セラフ

Seraph

複数形はセラフィムSeraphim。日本では熾天使の字を当てられる。

燃える、蛇を意味するヘブライ語sarafが語源とされる。
エノク書ではその名の通り炎から生み出されたとされる。

天使九階級の最高位で神にもっとも近い天使とされている。
ユダヤ教、キリスト教では神と直接関わり、純粋な光と思考の存在として愛の炎と共鳴する存在だという。

また愛と想像力の精霊と呼ばれることもある。

赤い色で象徴され、キリスト教では6枚の翼をもち、2枚で顔を覆い、2枚で足を隠し、残りの2枚で飛翔するという訳のわからん飛び方をする。

そして神の周りを飛びながらサンクトゥス、ヘブライ語でトリスアギオン「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、昔いまし、今いまし、のち来たりたまう、主たる全能の神」という神を讃える唱を休まず唱えている。
最高位なのにか、最高位だからなのか凄い重労働である。
自分の部下に(子供か?)自分を休まず讃えさせるなんて凄い嫌な奴に思えますが・・・

またその歌詞を刻んだ炎の短剣か、扇もしくは旗や蝋燭を持っているという。

預言者イザヤは人間の前に現れる時は、六翼(頭部に2、背に2、足に2)四面を持った人間のような姿をとるとしている。
蛇足だが最初期の天使は熾天使と智天使以外は翼の有無に関する記述は無く、絵画も翼は描かれていなかった。

また顔の周囲を翼に覆われ、その翼の1枚1枚に孔雀のような目がある姿で描かれることもあり、他にも吠える蛇の姿だともされる。
蛇はサタンとされ神の敵であるが、サタンはもとはこの位にいた天使なのでそれが本来の姿なのかもしれない。
それを思わせる話にこんなのが・・・

モーゼが民を引き連れたとき、苦難の道に非難の声を上げる民に対して、神は燃える蛇を落として苦しめたという。
酷いものですが、仕方ありません。モーゼは神に祈ると青銅で蛇を作れと言われた。
それを見れば民は蛇の害から逃れると・・・
えー、逆らうものは皆殺しという神の一面が見れますがまあ置いといて。

燃える蛇というのは噛まれると燃えるように痛むからだとか・・・燃える蛇、つまりセラフを意味しているのかもしれませんね。

天使の全指揮権を握っている階級と考えられ、指揮官については諸説が入り乱れている。

サタン、ルシファーが指揮官だったというのが有力な説だが、ご存知の通り堕天している。
現在は別の天使が指揮官のはずだが、ウリエル、ガブリエル、ケムエル(カマエル)、ナタナエルなど候補が多い。
有力なのはミカエルもしくはメタトロンだという説。

ちなみに創作作品ではここら辺の伝承はほとんど無視され、作者の好き勝手に設定されることが多い。
せいぜい翼の数くらい・・・

バスタードじゃミカエル女だしな・・・