バルザイの偃月刀

Scimitar Of Barzai

学研M文庫、魔導書ネクロノミコンにて登場した物品。

魔導書ネクロノミコンの巻末付録、本物のネクロノミコンからの断章の中にバルザイの偃月刀の製作という章がある。

なおシミターの和訳は本来、新月刀であり曲刀の一種であるが、偃月刀になると薙刀に近い中国の武器のことになる・・・イラストやシミターという原語から、曲刀のようだが・・・

なおバルザイが何を示すのかは不明である。

一説では賢人バルザイがハテグ=クラの山頂にて鍛え上げた刀と言われるが、当のバルザイさんはドリームランドのウルタールの人で、アル・アジフ執筆より後代の人である。
さらに言うなら、バルザイさんはハテグ=クラに登った際に、行方不明になっている。

本来は関係がないはずだが、これはドリームランドとでは時間の流れが違うのか、アル・アジフには未来の知識まで記されているということなのだろう。

あるいはバルザイという単語には何らかの力ある意味があるのかもしれない。

製作法

火星の日、火星の刻限、月の光が増すとき黒檀の柄を付けた青銅の偃月刀を造る。

刀身の片側に上記(上)の文字を刻み、もう片側に上記(下)の文字を刻む。

土星の日、土星の刻限、月の光が減じるとき、月桂樹と一位の大枝を燃やし、刀身を炎にさらし、五箇条の呪文を唱えるべし。

フコリアクソユよ、ゾドカルネスよ、我は大いなる深淵に棲む汝等ら諸霊を力強く呼び醒ます者なり。
アザトースの恐るべき強壮な御名に於いて、この場にあらわれ、古ぶしき伝承にのっとって造られたこの刀身に力を与えよ。
クセントノ=ロフマトルの御名に於いて、我は汝アズィアベリスに命じる者なり。
イセイロロセトの御名に於いて、汝アントクェリスを呼び出す者なり。
クロム=ヤーが発して大山が鳴動した恐るべき甚大なダマミアクの御名に於いて、我は汝バブルエリスを力強く呼び出したる者なり。
我に仕え、我を助け、我が呪文に力を与え、火の秘文字の刻まれたこの武器が霊験あらたかに、我が命に背く諸霊を悉く震え上がらせるとともに、魔術の実践に必要な円、図、記号を描く助けと為る様にせよ。

大いなる強壮なヨグ=ソトースの御名とヴーアの無敵の印に於いて(ここで印を結ぶ)

力をあたえよ。
力をあたえよ。
力をあたえよ。

 

 炎が青くなれば、諸霊が要求に応じる徴候。
塩水と雄鶏の胆汁を混ぜ合わせた触媒により刀身を冷やす。

そして召喚した諸霊への供物にズカウバの薫香を焚き、次の言葉を唱え諸霊を棲家へ退去させる。

アザトース、ヨグ=ソトース、其の僕ナイアルラトホテップの御名と、此の結印の力に於いて(旧神の印を結ぶ)
我は汝を解放する。この場を安らかに離れ、我が呼び出すまで戻るなかれ(関門をコスの印で封じる)

偃月刀は黒い絹布で包み、使用するまで保管する。
また霊力が失われるので、誰にも触れさせてはならない。

以上である。

内容を見るに、火の力を持つようだ。

また様々な儀式の助けとなり、ヨグ=ソトースの儀式にも用いられる。