ケートス
Ketos/κητος(希)/Cetus(羅)
ケト、カイトスとも。
ギリシャ神話でアンドロメダを襲った怪物。
名前はギリシャ語で鯨という意味で、この怪物は化け鯨とされるが、これは最近になってからで、元々は大型の海洋生物全般を指す言葉だったようだ。
つまりケートスとは海の怪物を表す言葉で、固有名詞ではない。
他の国で訳された際も、怪物などを意味する言葉が当てられている。
ぶっちゃけ名無しの怪物である。
星座になっており、日本ではくじら座と訳されているが、元々の意味合い的には海の怪物座とかのほうがしっくりくるお方である。
姿もほとんど描写がないので、絵画などでは好き勝手に描かれている。
神話の怪物やらを紹介する纏め本などでは、アンドロメダのドラゴンとか、ペルセウスのドラゴンとか書かれてるけど、絵画見る限りは本当にドラゴンにしか見えないデザインのも多かったりする。
さてさて、こいつはどんなやつかといいますと、エチオピア王妃カシオペイアが娘のアンドロメダの美貌(または自分の美貌)は女神にも勝ると自慢したことから話が始まります。
ギリシャの神は沸点がかなり低いので、これを聞いた海神ポセイドンは神を上回るとほざくなどけしからんと怒り、この怪物をけしかけた。
この怪物により荒廃した国を救うにはアンドロメダを生贄にするしかない神託が下り、アンドロメダは岩辺に鎖で縛り付けになりました。
そこへメデューサを倒して帰る途中だったペルセウスが通りかかります。
ウホ、いい女。嫁になれば助けるよーっと鼻の下を伸ばした好色英雄はやる気満々です。
結婚の許可を貰ったペルセウスは持ってたメデューサの生首でケートスを石に変えてしまいました。
アンドロメダ、ゲットだぜ!!
この石になった怪物の像はエチオピアに在ったそうですが、イスラム侵攻時に破壊されてしまったと言われています 。
またこの怪物と同じものかは不明ですが、後年にトロイアのラオメドン王がアポロンとポセイドンの怒りをかったときに、アポロンは疫病、ポセイドンは海の怪物を送り込んだという。
因みに原因はこの2人の神にトロイアの城壁を築いてもらいながら、約束の報酬を踏み倒したからである。
これはやられても仕方ない。
ここにやって来たのがペルセウスとアンドロメダの子孫であるヘラクレス。
ワンパターンでラオメドンの娘ヘシオネーが生け贄として岩に縛られたところを、ヘラクレスが怪物を倒して救い出したのであった。
今度は真っ向勝負ですよ。
でもラオメドンさんはヘラクレスへの報酬も踏み倒したのでした。
なお、この神話はこういった怪物に襲われるお姫様を英雄が助けるというお話の代表格であり、このパターンをペルセウス型、ペルセウス・アンドロメダ型と分類されている。
しかし・・・・・・まあ自分の世代だと、あれの影響で、アンドロメダを襲ったらフェニックスがすっとんで来てボコボコにされそうな気がしますね。