ネクロノミコン断章

Fragments from the Necronomicon

1978年にジョージ・ヘイが、ジョン・ディー版からの翻訳という設定でThe Necronomiconを出版。

1994年8月23日と2000年9月13日に『魔道書ネクロノミコン』のタイトルで邦訳版がハードカバー版、文庫版それぞれ1200円と580円で大瀧啓裕氏の訳で学研より出版されている。
また2007年5月30日に続編やおまけを盛り込んだ完全版が発売された。

本書は遊び心で出されたが、オカルトに造詣の深いロバート・ターナー、オカルト関連の論評を数多く手がけるコリン・ウィルソン等も協力しており、実存しているジョン・ディーの暗号文書をコンピュータ解析によって解読した、ジョン・ディーの時代より数百年後に描かれたラヴクラフトのクトゥルー神話の内容と合致している、解読結果、作者や関係者のネクロノミコンに対する所見と解読に至るまでの経緯 などの事柄を大真面目に語っており、それらしい出来になっている。

巻末に解読結果である、ネクロノミコン断章が収録されている。

デイヴィット・ラングフォードが解読し、ロバート・ターナーが再構成、必要な加筆と序文を追加したとしている。

解読結果

表題はアル・アジフ、アラブ人の書。

続いて有名な謎の二連節、そは永久に横たわる死者にあらねど
測り知れざる永劫のもとに死を超ゆるもの。

筆者の名前であるアブドゥル・アルハザード、紀元730年ダマスカスにてと記載されている。

内容は18章に分かれ、この内章題が省略されている四つはロバート・ターナーが相応しい名を設けたという。
以下、赤字が新たに設けられた章題である。

1.旧支配者とその眷属について
2.尊奉すべき刻限と時節について
3.石の建立
4.各種の結印について
5.ズカウバの薫香の調合
6.イブン・ガズイの粉薬の製法
7.エジプト人ケフネスの聖油
8.バルザイの偃月刀の製作
9.ヌグ=ソスの文字
10.ハスターの聲
11.ニャルラトホテプについて
12.凍てつく荒野のレンについて
13.未知なるカダスについて
14.ヨグ=ソトースの招喚
15.球体の招喚
16.大いなるクトゥルフへの嘆願
17.黒きシュブ=ニグラスの召喚
18.ドー=フナの呪文

なお、これはもっともネタにしたのはデモンベインであろう。