アル・アジフ

(kitab)al azif

al azif、つまりall.zip・・・これはZIP形式で圧縮した魔道書だったんだよ!!はい、すみません戯言はここまでにします。

キタブ・アル・アジフとも。

アル・アジフは魔物の咆哮、キタブは書、即ち魔物の咆哮の書の意。
実際は虫の音のことであり、当時のアラブ人はこれを魔物の咆哮と考えていたという。
だが実際にはアラビア語にazifなる単語は存在しないという。

ネクロノミコンのオリジナル、原本である。

狂えるアラブ詩人アブドゥル・アルハザードによって730年、ダマスカスにて書かれた。

内容は彼が発見した人類よりも古い種族の年代記と恐ろしい秘密を始めとしたものであるという。
複雑多岐にわたる魔道の奥義が記されているといわれ、書そのものに邪悪な生命が宿ることもあるという。

ラヴクラフトが起源をアラビアとしたのはローマ崩壊後に失われた古代ギリシャの知識がアラビアに伝わって保存・発展し、ルネサンス期にヨーロッパに流入した歴史的事実を踏まえ 、失われた古代の知識という雰囲気を作り出すためのものと思われる。

通常の本の体裁なのか巻き物(スクロール)だったのか、どのような媒体に記されていたのかは知られていない。
一説には金銀アラベスク模様を施した黒檀装丁の大冊だという。

12世紀頃までにはオリジナルは全て失われたという説があるが、その後も発見されたという噂がいくつかある。
かつて大英博物館の未目録化文書の中にあるという噂もあったが、これは否定されている。

また妖蛆の魔術師ジュリアン・カーステアズ邸にて発見報告がある。
恐らくはタイタス・クロウの手に渡ったものと見られるが、邪神襲撃事件の際に破壊されたものと思われる。
その他の発見例でも多くが破壊の憂き目にあっている。

なお内容に関しては様々な作品でも直接的には触れられていない。
そのほとんどが翻訳版であるネクロノミコンからの引用で語られているからである。

近年、アル・アジフの精霊が幼女の姿を取る事例が報告されている。
アラブ出身のはずの書物の精霊が何故かゴスロリ衣装を纏い、色白の肌をしているという。
また内容がネクロノミコン断章に近かったり、アイオーンなる巨大なロボットを召喚したりするという。
挙げ句に所有者と恋に落ち、旧神になったり子供まで作ったりしていたという報告まであるが、流石に眉唾物であろう。