デュラハン

Dullahan/Durahan

ドュラハン、ドゥラハンとも。

アイルランド伝承に語られる妖精。

コシュタ・バワーCóiste-bodharという首無し馬が引く棺桶を載せた馬車(戦車とも)に乗り、片手で手綱を持ち、もう一方の手に自分の首をぶら下げている女の妖精だという。

この妖精は近いうちに死人の出る家の付近に現れると、戸口に矢を射掛け(あるいはただ戸口の前に立ち止まるとも)、家の人が戸を開けると盥に満たした血を浴びせかけるという傍迷惑な存在。

なおデュラハンは死期の近い人間の家に現れるが、デュラハンが来るから死ぬのか、死期が近いからデュラハンがやって来るのかははっきりとは不明だが、一説では死を告知し、後日デュラハン自らが殺しにやってくるという話もある。

また女の妖精ではなく甲冑を着た首なし騎士ともされることがある。
まあ甲冑を着た女騎士なのかもしれん。

起源に関しては不明であり、ルーツが特定されておらず、デュラハンの名にどんな意味や由来があるのか、どうして首が無いのかなどは分かっていない。

因みにデュラハンは神出鬼没であり、どこにでも現れるため、デュラハンから逃げることが出来れば死の運命からも逃れられると言われるほどである。

なおデュラハンの駆るコシュタ・バワーは流水を渡れないという吸血鬼みたいな説があるため、川を利用すればいいかもしれない。

創作作品では首無し騎士の方が登場頻度は高く、妖精というよりアンデットとして扱われることが多い。
中には自分の首を盾として使っていることもある。

なお馬車や戦車に乗っている者はさらに稀である。
というか馬に乗っている者でさえ珍しい。