水神クタアト

Cthaat Aquadingen

クタートとも。

クタアト・アクアディンゲン。
ブライアン・ラムレイのデビュー作「深海の罠」にて初登場した、クトゥルフ神話郡に連なる魔道書。

クタアトが何を示すのかは不明(神性の名かもしれぬが今のところ確認されていない)
アクアディンゲンに関しては水域のものを意味するドイツ語・ラテン語の複合造語である。

著者は不明で、原書は400年頃に北ヨーロッパでダゴネンシス写本などと同じく、禁断の伝承を集めた同種の書物の一冊に過ぎないとも言われる。
さらに年代を遡ってそれらのオリジナルが存在する可能性もある。

何語で書かれていたのかは不明で、ドイツ語ともゴート語で書かれていたともあるいはそれにルルイエ語の混じった物だともいわれている。

また11〜12世紀頃にラテン語で人皮装丁で書かれたとも言われる。

ラテン語版が原典とも言われるが、原典は別にありすでに消失したという説もある。

14世紀頃にイギリスで英語写本が作成されており、他にヒンドゥー語のものも一冊確認されている。

少なくとも5部が確認されている。

一冊は公式には否定されているが大英博物館に(ネクロノミコンと並び閲覧を断られる一冊)、なお一説では英語版・ラテン語版合わせて所蔵されているとも。
さらに同じくイギリスの地、ジュリアン・カーステアーズ(後にタイタス・クロウの手に)とジュリアン・ホートリー(1963年に兄により殺害される)の手にあるという。

またドリームランドにも一冊存在しているようだ。

装丁は(少なくともこのうち一冊は)人間の皮が使用され、背表紙にタイトルはなく、雨が降る前に湿り気をおびる。
タイタス・クロウの所持していた物は下手に人目に触れさせていい内容ではない中ほどの重要な二章を切り取り、別綴じの冊子にして個別に保管されていた。
クロウの館は1969年に邪神の襲撃を受け崩壊しており、その際ともに失われたと思われる。

仮に現存していたとしても、上記の理由で欠けているため完全なものにはならないだろう。

内容はタイトル通り、クトゥルフやダゴン、ディープ・ワンなどの水棲の神や眷属に関する伝承や呼び出す呪文、召還儀式を中心に収録され、その他にツァトゥグァの儀式に関わる4Pあまりの詳説、ナイハーゴの葬送歌、旧神の印作成の教示、サトラット秘術にまつわる解説、小神グルーン・オトゥーム、這いよる混沌の化身小さき這うもの、イブ=ツトルについてそのほか数多くの魔術の使用法が記されている。

またヨアキム・フィーリーにより、注釈版も存在している。

なお余談だが実際に人間の皮膚を使って製本された本が北イギリスのヨークシャーで発見されている。
フランス語の本で、フランス革命時代にはさほど珍しいものではなかったようだ。