ゲッシュ

Geis(si)

ゲーシとも。複数形はゲッシ、ゲッサ。

古代ケルトで行われていた、一言でいうとまじないの類。
誓い、誓約、禁忌、戒め、掟、約束のこと。

基本的には戦士階級の男が一人前になった証にドルイドや女から与えられるもので、これを破るのは死に勝る屈辱と考えられ、下手をすれば死刑になるほどのものでした。
また自分自身で口にした誓約も重要視され、命を棄てても守らねばならないものとされた。

誓いの内容は○○の頼みを断らない、○○を食べないなど。
なかには個人単位ではなく、部族単位でのゲッシュもあり、例としては月の名を呼ぶときは別の言葉で言い換えなければならないという迷信があり、19世紀頃までアイルランドではガラッハ、マン島では夜の女王と呼ぶ習慣が残っていたという。

他にも、戦争など重要な事柄に遇ったとき、ゲッシュを行って、その成功を祈ったとされる。

ゲッシュを守る限りは戦士に加護が約束されるが、誓いを破ってしまうと、命に関わるほどの災厄をこうむるとされます。

そのため、敵のゲッシュを調べ、誓いを破らざるを得ないような状況に追い込んで破滅させるということも行われたようです。
有名どころではクー・フーリンがそうです。

基本的に文字を持たない民族のもので、口頭での宣言が普通でしたが、オガム文字というものが使われるようになると誓いを忘れず強化する為に、ゲッシュを愛用の武器や碑文などに刻み込む事もあったようです。
クー・フーリンが片手・片足・片眼だけで樫の枝の環を作れぬもの、この先通るべからずという碑文を残して敵を足止めするという話があります。

ケルト人は天が落ちることや大地が裂けることだけは恐れていたといい、ゲッシュを誓うさいは「この誓い破るときは空よ落ち我らを打ち砕け。地よ裂けて我らを飲み込め。海よ、割れて我らを巻き込め!」「空が落ちない限り、大地が裂け、海が我らを飲み込まない限り、この約束を守るだろう」という感じで誓ったそうだ。

かくも勇敢なケルト人であったが無茶な誓約を立てて、無謀な戦いをして敗れることもあったようだ。
ローマとの戦いにもそのために敗れたとされる。

ちなみに自分も一つゲッシュを誓っております。
現在開発中のゲームを完成させることです。