ピュティア

Pythia

ギリシャはデルフォイの神殿に仕える巫女。
ピュティアは神官で、巫女はピュトネスだったようだが、現在はピュティア=巫女で通っているようだ。

元はピュートーンという龍に仕えていたが、アポロン神がピュートーンを倒し(両者はしばしば同一視されます)デルフォイ神殿の主となってからはアポロンに仕えたようだ。ピュティアとはピュートーンの巫女、牝ピュートーンという意味合いのようだ。アポロンが名付けたとも言われる。

ピュティアの役割は神託を告げることで、神殿内の地面に大地の裂け目と呼ばれる穴の上にあつらえた三脚台に座り、神託を下したという。その神託は何を言ってるか分からないそうで、神官が翻訳して伝えていたようです。
どうともとれる曖昧な表現だったようですが。
当時の記録では、裂け目から蒸気が噴出しており(恐らく天然ガスかなにか)、これでトランス状態に陥っていたようだ。
これはピュートーンの死体から放たれるものとされ、ピュートーンを毒龍とする説もある。

これを吸うとラリって大変なことになり、行方不明者も続発したようで専門の人間を置いたのが始まりという説がある。

ピュティアに選ばれたのは女性であり、女性蔑視の古代ギリシャにしては非常に珍しい。

大部分のギリシャの神官や巫女は高貴な家柄の者が代々受け継ぐ世襲制の仕事だったようなのだが、ピュティアはデルフォイ出身者でなければならなかったという。そして年齢や財産、教養の有無は関係なく、字が読めなくてもかまわなかったと・・・これってガスでラリってられるか、下級の者にやらせとけってことじゃ・・・まあ、自分の偏見ですが。厳しい訓練も受けていたようだし・・・

ところが、このガス説ですが発掘調査ではそれらしき裂け目が見つからず、ガスの存在も証明できずにこの説は否定されることになりました。
ところが、一九八〇年代に国連開発計画が過去数百年間にギリシャに地震を引き起こした活断層の調査を始めたのがきっかけで、その調査に参加していた地質学者のデ・ボーアが聖所の東と西に断層面が露出していることに気づいたそうだ。デ・ボーアはそれらをパルナッソス山の南斜面に沿って走り神託所の下を通る断層線を示すものと解釈した。
つまりガス説は正しかったかもしれないのだ。

ちなみにデルフォイのガス説以外には別の場所に、ガスを吸いに行った説、麻薬説などがある。

ちなみに巫女というと日本では年若い処女の女性というイメージがある。
ピュティアもそれに同じで、少女がやっていたようだが・・・・・・その・・・誘拐されて・・・まあ、いろいろいたされてしまうという事件があったらしく、それ以来老齢の女性が行うようになったそうだ。