キューピッド

Cupido

日本で天使というと詳しい人や、特殊な趣味でない人は素っ裸の赤ん坊や幼児の姿で、小さな羽を生やし、小さな弓矢を持つものを思い浮かべるだろう。
これ児童ポルノ禁止法で規制とか役人が抜かしたらどうするんでしょうね?

まあどちらにせよ天使でイメージされる姿の代表といってもいい天使像ですが、これはキューピッドとして知られています。

しかしこのキューピッドは天使ではありません。
キューピッドは欲望を意味するローマ神話の神様でギリシャ神話では愛の神エロスとされます。

あの姿のイメージはケルプがそうであるとされます。
智恵を象徴するケルプは成長しつつある子供を具現するとされ、エデンを守護するケルプと混同しないために厳密にはプットputtiと呼ぶ。

ローマ人はエロスをクピドと呼び、これがキューピッドという発音になったようだ。

キューピッドが裸体の幼児という姿はローマ時代の美術にも見られるが、神話において幼児であると定義されていたわけではない。幼児の図式が大幅に流布するのはルネサンスからバロックにかけての時代のようだ。

キューピッドが持つ矢は燃える愛の象徴であり、思想、道徳の寓意画が多く描かれたルネサンス〜マニエリスム〜バロックに至る時代、恋や愛という抽象概念をあらわす時に多く使われた。
また愛をあらわす紋章にも使われている。

またこのキューピッド・・・ヨーロッパからアメリカに渡ってキューピーというキャラクターとして商品化されたのは周知の事実であろう。

ちなみに愛の天使キューピッドなどと呼ばれるが、これはキリスト教やギリシャ神話などがごっちゃになった日本特有のものである。