になったと言われている。念願の光石に到着。岩が露出している。ガスが上がって回りは真っ白だ。岩の上に立ち記念写真を撮る。真下は絶壁になっている。ここで、30分ほど横になり紅茶を飲んで休んだ。

松の実? 光小屋とテント場

小屋に戻り、山並みの景色を楽しみたかったが、雲が湧き山が隠れて何も見えい。テントで過ごせたら天の川をみることが出来最高だろうと独り言を言った。

質素な夕飯 雲の中の聖岳

夕食を早めに済ませ早めに休もうと思った。小屋の消灯は7:30だ。今夜の夕食はレトルトエビピラフとインスタントきのこ味噌汁とミニラーメンの三品と小屋で買った600円の缶ビール(350ml)だ。ビールをコップに入れて一口飲んだが、先ほど光石山頂で紅茶を2杯飲んでいたので胃が受け付けない。残ったビールは半分以上あったが捨てるしかない。隣のベンチで自炊を始めた川崎から来ていた40代の青年?と山の話に盛り上がり楽しく夕食を取ることができた。彼も学生の時から山登りを始め、現在もアルプスを中心に登っているようだ。彼には申し訳なかったが、残ったビールを飲んでもらった。

イザルヶ岳と富士山 上河内岳・茶臼岳・富士山

小屋の高台付近で人が集まっていたので見に行くと、富士山がもう少しで顔を出すと雲の動きに一喜一憂していたのだ。雲の上から富士山・上河内岳・茶臼岳・聖岳が時折顔を出した。聖岳がこんなに大きな山であったのを再認識した。山は縦走していろいろな角度から見ないと本当の山の姿は分からないのだと思った。

小屋内 イザルヶ岳山頂

小屋の朝は4:00から動き始めた。早い人は頭にライトを付け出発している。予定では、茶臼小屋へ向かうつもりだったが、昨夜茶臼小屋から来た人の話では、小屋は満杯状態で昨日よりも混みそうだと言っていた。光小屋もたまたま昨日は空いていたが、今日からは混むと言っていた。予定通り行けば茶臼岳300名山・上河内岳200名山の山を踏破できる。しかし、今後100名山を達成した後、200名山をやるつもりはない私にとって登りたいとは思わなかった。結局、なんだかんだと自分なりに理由をつけて下山することにした。:30に小屋を出発。小屋を出たのは最後の方だ。宿泊していた登山者の7割は、茶臼・聖岳方面に出かけていた。

昨日行かなかったイザルヶ岳へ登る。360度のパノラマだ。下山予定の10数人の登山者もみんな立ち寄っていた。ある登山者はここが光岳の山頂にした方がいいと言っていたが私も同感だった。しかし、私は光石がある岩場が本当の意味での山頂ではないかと思っている。

昨日、山頂を往復していた登山者のうち、光石まで行った人はどのくらいいたのだろうかと疑問を感じた。

山頂と富士山と百名山登頂のおじさん 大学のワンゲル部

この山頂に写っている4人組の中の1人が、今回百名山を達成した人です。28年かかったそうです。話している言葉から関西方面の人かと思いました。本日は下山するだけなので、山頂で1時間ほど山並みを見て過ごしました。恵那山・御嶽山・中央アルプス・・・ほとんどの山が見渡せました。上層雲がかかっていたため薄暗い天気でした。

三吉平で○○薬科大学のワンゲル部の生徒と出会う。山頂にいた4人グループのおじさんが学生に声をかけていた。荷物の重さはどのくらいあるの?と質問すると部長らしき学生が、男子は約30kg女子は22kgだと答えていた。私もテント持参の時は、25kgを背負って歩いた経験が何度かあるが、思い出しただけでぞっとする。

登山口 国道125号線からの入口

易老岳の分岐からは3時間の下りだ。余裕があったのでゆっくりと下山したつもりだったが、10回ほど足を滑らし転びそうになった。それだけ、苔の生えるしめった登山道だ。11時20分に登山口に到着。沢の水で体を洗い着替えて帰りの途についた。日曜日でETC割引中央道で渋滞に巻き込まれ家に着いたのは9時30分だった。

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