サトゥルヌス
Saturnus
ローマ神話における農耕神。名前は種を撒くという意味。カルデアの占星術士の間では黒い太陽と呼ばれる。
サトゥルヌスはラテン語読みで、英語読みのサターンの名で一般的に知られている。
人々に初めて農耕を伝えたと言われる。
サタンと混同されることもあるが、こっちはサターン・・・土星、土曜日の語源である。
ギリシア神話のクロノスに比定され、しばしば同一と見られる。またどちらも父を倒すときに鎌を使っている。
黒い太陽とは夏至のころの低い位置にある太陽を指して言われたもの。夜の太陽とも言われ、冥界に住む死の王でもあると言われていた。
またクロノスと同じく自分の父から王位を奪い、自分の息子に王位を奪われると予言され自分の子供を次々と食っていくが、結局は我が子であるユピテルに王位を奪われることになる。
ルーベンスやゴヤがこれを題材に絵を描いており、凄い迫力である。
少し調べれば、すぐに絵を見つけられるので興味があるなら見てみるといい。
サトゥルヌスは人々に農耕を教え、文明を与えた。
サトゥルヌスの妻は本来ルアだったとされるが、後になってオプスが妻とされるようになった。これはクロノスの妻であるレアとオプスが同一視されたためだと思われる。
ローマでは十二月の十七〜二十四日にサトゥルヌスの祭りサトゥルナリアSaturnaliaがあり、かなり過激な祭りだったようだ。
その内容は、
一.一週間ぶっ続けでどんちゃん騒ぎ。
二.学校もお仕事も全部休み。
三.奴隷だって自由。
四.性の放埓もかなり大目に・・・
クリスマスの原形の一つとされる。