アラストル

Alastor

アラストールとも。

ギリシア語で復讐者、復讐するの意。

本来はギリシア神話の海神ネレウスの息子である。
アラストルはアルゴスの王クリュメノスの娘ハルパリュケと結婚したが、ハルパリュケの実父が娘であるハルパリュケを強姦してしまう。しかも妊娠。
そこで復讐としてアラストルはハルパリュケに父クリュメノスとの間に出来た子を殺させその肉を食べさせたという。
それを知ったクリュメノスは娘と無理心中してしまった。

後にアラストルはヘラクレス達との戦争で戦死した模様。

後代において盲目的な復讐の女神ネメシスの原形になったという説もある。
またゼウスの異名の一つでもある。

ローマ時代には強大な魔王と目され、古代キリスト教神学者オリゲネスはアザゼルと同一視した。
また個体名ではなく復讐を行う悪霊の類をアラストル、alastoresと呼ぶこともある。
プルタルコスの記述には、キケロが自殺してアウグストゥスを祟るアラストルになろうとしたと記している。

ゾロアスターはブーロー(死刑執行人)と呼んでいたという。

悪魔学者ヴァイヤーは地獄の死刑執行長官としている。

またルシファー軍の第四副官で、砂嵐、地震、噴火、洪水などの天変地異を引き起こす荒ぶる魔神であり、ベルフェゴールやバアル、ベルゼブブなどの魔王はアラストルを報復の手段として召還することが多かったともいう。
魔王が崇める神ともいえる。
まあ見方を変えるとパシリともとれますが・・・

火星に象徴され、神の軍勢との敗北後に火星に仮寓を得ているという。
彼が担当する心は集中力、スペンサーの七大罪では怨念を司る。

様々な編纂を得て、現在の伝承が確立されたと思われる。
おかげさまでかなり強力な悪魔にも関わらず知名度が低い。

創作作品ではデビルメイクライで剣の名。
フルメタでロボット。灼眼のシャナで異界の魔神として登場している。