屍食教典儀

独:Cultes des Goules/英:Cults of the Ghouls

なかなかいかした和訳、屍食教典儀です。

クトゥルフ神話に登場する架空の魔術書。
創作者ははっきりとは分かっておらず、HPL、ロバート・ブロック、オーガスト・ダーレスの誰かである。
一番早く作品に登場させたのはブロックなのだが、HPLが創作した設定を貸した事も大いにありうるが・・・

フランス人貴族ダレット伯爵著とされるが、ダレットの称号を持つものは3人いるのでどのダレットが書いたのかは不明。

ポール・アンリ・ダレット、詳細不明の人物。
アントワーヌ=マリー・オギュスタン・ド・モンモラシー=ル=ロッシュ、彼の著なら1665年ごろの出版となる。
フランソワ=オノール・バルフォア、彼の著なら1702〜3年ごろの出版となる。

通説ではフランソワ=オノール・バルフォア著でクォート判にて出版されたという。

設定が統一されていないため、矛盾が目立つ書物である。

出版されたことがないともいわれる一方では、上記の他1737年のフランスはルーアンで出版された物があるという。

また後に削除版が出たといわれるが、その詳細はまったく分かっていない。

その他に数人の魔術師により、イタリア語やスペイン語の写本が書かれているという。

内容に関してはフランス国内の降霊術、人肉嗜食、屍体性愛などを行っていた淫祠邪教の目録、教義や行動に関して記述され、 胸の悪くなるような、当時の貴族たちの習慣や文化、食屍鬼との接触、豊穣の神に対する異教の儀式、ニョグダやシュブ=ニグラスに関する言及、人肉食による不老長寿の秘法などが記されている。

なおカトリック教会から発禁処分を受けている。

現在オリジナルは14部が現存しているとされ、エイモス・タトル、ウィルバー・エイクリィが所持していたが死後ミスカトニック大学に寄贈されており、これを含めミスカトニック大学に最低4冊は所蔵されている。

他にはイギリスのジュリアン・カーステアズが所蔵していたが、後にタイタス・クロウも所持していたことから、状況的に見てカーステアズの所蔵していた物をかっぱらったと見て間違いないだろう。

クロウは内容を悉く学び尽くしたらしく、親友であるアンリ・ローラン・ド・マリニーの誕生日プレゼントにしようと考えていた。
クロウとマリニーは程なく邪神の襲撃を受け、時の時計を使って異界に逃げたためこの一冊は行方不明となっている。
マリニーにプレゼントしていたならばマリニーの家に存在している可能性もあるが、まだクロウの館に合った場合、館もろとも破壊された可能性もある。またクロウと敵対していた魔術師が生死を確かめに館を訪れていたので、彼らに持ち出された可能性もありうる。

一説には14部の内、一冊は這い寄る混沌の手に渡ったという。

なお、ダレット伯爵はフランス革命時にバイエルンに逃亡。
その後はドイツに帰化し、ゲルマン風のダーレスに改名。そしてその子孫がオーガスト・ダーレスという設定がある。 実際にダーレスの先祖はフランス系のバイエルン人であるためのHPLのお遊びである。