ウロボロス

ouroboros/uroboros/ουροβóρος

ギリシア語で尾を貪り食う者、尾を飲み込む者の意。

古代ギリシャが出典だが、特定の神話に登場する存在というよりはある概念を表す存在。

自分の尾を咥えた蛇もしくは龍。
これは世界創造が全であり一であるといった思想を表すという。
他にも、始まり(口、頭)が終り(尾)を飲み込んでいるため、無限や不死を意味しているともいわれ、永劫回帰や陰陽など反対物の一致、自分で自分を養う・・・つまり完全、不変を意味しているともされ様々なものを表す。
逆に自分の尾を喰らい最後には消えて無になるという解釈もある。

尾を咥えた蛇自体は、中国北方の紅山文明遺跡(少なくとも5千年は前の遺跡)から発掘された物品にて既に見られており、相当古くからある思想である。

ウロボロス自体の起源としては、前1600年頃の古代エジプト文明にまで遡ると思われる。
エジプト神話の太陽神ラーの夜の航海を守護する神メヘンが原形とされる。

メヘンは自らの尾を咥え、ラーを取り囲んで妨害者からラーを護る。

これがフェニキアを経由しギリシャに伝わって、ウロボロスとなったとみられる。

地図の世界を取り巻く大海の周りや十二宮星座の周り、護符などに描かれることも。
起源は地図上の不明地域を表すもの、エジプトの神メヘンの図版がギリシャに伝わったものなど諸説ある。

グノーシスではウロボロスこそイエス・キリストを象徴していると考え蛇崇拝が広まったともいいます。
生と死の象徴を示すウロボロスに、イエスの復活を見いだしたからだとか。
まあ蛇を悪魔とする当時の教会によって弾圧され、衰退してしまいましたが。

錬金術士に使われる記号の一つでもあり、世界や完全を意味するものとして使用された。
やがて始まりと終りがあるならその過程もありそれは移り変わるものだから、という理由で変化の意味も持つようになります。
そして賢者の石と結び付き、知識を意味するものとなり錬金術の象徴とも いえる存在となったわけです。

通常その姿は円で表されますが、メビウスの輪の形で表されることもあります。
とくに無限を意味する場合はこちらで描かれることが多いようです。
∞もウロボロスがモデルともいわれています。

自分のシナリオにも登場しますが、ストーリーの根幹に関わる設定なので詳しくは伏せておきます。
まあ、少しネタバレすると知識と力を継承し無限の転生を繰り返す最古にして最強の邪龍です。