エキドナ

echidna/Έχιδνα

蝮、蝮の女を意味する。
上半身は美女で下半身は蛇のギリシャ神話の女神。

ギリシャ以前には大地母神として信仰されていた女神だったが、時代の移り変わりで怪物に貶められたとみられている。

ヘシオドスの神統記ではメデューサの子であるクリュサオルと、オケアニデスのカリロエーの間に産まれた娘とされる。
ただ文献によって出自はバラバラで、タルタロスとガイアの子、ポルキュスとケトの子という説もある。

ギリシャ神話最大最強の怪物であるテュポーンとの間に、オルトロス、ケルベロス、ヒュドラ、キマイラ、クリュンヌ、デルピュネー、 パイア、金羊毛の番竜、刑場の鷲、ラドンを産み、我が子であるオルトロスとの間にスフィンクス、ネメアの獅子、カルキノス、タゲスを、そしてヘラクレスとの間にアガテュルソス、ゲロノス、スキュテスを産んだとされる。

ただし文献によってやっぱり相手が違ってきている。
 オルトロスの間の子も、テュポーンとの子とされることもある。

なお出産順ははっきりと分かっていないが、文献では最初にオルトロスの名が登場することから、長男オルトロス、次男ケルベロス、三男ヒュドラ、他の連中はばらばらだが、ラドンは末っ子もしくはそれに近い感じだと思われる・・・たぶん。

生息地は諸説あり、地中海東岸キリキア地方、小アジアのアリマ地方の火山帯、ペロポネソス半島等といくつもの説がある。

夜行性の様で、夜中に眠っている家畜や旅人を襲い、貪り食っていたという。
神統記では不死とされるが、ペロポネソスで家畜を襲っていた際、百眼巨人アルゴスに殺害されたという説もある。

後世になるとキリスト教によって淫乱な売春婦の象徴とされています。