グール

Ghoul

アラビア伝承の怪物を元にHPLが小説に登場させた怪物。

人間に似ているが、顔付きや前屈みの姿勢はどことなく犬じみて、肌は不快なゴムのようなもの。
手は鉤爪を備え、脚には蹄とも鉤爪ともつかないものである。

自由気まま好き勝手な生き方を好む傾向がある。

墓地の近くや地下納骨所、地下鉄線路などに棲み、残飯や排泄物、時には屍肉を漁ったり、生きている人間を襲い、乗客を襲うために地下鉄を転覆させる事件も起きている。

しかし完全に人間と敵対しているわけでもなく、人間社会の寄生者というべき存在であり、固有の文化もあり、時には人間と友好を結ぶこともある。
またグールに育てられた者、グールと気の合う素質を持った人間はグールに変質してしまう場合がある。

また人間の子供と自分の子を取り替えるチェンジリングを行うこともあり、攫われた子供は屍肉を漁る事やグールの言葉を学び、肉体的にもグールに化してしまう。

ドリームランドにもグールの住処があり、地上との接点をいくつも知っている。

夜鬼とは一種の協定を結んでいるようで友好関係にある。
またガグという別種の怪物の種族とは敵対関係にある。
というのもガグ族の死体で一年はグールの社会全体を賄う食料になるので、しばしばガグ族の墓を荒らしたりするからである。

なお一口にグールといっても個体差、もしくは種族があるのか日光に弱い者や喰った死体の記憶を得て、生前の姿に変身できるものなどもいる。

また社会組織を築く者は少ないが中にはモルディギアンやニャルラトホテプといった神性を信仰しているグールもいる。
前者を信仰するものは従来の墓荒らしなどを行い、後者は誘拐などの強攻策を行う傾向が強い。

モルディギアンに関しては詳しいことは不明である。