バベルの塔

The Tower of Babe

ナムコから発売されたアクションパズルゲーム・・・ではなくって。

あるいはバビルの塔とも・・・砂の嵐に隠され、コンピューターに守られ宇宙の知恵を蓄えた・・・げふんげふん。

旧約聖書『創世記』11章に記された天を目指し建てられた巨大な塔。

現在、一般で思われている話は天に届く塔を建設し、神に成り代ろうと企んだ。
怒った神は建設中の塔を打ち崩した・・・まあ、こういう話だと思ってる人が多いかもしれません。
実現不可能な計画をバベルの塔なんて言ったりもしますが・・・

実際はずいぶん違います。

位置的にはノアの物語のあとでアブラハムの物語の前に置かれている。

当初、人々は同じ言語を使っていた。
東の方から移動してきた人々はバベルの地に住み着き、煉瓦とアスファルトを用いて天まで届く塔をつくって人類がばらばらに分かたれることのないようにしようと考えた。
ところが神はこれを見て、このままでは人間は何をやらかすかわからん、人間が同じ言葉を話すからこういうことになると考え降っていき人間の言葉を混乱させてしまった。

これにより言葉が通じなくなった人間は、意志の疎通が出来なくなり塔の建造は中止され人々は各地に散っていった。

はい、ここ重要!テストに出ます(出ねえよ
神が怒った、塔が打ち崩されたなんてどこにも書いてありません。

『創世記』の著者はバベルの塔の名前を「混乱」を意味するバラルと関係付けて、この地がバベルと呼ばれるようになったと話を締めくくっている。

この話は世界にさまざまな言語が存在する理由を説明するための物語であると考えられている。
と、同時に人々が煉瓦、アスファルトを用いたという記述から、古代における技術革新について触れながらも、人間の技術の限界について語る意味があると考えられる。

バベルはバビロンのヘブライ語名で、バビロンの実際の語源は、神の門の意のアッカド語バブ・イル。

ユダヤ・キリスト教の伝説ではノアの洪水の後、ノアの息子の一人であるハムはバビロンの都を築いた。
その子孫であるニムロドがバベルの塔を建設したとされる。

一国を支配する王となり、自らを神になぞらえたニムロドの欲望は神に成り代ろうと驕らせ、天に侵攻しようと考えた。
そのための階梯となる建築物こそバベルの塔である。塔は最上階まで登るのに1年かかるほどのものになった。
まあ、これは失敗するわけですが。 

また神と70人の天使たちは地上においてそれぞれの天使がどの国を守護するかをくじで決め、イスラエルの守護は大天使ミカエルが司ることになった。
それぞれの国の国語も決定され、神が世界を創造したときに使った神聖な言葉であるヘブライ語はイスラエルの言葉となった。
うーん、この考え方のほうが傲慢な気がしますが。

実在するバベル

新バビロニア帝国の王はネブカドネザル2世が建造したという。
ヘロドトスの記述によれば一辺が185メートルの正方形で、高さが185メートルだったという。
その最上部は神殿になっており、最高神マルドゥークが降臨する場所だった。

現在は基盤の跡が残るのみだが、推定される塔は縦・横・高さともに90mの大きさの四角錐で7段になっており、頂上へは螺旋状の階段が設けられていたと考えられるがいまだに説は定まっていない。

これは古代メソポタミアでよく見られた、ジグラットという神殿である。

捕囚中のイスラエル人がこれを見てバベルの塔の伝説をつくったといわれる。
当時としては途方もなく巨大だったからだろう。

 

後世にかのアレクサンダー大王が再建しようとしたという伝説があるが、このとき瓦礫を取り除くだけで一万人の労働力を使って二ヶ月かかったという。