ケルプ

Cherub

ケルブとも読む。複数形はケルビムCherudim。日本では智天使の字が当てられる。

知識、仲裁する者を意味するヘブライ語Cherubが語源とされる。
天使九階級では第2位に位置する位。

キリスト教以前より伝わる古い歴史のある天使で、アッシリアでは寺院や神殿の入り口を守護し、エジプトでは夜空、宗教の運行を意味し、聖書ではエデンの園の東門であらゆる方向に向かう炎の剣(稲妻といわれる)を武器として守護を勤めるとされる。
ディオニュシオスの説では聖なる計画を実行する為に遂行されるべき事項を考え出すとされる神に仕える記録係という事になっている。

エキゼキエル書では「北方から激しい風が大いなる雲を巻き起こし、火を発して周囲に光を放ちながら吹いてくる。
その火の中に、琥珀色に輝くものがあった。その中には四つの生き物の姿があった。
彼らは人間の様な者で、それぞれが四つの顔を持ち、四つの翼を持っていた。
脚はまっすぐで、足の裏は子牛の足に似ており、磨いた青銅が輝くような光を放っていた。
翼の下には四つの方向に人間の手があった。四つともそれぞれの顔と翼を持っていた。翼は互いに触れ合い、それは移動する際にも向きを変えず、それぞれ顔を向いている方に進んだ。
その顔は人間の顔のようであり、四つとも右に獅子の顔、左に牛の顔、そして四つとも後ろには鷲の顔を持っていた。彼らの有様は燃える炭火のように輝き、松明の輝きのように生き物の間を行き巡っていた。火は光輝き、その火からは稲妻が出ていた」とある。

古代では建造物を守る存在で、番犬ならぬ番獅子というか、翼の生えた人頭の獅子の姿であったが、聖書では青い4枚の翼を持ち、人・牛・鷲・獅子の4つの頭と4本の腕を持つとされた。
光り輝く足下には車輪があり、車輪は太陽の運行と関係し、神の御座を運んだり、神の戦車を駆ける役目を持っていたとされる。
後世になるとその姿は劇的に変化する・・・クリスマスカードなどに描かれるキューピットみたいな天使がそうである。
そっちは正確にはプットputtiと呼び区別する。

余談だがセラフは翼6枚、ケルプは翼4枚・・・ということは他の天使は、と思うかもしれないが、実は翼に関して言及されてるのはこの2つの位だけである。
初期は他の天使は翼を描かれなかったことも多い。

この階級の指揮官はヨフィエルとされる。