テーバイのドラゴン

The Theban Dragon

特に固有の名前はないが、現代ではこのドラゴンを退治した者の名前をとり、カドモスのドラゴン、もしくはカドモスが建国した王国の名からテーバイのドラゴンと呼ばれることが多い。

古代ギリシャのボイオティア(現代のギリシャのヴィオティア県辺り)地方にある聖なる泉の守護を軍神アレスから命じられていた。

巨大な毒蛇で、金色もしくは黒い鱗を持ち、三叉の舌、三列に並ぶ鋭い牙があり、猛毒を吐くという。
ギリシャのドラゴンは毒蛇がモデルなのか、大抵毒持ってるなあ。

さて、あるときフェニキアのテュロス王の子カドモスは、ゼウスに浚われた妹を取り戻すために旅に出た。
とはいえ相手は主神、成す術もなく、妹を取り戻すまで国には帰らぬと誓ったため手ぶらで国にも帰れない。

そこでどうすればいいかアポロンの神託を受けたところ、牝牛に従いその伏した所に国を建てろとの神託を受けた。

カドモスが牡牛を連れて後にテーバイとなる地に至ると牡牛が横になった。

カドモスは建国にさいしての儀式をおこうなうため(女神アテナに牛を捧げるものとも言われる)、従者たちに水汲みをさせます。
従者たちは森の奧で美しい泉を見つけますが、その泉はドラゴンが守護する泉。

カドモスの家来達は現れたドラゴンの牙と毒に掛り全滅してしまいます。

家来達が帰ってこないのを心配し、探しに出たカドモスはドラゴンによって家来が殺されているのを見て怒り、大石を叩き付けた。
次に投げ矢をドラゴンの体に打ち込み、怒り狂ったドラゴンが迫ってきたところを鉄の槍で止めを刺し退治した。

強いなカドモス。

この武勇に感心したアテナは、倒したドラゴンの牙を土に撒くように助言する。
撒かれた牙からはスパルトイと呼ばれる武装した戦士達が生えてきた。
豊作である。

この戦士達は殺し合いを始め、5人が残った。
この5人のスパルトイと カドモスが興した国がテーバイである。

ただアレスのドラゴンを殺したため、カドモスの子孫はアレスに目を付けられ不幸な運命を辿ることになる。