人形

まず人形の起源ですが、かなり古く紀元前三千年ぐらいまで遡るそうです。
縄文時代の土偶や古墳時代の埴輪も人形の一種ですね。
人形に関する呪いはいくつかありますが、今回は基本をなぞることにします。

人形とは「ひとのかたち」と書きます。つまり人の代わりだったのです。

古代では王が死ぬと、その奴隷や召し使いも生きたまま一緒に埋葬するということがありました。
ようはあの世でも王に仕えさせるためという意味があったんですね。
やがて生きた人間の代わりに人形が埋められるようになります。
このように人形は元々は信仰や呪術の道具だったわけです。

相手を呪う道具としても使われ、逆に人形ひとがた形代かたしろとも呼び、人に降りかかる災厄を肩代わりさせるための道具としても使われたわけです。

穢れを肩代わりした人形は川に流したり、焼いたりして穢れを清めるんですが、これらの風習は現在も残っています。

雛人形はその最たる物で、現在は高価で飾り物としての意味合いが強くなってしまい、流したり焼いたりはしなくなりましたが、節句が終わったら早くしまえといわれるのは肩代わりさせた穢れが害をなすといけないという考えからです。