タラスクス

Tarsque

もしくはタラスク。

フランス中部のローヌ河に生息していたというドラゴン。

リヴァイアサンと驢馬のハーフというこいつはクセェー、創作臭がぷんぷんする ぜェー!!な怪物。
え?だってリヴァイアサンってとんでもなくでかいんですよ。
どんな小さく見ても、鯨よりでかいんですよリヴァイアサン。
で・・・そのリヴァイアサンがどうやって驢馬と子供を作るんですか?
はい、そこ妙な想像してハアハアしない!

その姿は魚と獣が混じり合った鰐のようで、人間を一飲みにできるほど巨大、6本足で身体は甲羅のような鱗で覆われ、長い牙を持ち、蛇のように自在に動く尾をもっていたという。
獰猛で毒の息を吐き、焼夷弾のような燃え上がる糞を飛ばして船や旅人を襲った。
なんていやな攻撃だ。まあ、あっちの人間は汚物を窓から投げ捨ててたっていうしどっちもどっちか。

しかしこの姿・・・FF4に登場したカイナッツォを彷彿させるな・・・

もともとは、小アジアのシリアに棲んでいたという。
1世紀頃には地中海を渡り川をさかのぼって、フランス中部ローヌ河畔のネルルク(黒い森の意味)という森の近くに棲みついた。
川の中心にある渦の下の洞窟に潜み、通りかかった船や旅人を襲っては喰らった。
硬い甲羅はどんな武器も通じず、民衆は困り果てていたという。

12世紀のイタリアで出版された聖人の伝説を纏めた「黄金伝説」では聖女マルタに捕らえられたという。
キリスト教布教のために、ちょうどネルルクの近くまできていた彼女はタラスクスを退治に向かう。
ちょうど人間の踊り食いをしていたタラスクスは彼女に襲い掛かってきました。

ところがマルタに聖水をぶっ掛けられ、十字架を突き付けられたタラスクスはたちまちおとなしくなってしまい、彼女の腰布で縛られ捕らえられてしまいます・・・だからそこ妙な想像しない。

やがて聖マルタの様子を見にきた村人たちに石を投げつけられ、ついには殺されてしまいました。
どんな武器も通じなかったんじゃないのか!?
ま、どうせ神の力の一言で片付けるんだろうな・・・

凶暴なタラスクスをもいとも簡単になだめ従わせてしまった聖マルタの力に村人たちは敬服し、皆キリスト教に改宗します。
そして彼女の偉業を称え、人々はネルルクの村をタラスコンと改名しました。
現在でもタラスコンの街では、タラスクス祭りFete de la Tarasqueというタラスクスを象った張子が街を練り歩く祭りが開催されています。

まあ、読んでの通りキリスト教布教のために生み出された怪物でしょう。
もしくはもともとあった怪物の伝承にこじつけたか・・・

キリスト教の話には十字切っただけで真っ二つになったドラゴンの話もあるから、タラスクスはマシな方かな・・・

創作作品ではRPGでちょこちょこ目にする。
他にはファイナルファンタジー9のサラマンダーというキャラ・・・フランス語版ではタラスクになっているそうだ。