フェンリル

Fenrir

名の意味は大地を揺らす者。
フェンリスFenris狼とも呼ばれる。また、ヴァナルガンドVanargand 破壊の杖の意の別名を持つ。

北欧神話の邪神ロキと、魔女アングルボザの間に生まれた、三匹の怪物の長兄。
アングルボザの心臓を食べてロキが妊娠し、生んだという説もある。

巨大な狼の姿だが、「キサマ、哺乳類じゃなくて爬虫類だろ!!」といわんばかりに日々成長を遂げ、顎を開くと天地に届く程であった。
さらに鼻から炎を吹き出していたという説もある。
この辺り見ると、ヨルムンガンドとしっかり血の繋がりがあるようだ。

いずれ、フェンリルが神々に災いをもたらすと予言され、捕獲し幽閉してしまう。
だが、捕獲は困難を極め、レージング、ドローミの鎖を以てしても縛り付けることは出来なかった。
小人に作らせた魔法の紐グレイプニールにてようやく拘束に成功する。

だが、グレイプニールで縛られる代わりに、誰かが自分の口の中に手を入れ、切れなかったらグレイプニールを解くこと。解かないのなら、腕を貰い受けると要求。
勇敢にも進み出たのが、戦神テュール。こうしてテュールの腕と引き換えに、フェンリルはグレイプニールで縛られることになる。
なんで、腕一本かなー、でかいんだから数人丸ごと余裕でいけそうなのに。ここら辺、殺生を好まない理知的な面が見えるのは自分だけだろうか?それとも、神々も馬鹿でかいのか?

神々は念には念をとグレイプニールの端にゲルギヤという鎖をつけ、端をギョルという巨石の穴に通し、くくりつけた。さらにこれでもかとギョルを地下深くに埋め、巨岩スヴィティで蓋をした。
しかし、そこまで巨大な狼を縛り付けるものってどれだけでかいんだ?

そして口には剣をあてがわれ(さぞかしでかい剣なのだろう)、顎を閉じることが出来なくなった。
フェンリルの口から涎が流れ出し、ヴォーン(期待)という川になったという・・・間違っても泳ぎたくない川だ。

フェンリルが縛られたのはアームスヴァルトニルという湖にあるリングヴィという島だという。
さぞやでかい島なのだろう・・・

ラグナロクの日に、遂に束縛を破り、いいかげん神々にムカついてたのか、大暴れし、太陽と月を飲み込み、主神オーディンを食い殺してしまう。
その後、オーディンの息子ヴィーダルに引き裂かれ(あるいは心臓を剣で貫かれ)最期を遂げる。
たぶん、オーディン戦で消耗していたからではなかろうか?

ゲームやなんかですと、炎か氷の狼として登場することが多いですが、神話でそういう記述は無い(せいぜい鼻から炎を吹き出していたくらい)のでオリジナル設定ですね。

何気に単独で主神を打倒した、古今東西の神話でも稀有な存在・・・もっと評価されてもいいと思う。

自分のシナリオにも出てきます・・・フェンリルは愛称。
フルネームはフェンリス・ヴォルフ・ヴァナルガンド。