メフィストフェレス
Mephistopheles/Mephistpheles
メフィストフォレス、メフィストフェーレス、また単にメフィストとも。
ギリシア語で光を愛さないme tophos philesが語源というドイツ伝承の悪魔。
地獄の七大王子の一人で、元大天使。
空を飛ぶ魔神であり、天文学・占星術・気象学に長け、炎と幻を操るなど多彩な能力を持つ。
悪魔辞典では涙を嘲笑い、人の苦痛を喜ぶという。
姿はグリフォンやドラゴンに似た姿をとり、黒い毛に覆われている。
老人、あるいは紳士の姿で現れる事もある。
また2匹の竜が牽く馬車(竜車?)に乗って現れることもある。
地獄に堕ちたことを悔やんでおり、努力次第で天界へいける人間を羨み、いつか天に帰れたらと思っているらしいが、伝承を見る限り善行を積む努力をしていないので無理だろう。
16世紀頃にファウストという魔術師に召喚され、ファウストの魂と引き換えに24年という期間、その従者となって様々な願いを叶えたという。
一説ではこの時召喚されたのはベルゼブブ等の魔王で、んじゃこいつ扱き使ってくれやと遣したのがメフィストとも。
メフィストに様々な願いを叶えてもらったファウストだったが、契約が切れた際にメフィストに絞め殺され(八つ裂きにされたとも)魂を奪われたという。
余程鬱憤が溜まっていたのだろうか・・・
この伝説を元に何人もの作家が物語を執筆したが、有名なのがゲーテのファウストである。
この話では老いた学者ファウストの前に悪魔メフィストフェレスが現れる(本来の伝承では割と若いときに召喚したとされているが
メフィストはいくら学問を修めても知識欲を満たすことの出来ないファウストに、死後奴隷になることを条件に、自分が奴隷のように仕えてこの世の享楽を提供すると誘惑。
もとより死後のことに関心のなかったファウストは二つ返事で承諾し、「時よ止まれ!お前は美しい」(すなわち現在に満足し、その瞬間が永遠になることを望むという意味)のキーワードを口にしたとき、魂を捧げると約束をする。
この話では結局、キーワードを口にしたもののファウストの魂を神に横取りされてしまう。
ルシファーと同一、あるいは血縁と設定した作家もいるようだが、基本的にルシファー(あるいはサタン)の部下とされることが多い。
かなりの上位悪魔のようだが、物語上狂言回しの役割を担うためか、道化というか小物ぶりがうかがえてしまう。
曰く、「俺、ルシファー様の部下だからさ、勝手にお前に仕えるわけにはいかないんだよ」
もっともちゃんと上司に報告して許可を得る辺りは、律儀なやつなのかもしれない。
水木しげる先生の悪魔くんにも登場しており、結構有名だろう。
まあアニメではだいぶよぼよぼになってたけど。
またウルトラマンのメフィラス星人もここからネーミングが来ているという。
GS美神ではアスタロトの手で創られた女悪魔で、主人公の前世として登場していた。