各種モンスターを垂れ流し。思いつき次第増えるかも。
魔物と言い切れないタイプも交えてお送りします。





〜不定系〜

魔物の中では比較的弱い種族。
多くは軟体の体を持つ液状の魔物である。
下級種は正に雑魚と言い切るに相応しいが、上位種には危険なものが居り、油断は出来ない。
なお、彼らの本体は柔らかなジェル部分でなく、その中にて守られている核である。
強大な存在になるには些か単純すぎる構造からか、比較的種類は少ない傾向にある。


ブルースライム

スライム種でも最弱を誇る種族。
柔らかい分打撃が効き難いスライム種だが、彼らの場合核を護る役割すら果たせないほどに柔らかい。
新米の冒険家の格好の訓練相手。悲しい役回りの種族である。


レッドスライム

赤い不気味な色を持つスライム。
その粘液は消化液であるが麻痺毒でもあり、消化で傷を負ったところで体内に入った毒が効き目を示す合理的なもの。
尤も、本体の能力が知れているため、素手で挑むような愚か者でもなければ他愛の無い相手。
が、稀ながら攻撃した際に飛び散った粘液の影響を受けている隙に他の魔物に殴り倒される事もあるので、油断しきるのも危険。


グリーンスライム

毒々しい緑色のスライム。
見かけなんでもない相手なのだが、その油断が死を招く相手。
彼らは直接触れた者を同化させる能力を持ち、素手で触れようものならたちまち溶解させられる。
幸い鎧などで防護していれば敵ではないが、軽装のことが多い弓闘士や術士には危険な相手。
見えていれば対処できるが、スライム種の特徴である天井からの落下は彼らグリーンスライムにとって正に最大の武器と化す。


キラーセル

生体迷宮で見かけるスライムのような魔物。
歪な立方体の形状をしており、体当たりを仕掛けてくる。鈍く、強くも無いが、数が尋常ではない。
1体見かけたなら、そのまま数百体と連戦になることを覚悟するべきである。


ゼラチンキューブ

スライム種の亜種。
巨大な立方体の形状をしたゼリー状生物。スライムと違い形状がほぼ固定されているのが特色。
触れた相手を麻痺させて取り込み、消化する。
核を含めて透明な体をしているため、気が付かぬまま体当たりして犠牲になった者も多い。








〜魔獣系〜

一般の獣に近い姿形をしている魔物。
ただの獣との区別ははっきりしていないが、基本的には凶暴な存在を示す。
飛行する者は飛行系、水棲の者は魚類系に分類されるため、一般的に思われるよりは種族は少ない。


ワイルドウルフ

魔獣系ではかなり下位に属す、凶暴な狼。
見かけこそ普通の狼だが、常時狩りへの欲求に身を委ねているために非常に厄介。
幸い、機敏さ以外は見るべき点も無いため、それほどの危険性は無い。


ダイアーウルフ

何らかの影響により必要以上に凶暴化してしまったワイルドウルフ。
それほど強くは無いが、群れで襲い掛かってくるため術士にとっては最悪の相手。
機敏なため、なかなか捕らえる事も出来ない。それゆえか下級ながら被害は出やすい。


ヘルハウンド

魔界の炎の中より出でし火の魔犬。
全身を紅蓮の炎に包み、その牙は恐ろしいほどの高熱で鎧を溶かし貫く。
そして吐く息は業火を化して対峙する者を焼き尽くすといわれる。
魔界においては多く存在するが、地上界に出てくることは滅多に無いため噂が一人歩きしているのが実情。


ケルベロス

三つ首の魔界の番犬。
強力な炎を吐き、三つの首が連続で放つ攻撃は非常に危険。
一度にタイミングを合わせて、相乗して放たれた場合は最悪である。
凶暴ではあるが意外に人懐っこく、かなりの甘党であると言われる。


ワイルドキャット

犬の親類たるワイルドウルフと並んで語られる、猫の親類たる魔物。
鋭い爪、気紛れな戦法、そして小さな体と機敏さを持つ厄介な存在。
毎度毎度襲われるわけでもなく、中には人に懐くものもあるらしいが、基本的に危険である。
一見友好的でも油断ならないのは、こうした猫系の魔物の共通事項と言える。
遭遇したなら忘れてはいけない。猫というのは本質的に気侭であると。


ヘルキャット

魔界に潜みし紅蓮の猫。
魔界の炎熱地獄に潜むと言われ、その身には体毛ではなく猛火を纏う。
生息域の似ているヘルハウンドと違い、火炎を吐くことこそないが、その爪の一撃は強烈。
水で鎮火させてやりたい所ではあるが、どうやらマナの炎であるらしく、死なせない限り消えない炎のようである。
見た目は兎も角、性格的にはやはり猫そのものだが、おかげでむしろ厄介とも言える。


ジャイアントベア

普通の熊も大きいが、それがなお大きくなった熊。
自分があまりにも小さく見えるほどの威圧感が有るが、性質はそう凶暴ではない。
その分、なめてかかってその豪腕に屠られる愚か者は後を絶たない。


ダイアーベア

ジャイアントベアが凶暴化した上にさらに巨大化、毛並みは灰色に変化した存在。
その紅く燃える瞳は獲物を常に捜し求めており、哀れにも見付かった者は飽きるまで殴られるだろう。
こんな存在ながらその肉は非常に美味で、熟練した狩人は大金を必要とした場合にしばしばこの魔獣を狩る。


ジャイアントラット

野鼠が異常に巨大化した魔獣。
そのサイズは成人した男性の腰を超えるほどであり、鋭い前歯は並みの剣よりも鋭い。
幸いと言うべきか、それほど攻撃的ではなく、こちらから殴りかからない限りは問題は無い。


プラーグラット

紫色の毛並みを持つ毒々しいジャイアントラットの亜種。
見た目のまま猛毒を持ち、爪にせよ歯にせよ傷付けられればただでは済まない。
誰も気にしないとは思うが、死体も猛毒。が、コボルドなど毒に強い種族が死肉を漁っている辺り、なかなか美味の様子である。
一応、こんな食べたく無い死体でも何らかの手法で毒の免疫を得ていれば、食べられないことも無い。


ユニコーン

俗に一角獣とも言われる、角を生やした白き馬の姿を持つ存在。
美しい体躯とその癒しの力を秘めた角とは裏腹に、非常に獰猛な獣でもある。
清らかなる乙女の前にのみ、その落ち着きを見せるといわれるが、そもそも個体数が少な過ぎるため、見かける機会も少ない。
天使族との繋がりも有るとされ、中には騎乗している姿も見られるという。


ペガサス

翼を持つ高貴なる白馬。
見た目通り空を駆ける能力を持ち、馬型の生物としては最も温厚。
数が少ないために見かける機会は少ないものの、戦闘力は並のものを持ち、空も飛べるため生き延びる術は十分持っている。


ナイトメア

悪夢の名を持つ、文字通り悪夢の象徴たる幻影のような馬。
主に魔界に生息するとされ、悪夢を撒き散らすとされる。
この悪夢は文字通り眠っている間の悪夢でもあるが、彼らを倒そうとした者たちへの現実的悪夢も含んでいる。
その燃え盛る蹄と鬣は恐怖を誘い、そして凄まじい力は打ち据えられた者に絶望を味合わせるのである。








〜飛行系〜

空を飛び回る魔物を総合した系統だが、ごく一部に例外が見られる。
主に鳥型の魔物が属し、どんな者にも大なり小なり危険視される。
大半が持つ飛行能力もさることながら、特に高位種は凶悪な独自の能力を持つことが多い。


ブラッドホーク

鮮血の鷹の異名をもつ魔鳥。
赤い羽根が鮮血を思い起こさせるため名付けられたといわれる。
しかしその能力はいささか名前負けしており、素早く攻撃できる戦士なら軽く叩き落とせる。
逆を言えば、駆け出しの重戦士にとっては死神の代理人に他ならないのだが。


ジャイアントバット

大型に成長した蝙蝠。
本来はありえないサイズになるため名付けられた。
吸血の性質があるほか、異様な音波を発し精神に対し打撃を加える。
本来鳥ではないのだが、飛行する魔物と言う事で魔鳥に属している。


マッドファルコン

文字通り凶暴なファルコン。
特別なことは何もしないのだが、機動性の凄まじさは目を見張るものがある。
狡猾な事もあり、警戒の必要な魔物のひとつ。


レインボーフェザー

コカトリスの亜種に当たる虹色の魔鳥。
非常に美しい羽毛を持つためによく狩人に狙われるが、能力も中堅程度は有るため迂闊に手出しは出来ない。
なお、石化の力こそ持たないが、触れられると徐々に硬直させられ、動きが鈍っていった果てに完全硬直することになる。
幸い、自然に弱まる魔力である上に硬直の進行は触れられる度であるため、危険性は若干低めである。


アックスビーク

異様な形の嘴を持つ飛べない鳥。
嘴が異常に発達しており、その下部で一撃を見舞う。それは丁度斧の一撃に近い。
飛べない、と言っても少し羽ばたいて跳躍を助ける事は出来るため、高所から攻撃されると非常にキツい一撃となる。


コカトリス

虹色の美しい羽を持つ石化の魔獣。
サイズのわりには身体能力はさほど高く無いが、石化能力を持つために天敵があまり居ない。
かつてはその全身に魔力を常に纏っていたが、何時しかその魔力はコカトリスが望む時のみ発生するように進化している。
主には嘴に魔力を発動させて攻撃するが、相手が無防備ならば体当たりなども狙ってくるなど、知恵はある。
死ぬと同時に必ず石化の力を発動するため、屍には触れるべきではない。例え羽一つであっても自由を奪い得る。
ただし、バジリスクと違い純粋な草食性であり、向こうから積極的に襲ってくることは少ない。


グリフォン

魔鳥の王者といわれる巨大な鳥。
若いドラゴンに匹敵するほどにまで成長し、多くの地域で生態系の最高位に位置している。
強靭な爪による一撃も嘴による一打も、鋼鉄の板を一撃で貫くと言われ、多くの旅人に恐れられている。
コカトリスにだけは手出ししないが、実際は石化への免疫を持っており単に何らかの共生関係にあるだけらしい。


ワイバーン

手に当たる部位を持たないことを除けば、ドラゴンに酷似した種。
ドラゴンとは明確に別種とされるが、実際に気質や能力の差は非常に大きい。
飛行能力には優れるものの、ブレスを吐けず、強靭な顎で噛み砕くか長い尾で打ち据えるなどの格闘戦で獲物を倒す。
あまり群れを成さないが、必要となれば大規模な群れで大きな町を襲うこともある。


ドレイク

ワイバーンの亜種かつ上位種。
ドラゴンのそれには全く及ばないものの、衝撃波として襲い掛かる擬似的なブレスを吐く能力を備える。
それほど身体能力は上がっていないにも関わらず、強力な遠隔かつ広域への攻撃手段を備えたことで非常に危険な存在となっている。
あまりワイバーンや他のドレイクとは関わらず、単独行動が多い。


フェニックス

猛火を纏いし不死鳥。
「その名の通りその命は不滅であり、どれほどの攻撃を仕掛けようとも殺すことは出来ない」とまで言われるほどの生命力を持つ。
とはいえ、彼らはさほど邪悪ではなくむしろ温厚で、よほど手酷く喧嘩を売らない限りは危害を加えてはこない。
だが、その不滅とまで言われる命の力の根源を求め、彼らに挑みかかる愚者も後を絶たないのも事実である。
にも拘らず、下級のものから戦利品を得た者が辛うじて幾らか存在する程度で、今だ高等な存在が打ち倒されたという話は無い。
戦いにおいては火と命の魔法を自在に操り、また炎を纏った嘴や爪による一撃、さらには炎そのものたる己の羽を武器とする。






〜魔虫系〜

様々な虫に似た姿を持つ魔物の分類。
強固な殻を持つものもあれば、軽く自在に空を飛ぶもの、地中に潜むものなど多様である。
総じて毒や酸を持つものが多く、あまり好んで戦闘相手にされる事はない。
だが、その肉体は様々な用途をも持っており、全く相手にされないと言うわけでもない。


アーマービートル

硬い殻を全身に纏った大型の甲虫のような魔物。
伸びた角での薙ぎ払いはなかなかに強力だが、如何せんサイズがサイズであるためにあまり怖くは無い。
とはいえ、その強固な防御力は厄介なものであるため、主に魔法によって始末される。


ビートルクルーザー

アーマービートルが異常大型化した亜種。
アーマービートルはせいぜい人間の子供程度の体長しか持たなかったが、こちらは人間の大人すら凌ぐサイズである。
このためにその薙ぎ払いは恐ろしい威力を持ち、さらに影響範囲も広大である。
だが、あまりのサイズのために基本的には地中暮らしを余儀なくされるため、出会う機会は少ない。
また、餌にも相当困るらしく、積極的に子孫を増やそうというような行為は見られないため、数もかなり少ない。


ジャイアントスパイダー

大型化し、人間に匹敵するサイズにまでなった蜘蛛。
強烈な毒を持つが、本当に恐れられるのはむしろ大型化に伴ってさらに強靭になった糸である。
尤も、彼らの巣に引っかかる機会があるとすれば、落とし穴に落ちた時程度なのが救いであろう。
あまりにも太くなり過ぎたその糸は、本来の意味での役目はなかなか満たせなくなっているのである。


ポイズンスパイダー

緑色のいかにも毒々しい蜘蛛。
他の種も大なり小なり毒を持っている場合が多いが、この種は蜘蛛の中では最強の毒を持つ。
巨人ですら短時間で死に至らしめるため、嫌われようは半端ではない。
保護色の関係なのか、森林に住んでいることが多い。糸も緑色をしている。


ダンジョンスパイダー

大型の蜘蛛でありながら、糸を罠に用いることの多い希少な種。
彼らの糸は黒く、迷宮の闇に紛れさせるには適しているためである。
糸の耐久性もかなり高く、うっかり引っ掛かると悲惨な結果になるだろう。
幸い、身体能力では他の種族に幾らか劣っている。


スピッティングスパイダー

毒液を吐きかける能力を得た大蜘蛛。
毒の強さは並ではあるが、傷口を狙ってしつこく吐きかけてくるため相当な脅威。
噛み付かれた上にその傷から毒を入れられる、などということもある。
とにかくこの蜘蛛が生息する場所では迂闊な負傷は死に直結するため、嫌われ者である。


ランドクラーケン

多足である点から名付けられた、ジャイアントスパイダーの亜種。
この種の蜘蛛は毒を持たず、また巣を張る習性もない珍しい種でもある。
が、代わりに発達したその恐るべき脚力は脅威となり、連打を受ければただでは済まない。
外見から嫌われ者だが、主食は他の虫型の魔物で自衛以外ではまず人間を襲わない。
縄張り意識も持たず、人間を見かけると離れた位置に避けたり陰に隠れるなど平和的な共存をしている。


ウンゴリアント

強烈な連打能力を誇ることで有名な大蜘蛛。ランドクラーケンのさらなる亜種であろうと目されている。
かなり大型化しており、相手が虫嫌いならその外見だけで殺せそうなほどだが、実力も相当なもの。
糸を罠ではなく攻撃的に扱うようになり、移動にも自在に使う。
幸いなのは主な生息地が迷宮の深層であるという点であろうか。個体数も非常に少ない。


ジャイアントアント

主に砂漠地方に生息する大蟻。
砂漠の地下に多数の巣があり、時折縄張り争いも見られる。
虫の中でもかなり力が強く、噛まれるとただでは済まない。
とはいえ、基本的には温厚な種族であり、危害を加えなければ襲われることは稀。


ミュータントアント

ジャイアントアントの突然変異種。
元々高かった身体能力がさらに上がり、加えて凶暴になっている。
砂漠に生息しているが、数は少なく、また他のジャイアントアントとは敵対しているようである。







〜水棲系〜

水の中や水辺、或いは陸上と水中両方を生息地とする魔物。
水棲生物という曖昧な括りのために含まれる種族は多い。
海岸や小さな島、また水に満ちた洞窟などで多く見られ、湖や川などに生息するものも居る。
漁で生計を立てている村落などの大敵であり、多くの被害を出す事が多い。


キラーフィッシュ

鋭い牙を持つ魚。ピラニアの亜種ではないかと考えられている、凶暴な魚。
基本的には浅瀬などに不用意に踏み込んだ陸上生物を集団で狙い、数に任せて一気に食らい尽くす。
個々の能力は低く、一匹程度は追い払うにせよ殺すにせよさほど難しくは無いが、数十匹もの群れを成す。
生息域も幅広く、迂闊に水辺で子供を遊ばせられない最大の原因である。


ジャイアントトード

人間の赤ん坊を一飲み出来るほどの大型の蛙。
強靭な脚力を活かして跳躍して巨体で押し潰すことで獲物を殺し、飲めるサイズに千切っては食べる。
生理的に嫌う人も多いが、魔物としての実力もかなり高い。可能なら相手をするべきではない。


ポイゾナストード

ジャイアントトードの変種で、体液に猛毒を得たもの。
能力を象徴するかのように毒々しい紫色をしており、唾液などの体液全てに猛毒を含む。
攻撃に用いることは無いが、毒のおかげで外敵に襲われにくく、その分か他の蛙型種族よりも警戒心が薄い。


ブラッドトード

血色の体色を持つ、吸血蛙。
他の蛙とは違い、獲物の血を吸い尽くすことで生きており、彼らの獲物になったもののなれの果ては無残なものである。
戦闘能力も高く、疎まれながらもなかなか討伐などには踏み切られていない。
生息地域が狭いのが救いだが、ブラッドトードしか住んでいない沼すら存在する。


ホッパーダイナスト

跳躍者の覇王の名を冠する蛙型の中では最強の種族。
他のトードを凌ぐ巨体を持ち、その鳴き声は耳を劈くほどの轟音となって敵を襲う。
また、唾液に特殊な魔力を持ち、嘗め回した相手を蛙に変化させる力もある。
数は少なく、群れも成さない。しかし、他のトードが彼らを長として集団生活を営むこともある。


ジャイアントリザード

大型の蜥蜴。
特徴に乏しい種族だが、バシリスクと同じ蜥蜴の外見のため憎まれる哀れな存在。
硬い表皮を狙って狩る者も居るが、筋力そのものは強く、侮って殺される馬鹿者も居る。
大型化した影響か、餌には困るようで、常に飢えているようだ。


バシリスク

石化の力を持つ蜥蜴型の魔物。
ゴーゴンと同じく眼光に石化の力を持ち、直視した獲物を石と化す。
彼らの食性は石や、石化された生物の活力であり、獲物は例外なく石化されて彼らに生命力を奪われる。
対策をしていたとしても、鋭い牙や爪があり、また表皮も下手な鎧より硬い、優秀な戦士である。
知性の高さもあり、非常に厄介な魔物の一種と言われている。
水棲系には含まれているが、砂漠地方のオアシス周辺をうろついている種も確認されている。









〜死霊系〜

死してなお彷徨い続ける者たちの総称。本来は魔法生物だが、種類の増加と例外の多さ故に独立している。
総じて高い耐久力を持つ面倒な敵。人間の成れの果てであるため、芸の多さは亜人に匹敵する。
死霊術士の率いる魔法生物に等しいものの他、明確に自我を持つ上に光の浄化も受けない個体が存在する。
ただし、全面的に死のマナへの依存性が強く、命の魔法による攻撃には常に脆い。


スケルトン

人骨のみで動き回る下等な死霊。
非常に脆く、打撃に弱いのだが機敏なために戦い慣れていない戦士には厄介な相手。
骸骨だけの体躯のために刺突系の攻撃は殆ど意味を成さず、そういった得物を持つ戦士は止む無く得物で殴る形となるか、予備を使う。
様々な技能を持ち、事前の対策には情報を得ることは必須。武具の扱いも可能であるため予想外の強敵にもなり得る。


ゾンビ

腐敗した肉体を持つ死霊。実質的なアンデッドの最下級種。
打撃に弱く、刺突や斬撃にも強くは無く、その上動きも致命的に鈍いため、手強い相手ではない。
ただし、単純な耐久力と筋力ではスケルトンとは比較にならない程高い。油断は禁物である。
腐敗を補うため、肉を貪ることで己の肉体の欠損を幾らか再生するという異様な能力を持つが、戦う際には気に留めることもないだろう。


スパルトイ

竜の牙や骨を素材に造成され、より高い戦闘能力を持つスケルトンの亜種。ドラゴントゥースウォーリアが正式な名称。
竜骨が素材のため非常に硬く、加えてスケルトンと同じく多様な武器戦闘技能を持つ強敵。
正式名の示すとおり、武器戦闘の能力しか備えないのは確かだが、その範囲内であればこれほど多芸な兵も居ない。
尤も、素材調達が難儀なため、見かける機会はまず無いだろう。


グール

食屍鬼といわれるゾンビの亜種。異様に大きく、武器としてより洗練された形状の爪を持つ。
ゾンビのそれを大きく上回る食事による再生力を持ち、腐肉だろうと躊躇いも無く食い荒らす。
能力面でもゾンビを遥かに上回り、格段に機敏になっている。更にその爪や牙には麻痺性の毒を持つ。
防御面では見るべきところのない種族であるため、可能であれば遠距離から始末するべきだろう。


ゴースト

マナで作られた実体の無い肉体を持つ死霊。知覚出来ればローブのようなものを着た、青白い人型と取れる。
真っ当な視覚で感知できない状態に意図的になる能力を持ち、実体を持たないため物理的な攻撃で追い払うことは出来ない。
物理的な攻撃能力は無いが、精神的な攻撃に長け、下位の死霊ながら魔法にも適正を持つ。
魔法には致命的に弱く、特に命の魔法を受ければ一瞬で消し飛ぶだろう。


レイス

ゴーストの近似種だが、こちらは透明化出来ない上に実体部分を持つ。
濃い青をした手が実体を持ち、触れられると極めて不快な影響を受ける。
ただし打撃力は弱く、また実体部分が存在するために物理的な攻撃でも始末がつけられる。


スペクター

ゴーストの亜種の1つだが、青白い渦のような不可思議な形体を取る。
実体は無いが、渦に巻かれると強力な精神攻撃を受ける。幸い浮遊していながらも動きは鈍く、振り切ることは難しくない。
透明化能力も維持しているため、存在が予想される場には看破手段を用意して向かうべきである。


バンシー

泣き女の異名も持つゴーストの亜種。ゴースト類には珍しく、人間に近い姿を取る。
透明化はしないが、相変わらず実体を持たない。しかし非常に強烈な泣き声により、発狂を誘う。
耳を塞いでどうにかなるような代物ではなく、魔法に頼ることが出来なければ遭遇は死に直結する。
撃退も魔法頼みになりやすく、戦士にとっては鬱陶しい相手である。


ホーント

比較的最近になって目撃されるようになった、一部実体の有る霊魂。レイスに近いがより大型で、手ではなくローブのような部分が実体化している。
実体の無い手で敵に触れようとしてくる。触れられた者は麻痺や石化を起こし、少なくともまともに動けなくなる。
魔法にも長け、こういった霊体系の魔物としてはかなり高位に有ると言える。


レムレース

ホーントと同じく発見が比較的遅い霊体の死霊。
紫色の霧の姿をしており、主に幻の魔法を操る。他の種が持つような直接的な精神攻撃は持たない。
その代わり、自身を何かの姿に変容させる力を保有しており、普段は実体がないが物質化も可能。
魔法のみしか通用しないものの、魔や命以外の魔法も効きが悪い厄介者である。


ワイト

ゴーストの亜種の一つだが、青白い炎のようなものが歪な人型を成しているという、抽象的な姿を持つ。
本体は実体を持たない幽体だが、活動時はほぼ間違いなく屍に取り付いている。
青白い光に取り巻かれた屍に恐れを抱かないものは少ないが、さらに触れられるとゴースト類の得意とする精神攻撃まで受ける。
特にこの種の精神攻撃は心を凍り付かせるような性質のものであり、単独行動ならば絶対に受けてはならない。


マミー

木乃伊ともいわれる包帯を巻かれた動く屍。
元々は砂漠地方の文化として存在した死体の保存法だが、腐敗の進み難い点に目をつけた死霊術士が悪用した。
腐り難いために筋力や耐久力が落ち難く、ゾンビとは比較にもならないほどに手強い。
その上、魔法的な処理を屍に施されているため、単純な格闘戦であってすら魔法的な悪影響を及ぼすことがある。
ただし乾燥させた屍のため非常に燃え易く、相も変わらず動きが遅いため対抗策が有れば恐れるに値しない。


デス

死神とも呼ばれる、骸骨型の死霊。
足を持たず、低空を浮遊して移動する。大鎌を持ち、黒いローブを纏うことが多い。
長くは持たないが高速移動もできる上、その一撃は非常に重い。可能ならば迎撃を成功させたいところである。
魔法もそれなりには扱えるため、遠距離だからと安心していると危険。


デュラハン

首無し騎士とも呼ばれる甲冑を纏った亡霊騎士。
剣の腕前は素晴らしく、並の戦士では対抗し得ないほどと言われる。ただし、魔法は不得手。
頭部が無いため多くの感覚を持たないが、思念を感知するように生物の居場所を正確に探知する。
またやや弱いながら、魔法的な視覚も補助的に持っているので、地形に嵌るようなこともない。


ヴァンパイア

生ある者の血を啜る上級の死霊。
血を啜ることにより再生能力を賄う力を持ち、また特に魔法的な能力に優れる。
種族独自の能力として蝙蝠への変化が挙げられる他、邪眼による催眠、魅了、隷属化の力も持つ。
格闘能力は格の割には貧弱なため、精神攻撃の通用しない相手は苦手とする。


レヴナント

復活者の名を冠する上級アンデッド。
どす黒い肌を持つ人間といった風貌で、他の死霊に比べれば嫌悪感を抱かせにくい。
高い知能を持つ上、恐るべき戦闘能力を持つ危険な相手。攻防に優れ、魔法も操る事がある。
人間をそのまま復活させたような存在なだけに、個性を与える余地も大きく、能力は予測できない。


リッチ

死を拒み、永遠を望んだ大魔道士のなれの果てといわれる高等な死霊。
絶大な魔法的能力の高さは、ただそれだけでもこの種を恐るべき敵とする。
なかなか疲れないのは死霊の共通項だが、その点が特に活きており、高位魔法すらある程度連射出来るほど。
骸骨型のため打撃に弱い上、あまり硬度を重視していないために直接損害を被るような状況になるとあっさり潰されることもある。


ラルヴァ

リッチの近似種だが、こちらはゾンビ型。
特に死の魔法を操る力に長け、爪に麻痺性の毒まで持っているため接近戦の弱さを幾らか補っている。
隙が無いように思えるが、物理的な射撃に対抗する有効な策を持っていない点が泣き所になる。


リーパー

デスの上位種とされる高等な死霊。どす黒いオーラを纏い、目にするだけでも恐怖を誘う。
ただでさえ優れていた攻撃能力がさらに高まり、重装備であってすら一撃で引き裂かれる恐れがある。
とはいえ、弱点は補いきれていないため、先制して出鼻を挫ければ勝機は有る。


デスナイト

非常に強力な戦闘能力を持つ骸骨型の死霊。リーパーと同じくどす黒いオーラを持つ。
格闘能力が異常なほどに高く、威力も速度も熟練した戦士のそれに等しい。
魔法も死の魔法のみは扱い、遠近双方で高い攻撃能力を持っていることになる。
大概甲冑などで武装しているだろうが、本体は骸骨型の宿命で脆い。


ノーライフキング

命無き王の名を持つ死霊族の最上級種。レヴナントの姿に近いが、凄まじいほどのオーラを纏う。
あらゆる死霊の頂点に立つだけあり、その能力は圧倒的。1体でも大規模な戦士団を捻り潰すだけの力を持つ。
死霊の弱点は変わらず持っているとはいえ、それを突いてようやくまともに戦えるものと考えるべきである。
尤も、こんなものが大量に発生することはまず無く、それどころか1000年に1体現れるか否かとまで言われるほど存在例に乏しい。










〜亜人系〜

人に近いが全く異なる種族は纏めて亜人と総称される。
獣人族や人型の妖精族もこれに含まれる。
総じて高い知能を持ち、敵に回すと非常に危険な相手である。


ウェアウルフ

狼男とも称される獣人。
狼の機敏さと力強さを持つ危険な敵。
とはいえ、獣人族の中では弱いといえる他、シルバーの武具で軽く始末できる。
その致命的弱点ゆえに、少し熟練した程度の輪具使いのカモである。


ウェアラット

鼠と人が融合したような獣人族。
鼠の圧倒的機敏さと人の器用さを兼ねそろえる盗賊顔負けの短剣使いである。
が、お世辞にも体力が有るとは言えず、いかに素早かろうが結局は雷の魔法で瞬殺されるこれもまた悲しき魔獣。


ゴブリン

緑色の肌をした悪戯好きの子鬼。
人間には悪戯こそ仕掛けるがさほど敵意を持つわけではない。
が、悪戯の度合いが少々きついため、怒りを買って虐殺された事も多々ある。
それでもなお彼らが生き延びているのは、その小さな体と優れた繁殖能力による。
文化としてはシャーマニズムを営み、またそれなりの規模の集落を作る事もある。


ホブゴブリン

ゴブリン種の中でも赤い肌をもつ亜種。
ゴブリンと比べ圧倒的に戦闘能力が高く、並みの戦士では返り討ちにされる。しかもゴブリンならざる勇敢さを持つ。
小さな体であるため非常に厄介で、稀にゴブリンを率いている事もあるため更に鬱陶しい相手である。
この種は数が少なく、ゴブリンの集落に傭兵として雇われている以外には集団行動する事は少ない。
そもそもこの名は田舎者のゴブリンという意味であり、人里離れた場所で隠れ住む者が圧倒的に多い。


フェアリー

俗に小妖精と呼ばれる小さな種族。
可愛らしい姿を持つため、油断しがちではあるが非常に悪戯好きなため下手に近寄ると痛い目を見る。
魔法制御力が高く、幻の魔法を得意としているため、悪戯道具としてよく利用しているらしい。
機敏なため戦闘においても意外に手ごわい相手。雷系の魔法など速度のある攻撃で応戦しないと倒せたものではない。
ちなみに悪といえる存在ではないため、見かけたからといきなり不意打ちをするのはお勧めしない。


オーク

緑色の肌を持つ比較的人間に近い種族。
体格の良い人間、といった風貌。性格は荒々しい者が多い。
人間やエルフとはあまり仲が良くないため、たびたび戦闘が起きている。
集団生活が可能な程度の秩序は持っており、決して邪悪なだけの存在とは言えない。
なお、彼らもゴブリンと同じくシャーマニズムを営む。呪術的な品を持ち歩く事も多いようである。


コボルド

二足歩行の犬といった姿の亜人種。
よく盗みを働くが、敵意は薄く、基本的には異種族にも好意的である。
犬らしく嗅覚が強く、場合によっては見張り番として雇われることもある。
コバルトという物質を良く持っているのが名の由来とも言われる。


ウェアベア

非常に大型の熊男。
熊の筋力、体力と人間の機敏さを併せ持つ恐るべき獣人族。
道具を扱う程度の知能が有る上、彼らにとって人間はごちそう以外の何者でもないため遭遇した場合非常に危険である。
幸い、繁殖力が低いためその個体数は非常に少ない。


ハーピー

手の代わりに翼を持ち、鳥のような足を持った人間、といった風貌の魔鳥。
高い知能と残虐性を持ち合わせ、人を狩っては貪り尽くす事を好む。
魔法を使いこなす上、機敏に飛び回るため優秀な弓闘士や雷を扱う魔術師が居ない限り倒す事は難しい。
宝飾品等貴重なものを溜め込む性質もあるため、倒す事が出来れば一攫千金を掴める場合もある。


ケンタウロス

馬の下半身を持つ半人の種族。セントールとも言われる。
小規模から大規模までの部族を編成し、主に弓を用いて狩猟を行っている。
斧などの近接武器の他、魔法を扱うものも居り、決して知能の低い野蛮な種族ではない。
また、その馬の下半身を生かした機動力の高さは、弓騎兵を上回る。
基本的には草原地帯に暮らしているが、中には山岳を駆け回る部族も居る。


ミノタウロス

牛の頭を持つ力強い亜人種。
あまり群れを成さず、繁殖以外で同族と共に居ることは稀な種。
魔法は好まないようだが、斧などの武具の扱いには長けており、角を活かした一撃も行う。
走力もかなりのもので、遠距離の獲物に凄まじい速度で突進する彼らを見ることもある。


トロール

黒い肌を持った巨人。
戦闘能力はほどほど、知能は低い。多少の熟練者であれば軽く撃退できる。
だが、その恐ろしさは再生力にある。たとえ致命傷を与えたとしても、決して油断は出来ない。
しかし、その再生力は凄まじい新陳代謝によるものらしい。何時でも空きっ腹を抱えている。
集団生活を営む事があるといわれるが、痕跡以外には人間に発見されている集落は存在しない。


イエティ

白く長い体毛を持つ雪原の猿人。
その体毛により冷気に耐え、あろうことか冷気を操る術まで得てしまった存在。
吐く息は非常に冷たく、並の防寒対策では凌ぐのは苦しい。
冷気との融和と引き換えに炎熱への抵抗を弱めているため、対峙した場合は炎を上手く使う必要がある。
魔法的にも氷のマナに融和している傾向にあり、火の魔法には弱い。


サテュロス

サティアーと呼ばれることもある亜人種。
獣のような姿ではあるが、高い知性と狡猾さを持ち合わせる。主に草原や森林に住み、地下は好まない。
魔法を嗜む者が多く、そうでない者も機敏さを活かした戦いを好む。
社会性も高く、幾つかの大規模な集落が確認されている。異種族との交易関係を持つこともある。


エルフ

水、地、そして光の力を友とする極めて人間に近い種族。
主に自然の中に住み、狩猟や採集を営む。
卓越した器用さと魔法制御能力を持つが、筋力に乏しい傾向にある。
人間とは曖昧な関係にあり、時には戦争を、時には交流を重ねている。


ダークエルフ

エルフ族のなかでも獄界の魔力に憑かれた存在。
本来エルフは白い肌を持つが闇の魔力が強まった結果、肌は黒く変色し、青い瞳は赤く染まっている。
エルフとの明確な差はその凶暴さ。同族以外を全て憎み、手当たり次第に襲い掛かる。
誕生の理由は良く分かっていないが、悪魔族の仕業であるという説が最も有力。


ガンコナー

愛を語る者の異名を持つ悲恋の使途。極めて整った容姿と声など、女性を引き付ける。
若い女性を口説いては完全に魅了して放置し、自殺を図らせようとする。
死霊では無いが十字を嫌い、即座に十字を切ればあっさりと退散させることができる。
また、戦闘能力は悲しいほど低いことでも知られている。そのため、男性に守られた相手に手を出すようなことはない。


オーガ

強靭な肉体と野獣の如き荒々しさを持つ亜人。
緑色の肌を持つ巨人といった風貌。外見から想像されるよりは冷静である。
だが、用も無い時に見かけたら早々と退散すべきだろう。その剛腕からの一撃は恐るべき威力を誇る。
十分な食料を土産にすれば、傭兵として素晴らしい働きをすることでも有名。


エティン

双頭を持つ大型の亜人。
大型亜人の例に漏れず、基本的には単独行動を好み、また非常に力強い。
しかし、強いが故に文化を発展させる必要性が薄いのか、お世辞にも文化的な種ではない。
とはいえ、魔法を操るだけの知識を持ち、甘く見ていると危険である。


オーガメイジ

オーガとよく行動を共にしている突然変異種。文様上の柄を持つ青い肌をしている。
知性が非常に高まっており、魔法を得意とする。
大型の亜人としては非常に貴重な魔法を使用する種族である。主に火や地の魔法を使う。
普通のオーガに比べると体を鍛えてばかりいるわけでもないためか、少し筋力は弱い。
やはり傭兵として高名であるが、残念ながらまず頭数が揃わないほど希少な種でもある。


ドラゴニア

ドラゴンと人間の合成種。
竜の強靭な肉体や高い知能、人間の柔軟性や貪欲さを持ち合わせる非常に恐ろしい魔獣。
一般の竜族と同じく様々な属性を持っているため、いつも同じ方法で倒せるとも限らない。
生粋の竜よりは体格が小さい事もあり、攻撃力等では劣るが小さい分機動性も高い。
ブレスによる攻撃もさることながら、人のように物を掴め、更に竜の筋力を持つ手で振るわれる武具の攻撃は非常に危険。
亜人種には属すが、魔法生物であるという説も未だ根強い。


ラミア

蛇の下半身と人間の女性の上半身を持つ亜人。
上半身の魅力的な姿は男を魅了し、不用意に近寄った者の生命を吸い尽くす。
女性にとってはそれほど恐ろしい相手ではないが、高度な魔法も操るため油断は出来ない。
ゴーゴンの下位種族に見られることもあるが、生息地域などは全く異なる。


ヒドゥン

殆ど常時姿を消している、厄介な人間型の魔物。
透明化したままで獲物の背後に忍び寄り、奇襲をしてくる。
厄介ではあるが、ただそれだけの感もあり、視覚以外を誤魔化しているわけでもないため、対処さえしていれば恐れるに値しない。


アンシーン

ヒドゥンの亜種だが、実質的な上位種族。
視覚的な透明化に加え、温度感知すらも誤魔化す非常に面倒な能力を持つに至っている。
身体能力も上がっており、対処が出来ない状況で襲われると死を覚悟せざるを得ないだろう。
ここまで至っても足跡だけは誤魔化すに至らなかった点を付き、足跡の見え易い所で戦えばなんとか始末は付く。


マーマン

魚のような姿を持つ亜人。
見た目通り水棲の種族で、あまり陸には上がってこないため、その生態は不明な点が多い。
主に三ツ又の矛を用い、魚を捕って生活しているため、戦闘技術もなかなか高い。
魔法も操るが、殆ど水の魔法しか使わないようである。


サイクロプス

知恵と力を併せ持つ強大な一つ目の巨人族。
優れた鍛冶の技術、マナ制御、そして途方も無い怪力を誇る強靭な存在。
しかし、知恵ある者たちの個体数は少なく、山奥の洞窟などにひっそりと生きている。
知能を衰えさせたレッサーサイクロプスが圧倒的に多く、彼らの場合は比較的目撃しやすい。


ジャイアント

巨人と呼ばれる、大型の亜人種族。
人間より大きい人間、というのが最適の表現であろう。地域により文化も違い、知性も人間と同じかそれ以上のものを持つ。
例外的に寿命はかなり長く、長い者では数百年以上生きるという。
巨体なだけに力強く、文化的でない地域の野蛮な種だとしても、その拳や石器などによる一撃は強力。


ゴーゴン

蛇の髪、赤々と光る邪眼、蛇の下半身。そして美しい人間の女性の上半身を持つ強大な魔物。ラミアに近い風貌である。
上半身は比較的美しい姿をしているが、その分自らの蛇の下半身を嫌っている。そのためか人間の女性を妬み、襲いかかる。
強力な魔力を持つが、恐ろしいのはやはり邪眼である。ゴーゴンの邪眼は石の呪縛を与える。
高い知能を持つため非常に厄介な相手で、単独だったとしても途方も無い被害を出す。
男性には興味が無いらしく、女性ばかり狙うため天使族には非常に嫌われているとの噂がある。


ドッペルゲンガー

他人の姿を真似、人を惑わす魔物。
本来は黒い肉体を持つ人型の生物だが、その姿を見るには殺害しない限り殆ど無理に等しい。
相手の能力をある程度受け継ぐため、強大な存在を真似た敵を倒すのは実に骨が折れる。
この魔物に限らず、擬態を行う魔物の出没地域に足を踏み入れるならば、出来る限りそれを看破する手段を持っておくべきだろう。
余談だが、彼らは人間型でない生物には擬態できないため、極端な話自分たちが人間型以外の生物に変異していればただの黒子である。


シェイプチェンジャー

ドッペルゲンガーの亜種。体色は変わらないが、白い文様のようなものを全身に持つ。
ドッペルゲンガーと違い、あらゆる生物に擬態する能力を持つ。素の状態でもそれなりに力強い。
無生物や植物には擬態出来ないが、小さな虫に化けるなどして奇襲を仕掛けてくることもある。
とはいえ、彼らも自らの最大の武器になるのは相手の躊躇いを誘うような擬態であることをよく分かっているらしい。




〜ドラゴン系〜

古くからその存在を確認される中では、最も巨大で最も強大なる存在とされる種。
雄大なる翼を持つ巨大な蜥蜴のような姿を持ち、極めて強靭な鱗で身を包む。
また、彼らはそれぞれ司るマナを持ち、そのマナの力を「ブレス」と呼ばれる強力な攻撃手段として用いる。
基本的には温厚かつ賢明な種族ではあるが、凶暴なものが居ないわけではない。


ファイアドラゴン

赤き鱗を持つ火の竜族。
灼熱地獄に住み、6大の自然属性では最強と言われる灼熱のブレスを吐く。
水の魔法が使えるのであれば戦う余地も有るが、そうでもない限りは早々と逃げるべきである。
業火にすら耐えるその鱗は、加工すれば素晴らしい武具となる。


ウォータードラゴン

水色の体躯の水のドラゴン。
湖や海の底に潜み、時々その付近に出没する。生息域は比較的広い。
強力な水流をブレスとして吐く。見かけ強そうにないが、浴びた者は瞬時にその考えを改めるだろう。
治療魔法を操れるため、真っ向から挑んでも手こずる事になる。


ウインドドラゴン

風を司る緑の竜。
巨大な翼を持ち、そのサイズからは想像もつかない速度で空を舞う。休眠中以外の殆どを空で過ごすと言われる。
烈風をブレスにするが、これもやはり想像を絶する威力を持つ。
飛竜と呼ばれるワイバーン種とは圧倒的な力量差が有り、ワイバーンは姿を見ただけで逃げ去ろうとする。


アースドラゴン

地の力を操る茶色の竜族。
地下を好み、強烈な石片の混じったガスを吐く。これは大地の力を強く秘め、石化の作用を持つ。
地熱にはあまり強くないため基本的に程々の深さに居るが、その分並みの迷宮にすら現れることがあるのが恐ろしい点か。
鱗は竜族の中でも1、2を争うほど硬く、単純な物理防御力で言えば非常に素晴らしい。


サンダードラゴン

黄色い鱗を持ち雷を司る竜族。
強大かつ危険な力である雷を自在に操り、吐く息すらも強烈な雷鳴という恐ろしい存在。
元から少々気性が荒いため、凶暴化した存在はもはや狂戦士である。
危険な存在でありながら挑戦者が後を立たないのは、危険な雷撃から身を守れる鱗のためだと言われる。


アイスドラゴン

青き美しい姿を持つ氷のドラゴン。
美しいその姿に見惚れた相手に問答無用で冷気を吐きかける者が多いが、どうやら見られる事自体が嫌いらしい。
その冷気は強力で、触れただけでも凍り付かせると言われる。
鱗は優れた耐冷性を持つが、着ているだけでも少々寒いとのことである。


ライトドラゴン

純白の鱗を持った光の竜族。
輝かしく凛々しき姿は素晴らしいが、人前に出る事は少ない。
鱗の美しさゆえに狙われやすく、個体数の少なさもありほぼ絶滅寸前にまで追い込まれている。
眩い閃光をブレスとして吐くが、死霊が浴びれば一瞬で消し飛ぶほどの威力を持つ。


ダークドラゴン

黒い鱗を持つ闇のドラゴン。
深い闇に潜み、その多くが魔界に生息すると言われる希少なドラゴン。
暗黒のブレスは命有る者を瞬時に抹殺し、行使される魔術も恐るべき威力を持つ。
強力な闇の魔法に対抗する術として鱗が求められる事があるが、異常なまでに高価なため実際に手に入れることは難しい。






〜魔法生物系〜

人間などが物質に仮の命を与えた存在。
光系の魔法に致命的に弱いが、指示通り動くのみの存在であるため、幻の魔法やその他の精神攻撃は無意味。
融通が利かないこともあってかあまり日常生活で見かけるものではなく、戦闘用が大半を占める。
同じ種類でも製作者の工夫次第で特長にも差が出てくることから、対峙した場合には性質を確認するべきである。
近年は簡易的ながら知性を持たせる手法も実用化されつつあり、徐々に強力さを増しつつあることは忘れてはならないだろう。


ダンシングソード

舞い踊るように敵に斬りかかり、滅多切りにする戦闘用の魔法生物。
極めて機動性が高い上、的が小さいために対処が非常に難しい。
剣である以上は切れ味も凄まじく、先手を取って破壊出来なかった場合は助かる見込みは薄い。
ただし、耐久性そのものは極めて低く、上手くいけば一撃で破壊出来る可能性もある。当たればの話だが。


リビングアーマー

胴鎧や全身鎧を動かしている防衛用の魔法生物。
胴鎧のものは浮遊し、全身鎧のものは歩行しているが、どちらにせよ動きは非常に遅い。
体当たりや、全身鎧のものは武器を用いて攻撃するが、期待されているのは耐久性である。
これが大量に道を塞いでいる場合、突破には大変な苦労をするだろう。硬質な体躯を用いた攻撃も侮れない。


リビングスタチュー

奇襲・防衛を目的に使われる動く彫像。ゴーレムに近いがこちらが源流である。
動くための構造をある程度までは持っているアーマーと違い、全ての関節動作を魔力で強制せねばならないため必要な動力は非常に大きい。
しかしアーマーすら凌ぐ強靭さ、構造の自由度、またその他の武装を付帯可能など、秀でた点も多い。
元々はガーゴイルの戦法から発案された存在であるため、利用法も大概は同じようなものになる。
現在技術が確立されている3種では最高の費用と最高の戦闘力を持つとして重用されることもある。


フローティングアイ

巨大な眼球の姿を持つ奇怪な魔法生物。
その眼光は相手の全身をたちどころに強張らせ、動きを封じる力がある。
しかし、単体ではただそれだけであり、恐ろしいのは動けない間に他のものに襲われることである。
身体的な能力は乏しく、鈍化・硬直に対する処置が出来ているのであれば殺すのは容易い。
また凝視攻撃に共通する欠点として、素肌を露出していない敵に通用しないという点がある。
衣服や鎧を着こんで、敵の攻撃に合わせ自分の目を護ってしまえばただの目玉に成り下がるだろう。


ゲイザー

肉の塊の中心に巨大眼球があり、そして幾つかの触手を生やしその先にはまた眼球、という不気味な生物。
フローティングアイの改良型であり、耐久力がかなり向上している。
凝視の効果も変化しており、中央の眼球は石化を、他の触手は麻痺、鈍化、混乱、魅了、睡眠などを引き起こす。
しかし、相変わらず単体での物理的な攻撃力は持っておらず、製造に苦労することもありあまり使われていない。


イビルアイ

棘を持つ表皮に護られた、フローティングアイの亜種。
この種は親類とは違い、魔のマナを用いた破壊光線による直接的な攻撃を行う。
凝視はただの威嚇になってしまっているが、攻撃能力の高さは評価に値する。
また凝視攻撃ではないため、同型の魔法生物としては専用の対処が必要な珍しい種である。


ウォッチャー

ゲイザーの耐久性や攻撃性を改良した種。
多彩かつ強力な視覚強化能力を持ち、凝視による呪縛もさらに強化されている。
鋭利な牙を備えた口にあたる器官が標準で追加されており、噛み付きによる攻撃も行う。
動きを封じた上での攻撃を前提としているため、それらを無効化されると脆い。
また、視覚と触覚以外の感知力が皆無であるため、何らかの改変を施さない限り透明化などに弱い。


フィグメント

幻の魔法で生み出される虚構の魔物。
実体無きその姿はつかみどころがないが、それ以上にこの魔物、戦闘能力がない。
それこそ、大概の術者では赤子の一掴みにすら耐えられぬほどの文字通りの虚構しか生み出せない。
しかし相当な数を生み出されると、これほど鬱陶しい防壁も無い。悪いことに、それは難しくも無い話である。
魔術には脆弱で、特に幻対策用の魔法を受ければ一瞬で全てが消し飛ぶだろう。


ゴーレム

様々な素材から生成される動く人形。リビングスタチューから分化した。
リビングスタチューは1つの立像だが、ゴーレムは複数の素材を接合させて構成する。そのため、間接部の可動化に必要な労力が少ない。
様々な石や金属で生産されることが多いが、藁や紙、紐や木材で作る暇人も居る。
何で造ろうともやることはさほど変わりないが、全く同じわけでもない。一見玩具に見える紐ゴーレムに絞殺された馬鹿者も居る。
よほど軽い素材で造らない限りは鈍く、拠点防衛用となる場合が多いが、形状は作者の好みが反映し易く、拡張性も高いため数は多い。


クリスタル

魔法水晶の塊をそのまま用いた魔法生物。
捻りも何も無い名前と外見ながら、特定の属性の魔法を扱わせる強力な支援攻撃機構として重宝される。
素材調達が面倒なわりには脆いため、あまり数が揃うことはないが、揃ってしまうと非常に厄介な存在となる。


ミミック

宝箱の形状をした盗人対策用魔法生物。
迷宮でしばしば見かけるが、実際に出会ってみると先に見破るのは難しいことに気付くだろう。
やはり素材と製作者の技量に強さが左右されるため、戦闘能力はまちまち。
実際に宝を収めておくことで見破る難度を高めたものや、内部に攻撃用の機構を取り付けたものなど、種類も多彩。


キメラ

複数の生物の部位で構成される汎用的な魔法生物。
組み合わせ次第で特徴が全く違うため、非常に適当な分類でしかない。
主に獣の肉体から望む特徴を持つ部分を選び取って組み合わせる。知性は現状、あまり期待出来ないため、多くは筋力を重視する。
人の部位を含むものはまず見かけないが、これは人間の肉体の性能には優れた部分が乏しい事に起因する。
それでも利用される場合、主に人間に対して恐怖を煽るためとなる。道具を扱わせるならば亜人種により優れたものが存在するため不要である。










〜天使系〜

天界をその発祥の地とし、天界の主の命にて動く存在。
光に限らずあらゆる属性を持つ存在であり、各属性の頂点に立つ者はマナの守護者ともなる。
下級天使は無の存在、凡庸な者たちであるが、上位の天使は多くがいずれかの力に特化している。
その最強状態での戦闘能力は極めて高く、並の生物では勝負にすらならない。
女性型の天使が大多数を占め、男性の天使はかなり上級に配されている特殊な存在が多い。


エンジェル

翼を生やした人間といった外見を持つ、しかしながら格は遥かに高い種族。
九段階の階級で分かれているが、種族上の差は無いと思われている。
階級名は下から順にエンジェル、アークエンジェル、プリンシパリティ、
パワー、ヴァーチャー、ドミニオン、スローンズ、ケルビム、セラフィムとなっている。
最下級のエンジェルでも相当に強大であり、最高位のセラフィムたちは圧倒的な力を持つ。













〜悪魔系〜

魔界をその住処とし、深淵の中に生き続ける存在。その行動は個々の欲望こそが全て。
天使族とは真っ向から反発する存在であり、融和は滅多に無い。
姿形は多様であり、上級と下級では圧倒的な力量差が存在する。


インプ

俗に子悪魔と呼ばれる下級の存在。
小さな体を持つ悪戯好きの悪魔で、危険性は低いものの厄介な相手。
下級ながらも闇や死の魔法を操る事が出来るため、なめてかかるのは止めたほうが良い。


グレムリン

インプが一回り大きくなったような悪魔族。
いくつかの相違点はあれども、基本的にはインプとそれほど差異は無い。
インプが魔法型であるなら、こちらは戦士型であるという程度だろう。


デビル

比較的下位の悪魔。
能力は平均的であるが、それも悪魔族としては、であるためなかなか手強い。
魔法戦士のような戦闘スタイルの者が多いことも難儀な点である。
また、レッサー・グレーター・アークと、3種類の亜種が存在する。基本種自体を含めば4種となる。


ガーゴイル

石像の如き強靭な体躯を誇る悪魔。
極めて高い防御力を持ち、並みの武具では傷一つ付けることが出来ない。
反面、飛行していながらも動きは悲しいほどに遅いため、術士が居れば容易く撃退できる。
が、彼らのその姿は動かない限り石像と見分けが付かず、場合によっては背後からの不意打ちで討たれる事も有り得る。


サキュバス

人間の女性に近い姿に蝙蝠の様な翼を生やした悪魔。
戦闘能力はさほどでは無いが、男性に対する非常に強力な魅了能力を持ち、危険度においてはトップクラスを誇る存在。
魅了した相手のその後に関しては長らく不明だったが、近年は屍や廃人となって発見されることが多い。
付近に女性が居ようが平気で襲い掛かったりもするため、嫌われ様ではインキュバスを凌ぐ。後の不和にも繋がりがちである。


インキュバス

サキュバスと対を成す夢魔の種族。こちらは男性型。
サキュバスとは逆に女性を魅了する。やはり屍や廃人として放置されることが大半のようである。
あまり知名度が高くないためか、対策が怠られている感もある。実際、目撃例自体が少なめで、知らない人間すら居る。
男性にきちんと護られている女性にはあまり手を出さない辺り、サキュバスよりも狡猾。目撃例の少なさはこのためではないかとも言われる。


デーモン

最も一般的な悪魔族。
ガーゴイルが生身になったような姿を持ち、防御力は兎も角機動力では非常に高い。
魔法の腕前もかなりのもので、簡単な深淵の術も操る。
デビルと同じく、レッサーやグレーター、アークの名を冠する亜種が居る。


ノール

鳥に近い上半身を持つ、獣人に近い悪魔。
翼は持たないが、力はこのレベルの存在としては非常に強く、魔法にも長ける。
しかし、体力的にはそれほど高くなく、長期戦にはやや弱い。


バルログ

大型かつ力強き高等な悪魔族。
高い能力を持つ上に、その風貌は人間などにとっては恐怖を呼び起こすものとなる。
個体数は少なく、基本的にデーモンロードらの側近を勤めている。
天使のそれに近い属性特化を行うこともあるらしく、それらの存在が放つ魔法は驚異的威力を誇る。


デーモンロード

悪魔族の統率者級の存在。
一括りにするには能力が全く違うため無理があるものの、一応の分類として存在している。
デーモンの名は冠するがデーモン達に似ているわけでもなく、人間の姿に酷似する。









〜変異系〜

変異の名を冠するものの、この分類は意図的に何らかの目的を持って何物かに創造されたと考えられるものを示す。
魔法生物もこれに近いが、現状ではこれらの生物を生み出す技術を持つ者は居ないため、あえて別の分類とされる。
大概は戦闘に没頭するような種であり、極めて強大な何者かが世界への尖兵として創り出したのではないかと言われる。


マーダー

極めて凶暴な、複数の腕を持つ大型の亜人型の魔物。
殆どは4本の、多いもので6本の腕を持ち、また筋力も強い。
言うまでも無くまともに攻撃を受けて人間が耐えられる筈も無く、非常に危険な存在。
ただし足が遅く、飛び道具を使わないため、曲がり角でいきなり遭遇するようなことが無ければ対処のし様はある。


ローパー

肉の柱のような体に大きな一つ目を持ち、全体から多数の触手を生やした生物。
かなり種類が多く、凝視に魔力を持つものや触手に何らかの害悪を及ぼす力を持つものが大半。酷いものは両方を兼ねそろえる。
触手が主武器のものであれば接近しないことで対処出来るが、視線攻撃を扱えるものは防御手段が必須となる。
極めて大型のものも確認されており、その場合当然ながら触手は長く、かつ強靭で、さらに邪眼も大型で強力である。


マインドフレイヤー

人間などの頭の中身を見たものに言わせれば、丁度その中身が単独で飛び回っているような存在だと言われる種。
幻惑攻撃に対抗する術無しに遭遇したならば死は確実とまで言われるほどの使い手である。
標的が幻惑されて昏迷している間に下部に生えた触手を獲物の頭部に絡め、何らかの攻撃を加えてくる。
そこまで受けて正気を保っていられた者が居ないため、一体何をしているのかは今だ不明である。


バージンブラッド

真紅の花のような姿だが、その実体は吸血生物という性質の悪い存在。
動物らしい体ではないが、根を張る場所すらないような土地ですら確認されるためまともな植物とは考えられていない。
名前を聞けば分かる通りに処女の血を好むとされ、時には村落の近くにまで姿を現す。
甘い香りを常に漂わせているが、強度の催淫作用を含む。これは女性の感覚の鋭敏さを的確に付いた武器となっている。
男性にとってはさして危険性は無い上、襲われること自体が稀。この魔物にとって男はゴミや汚物と同義である。


ストラングラー

一見すると普通の植物だが、強靭な上に自在に動く蔦を多数持つ魔物。
触れたものに反応して蔦を絡め、拘束し、絞殺する。ただそれだけの存在だが、一度捕縛されたならば逃げる事は難しい。
草木の多い場所以外では見られないが、その地方の植物の外見に合わせる力があるのか、どこに居ても違和感が無い難儀な存在。
低速ながら移動することは出来るようだが、殆ど確認されていない。


アッシュベアラー

焼き殺された人間のような姿をした、一見するとアンデッドとも思える種。
姿に似合わぬ素早さと筋力を持ち、卓越した武芸を見せる。
魔法こそ扱わないが、集団行動をしている場合もあり、軍隊ほどの規模で集落を蹂躙することもある。
居留地らしきものも確認されているが、むしろ軍事的な前哨基地のような構造を持っている点からも、種族の特性が伺える。


ヴォイドウォーカー

様々な色・体格を持つ幽体の魔人。
拳を瞬間的に実体化させての打撃も脅威だが、体の一部を放っているかのような投射攻撃が真の脅威である。
大体は色に見合ったマナで肉体を特徴付けており、弱点を突ける魔法を扱えるのであれば戦えない相手ではない。
しかし、アッシュベアラーなどと共に行動している場合は支援役に徹するため、こうなると簡単には倒せない。
虚空の旅人の名の通り、虚空からいきなり出現してくるなどの例もある。


ソウルイーター

高速で飛行する髑髏型の霊魂のような存在。
獲物に突進して喰らい付き、その魂から直接活力を強奪するという恐ろしい存在である。
魂が機能停止した者は肉体的にも精神的にも力を失った抜け殻も同然であり、そして魂を癒す術は天使族にしか伝えられていない。
完全な死に直接至らしめることは無いが、結果的には大して変わりは無い。
こと重装備で回避が出来ない場合は、防具を平気で貫いて喰らい付いてくるこの魔物にとっては文字通り鴨でしかない。


トーメント・ワーム

半透明の体を持つ、やや小型の存在。
異体の魔物の中では弱いが、それは単純な能力の話であり、彼らには最悪とも言える攻撃法がある。
相手の体に同化するように寄生し、その活力を長時間かけて苦痛と共に奪い続けるのである。
寄生したワームを引き剥がす手段は少なく、大概はそのまま死に至る。
寄生には直接肌に触れる必要があるため、完全防備の重装戦士などにはさしたる脅威ではないが、素早いため軽装備では逃れられないだろう。


アニメイター

不気味な緑色に輝く光の球のような存在。
実体を持たないため魔法以外では始末をつけられないが、この魔物そのものには戦う力はない。
しかし相手の肉体に宿り、その制御を完全に奪い去るという極めて性質の悪い能力を持っている。
実際の寄生は魂に対し行われることが分かっており、その記憶を含めた全てを持っている状態となる。
大概は宿主にとって致命的に不利益な自体を引き起こしてから離れていくが、その時には遅すぎる。
悪いことには、光の大魔法であるリベレーション等、相当高位の魔法を用いなければ事後処理は不可能である。