旧神
旧き神、エルダーゴッドと呼ばれる謎の存在。
クトゥルフ神話作品にオーガスト・ダーレスが追加した設定で、この設定を非難する者も少なくないものの、ラブクラフト自身が在命中に行われてことである上に、氏も別段問題視していなかったようだ。
初期設定ではオールドワンとも呼ばれたようだが、旧支配者がそう呼ばれており、名称の入れ替わりなどの混乱も見られ、初期にわずかに使われたに留まった。
その全容は殆ど明かされておらず、判明しているのはわずかな事だけである。
オリオン座を構成する天体の一つ、ペテルギウスに君臨して全宇宙の運行を司っているといわれる。
イリジアと呼ばれる異次元が本拠地とも言われる。
旧支配者や外なる神とは敵対して、これを封印するに及んでいる。
古代の伝承では人類の守護者であり、旧支配者などから助けてくれる。
旧神の印と呼ばれる、燃え上がる五芒星がその力の象徴。
かつて邪神ロイガーとツァールが復活しかけたときに、オリオン座より降臨したことがある。
星の戦士と呼ばれたこの旧神は、人間に似た炎の生物であり、両脇の腕に似た三対の付属器官に、筒状の旧神の武器を携えて両端のとがった細長い円筒状のものにまたがっていた。
また旧神の一柱、もしくは主神はノーデンスと呼ばれる海神だという。
実際のところ人類の味方とは限らず、敵対してるものに襲われているので助けた程度なのかもしれない。
またムー大陸を沈めたのも旧神だとも言われ、宇宙の運行を司るのが旧神なら、宇宙が苦しみに満ちているのも旧神のせいで旧神が悪だという説もある。
また現在の世界を作ったのが旧神であり、旧支配者たちはそれを破壊し新たな世界を創造しようとしているともいわれる。
どちらにしよ、全能の存在ではないだろう。
旧支配者や外なる神を倒さずに封印するに留めたのかは、いくつかの説や推論が出来る。
不死身だったから滅ぼすことが出来ず封印した。
退けたり封印する能力には長けていたが、倒す力はなかった。
何かに利用しようと考えている。
彼等が来たときには旧支配者たちは星辰の影響で眠りについており、取り敢えず封印しておいた。
旧神こそが彼等の生みの親であり、旧支配者たちが造反したので封印した。
夢の国で崇められる神性と同一の存在で、旧支配者たちが眠りについた後に誕生した。
etc.etc
またクトゥルフとハスターは旧支配者でありながら敵対しており、クトゥルフと敵対した人間にハスターが力を貸したこともある。
このことからも邪神達は一枚岩ではないことが明らかである。
であるならば、旧神も考えの違いで対立した邪神の一派なのかもしれないという考えも出来る。
こう考えると初期設定名の混乱も納得が行く・・・かもしれない。
星の戦士に関しては、恐らくは天使をイメージしたものと思われるが、日本人にとってはウルトラマンを連想させる。
近年ウルトラマンティガにおいて、遂にウルトラマンが旧神扱いされてしまった。
続編ではルルイエまで浮上している(脚本家がなんでもクトゥルフ系に絡めるので有名な人だったのが大きいだろう
またノベルゲーム、デモンベインにおいては主人公とヒロインが最後に旧神となるEDが用意されている。
謎の多い存在ゆえに、製作者の好き勝手に設定される題材である。