デルピュネー
Delphyne
デルピュネとも。
ギリシャ神話に登場する、上半身は女性、下半身は蛇の姿をした怪物。
炎を吐くともされる。
テュポーンとの関係ははっきりとはされていないが、テュポーンが自分の体を使って創った分身とも、血縁ともいわれる。
テュポーンの妻であるエキドナと同一視する説もある。
ゼウスとテュポーンの戦いにおいて、勝利したテュポーンはゼウスの手足の腱を切断し、ゼウスはコリュキオンと呼ばれる洞窟に 幽閉され、切断された腱は熊の毛皮に隠された。
この時、洞窟の番をしたのがデルピュネーである。
とはいえゼウスを救出にきたヘルメスとパンに騙されゼウスを逃がしてしまう。
デルピュネー自体の伝承はこのくらいである。
この後のゼウスとの再戦でテュポーンは敗北し、山の下敷きにされてしまう。
一説ではデルフォイの神託所を支配していたのはピュートーンではなくデルピュネーだという。
デルフォイという名も、デルピュネーからきているともいわれる。
本来デルピュネーは現在のギリシャ神話が形成される以前のギリシャ土着の古い女神であったが、後世に魔物へと貶められ、本来の伝承なども他のものと混じったものとみられる。
アポロンが倒したデルフォイの神託の竜の伝承はピュートーンではなく、デルピュネーの可能性が高いという説もある。