クトーニアン

Chthonian/Cthonian

ギリシャ語で冥界に棲むものを意味する。

ブライアン・ラムレイの創作した、クトゥルフ邪神群の上級独立種族。
ちなみに邪神というより、怪獣に近い連中である。
近年の登場作品邦訳のキャッチコピーに地底魔獣とのたまわれる・・・
地を穿つものバロワーズ・ビニーズである。

全体的に灰がかった黒の体色で粘液に覆われた円錐形の胴体に無数の触手を生やした怪物。
眼に当たる器官は見受けられず、呼吸の必要すらないようだ。
倒立した烏賊の様なと評されるが、海洋生物好きの自分にはナマコの一種に似たのがいたなと思わせる。

地下深くに生息し、一生を過ごす。
時折地上に姿を見せる時には、詠唱のような声が付き従う。

け・はいいえ えぷ−んぐふ ふる・ふうる ぐはあん ふたぐん
け・はいいえ ふたぐん んぐふ しゃっど−める
はい ぐはあん おるる・え えぷ ふる・ふうる
しゃっど−める いかん−いかんいかす ふる・ふうる おるる・え ぐはあん

えぷ えぷ−ええす ふる・ふうる ぐはあん
ぐはあん ふたぐん しゃっど−める ひゅあす ねぐぐ・ふ

本拠地はアフリカ古代都市グ=ハーン(ガールンとも)であるが、生息地を広げつつあり、世界各地に出没する。

一件知能は皆無の怪物に思えるが、人間より上の知能を持ち独自の技術を持っている。
遥か古代より存在しているため、特定分野の技術力は人類を遥かに凌ぎ、工業的に製造した生体の器に人間の脳を移し傀儡とする事も可能である。

幼生体は煙草の火程度で殺傷することが可能であるが、成体は酸をまったく寄せ付けず、熱や耐圧にも恐るべき耐性を持ち、レーザーでさえ効果をなさず、強力な爆薬を持ってもさほどのダメージを与えられない。
さらに硬い岩盤をバターのように掘り進む。
また大型の個体は地震を起こすこともでき、複数の力を合わせればさらに大きな地震を起こすことも出来る。
1906年のサンフランシスコ地震も彼らの引き起こしたものだという。

強い精神能力を持ち、世界中の仲間とテレパシーで交信できる上に、他の生物の精神に作用し人間すらコントロールすることも可能。
だが彼らにとっても負担があるのか積極的には使用していない。

卵は一見宝石のようで、孵化には長い時間がかかるようだ。
また繁殖率もそれほど高くないと見られ、研究では30年で産卵が可能になり、その後は10年毎に産卵を行うという結果が出ている。
一度の産卵で2〜4個ほどの卵を産む。ただ雌の出生率は8匹に1匹程度と低い。

だが孵化した後の成長自体は非常に早く、半年ほどで芋虫くらいから数メートルに達することが確認されている。

幼生は成長の為に血液を必要とし、地上の生き物を襲うことがある。
また繁殖率が低いためか、子を守ろうとする本能が強く、卵や幼生に危害を加えた者には執拗に襲い掛かる。
だがこの性質を利用され、幼生を救いにきたところを倒されたりもしている。

人類に対して積極的に敵対行動をとっているわけではないが、実際は彼らの幼虫が大挙して孵化する時を待っているためであると考えられている。

また寿命自体も非常に長く、千年以上生きる。

現在確認される最大の個体は1マイル(約1600m)に及ぶ。

弱点は水と放射能。
その体は水により侵食し、腐食溶解し残滓さえほとんど残さず蒸発してしまう。

また大型の何体かの個体は旧神によって封じられていたようで、劇中で偶然封印されていたクトーニアンが海底採掘のボーリングで穴を空けられたりしたが、水に弱いので死亡したと思われる。

1960年代に対邪神組織ウィルマース・ファウンデーションと交戦状態に入り、そのほとんど・・・少なくとも過半数が駆逐されることになった。

だがファウンデーションも邪神の中でもっとも危険度が低いとしたものの、かなりの被害を出すことになる。