ゴブリン

Goblin

フランスやイギリスの妖精・・・というよりは妖怪か?

語源はギリシャ語のコバロスkobalos(妖精、また子供を意味するようだ)といわれる。

コボルトとも同一視される。

語源からも分かるように、その性質は子供に近い。
日本では子供のことをガキともいうが、これは餓鬼からきている・・・
西洋版の餓鬼や天邪鬼といえるかもしれない。
向こうでは素行の悪い子供をゴブリンと呼んだりする事もあるようだし・・・

実際、日本での訳語では小鬼などがくる・・・ソードワールドでは赤肌鬼と書いてゴブリンと読ませている。

民話で見えるが触れない幻の市場があるが、これをゴブリンマーケットと呼ぶ。
他にも欧州では悪い事をするとゴブリンに浚われると子供に言い聞かせたりと、日本でいう妖怪みたいな単語だろう。

身長は子供くらいで、伝承によってまちまちだが大きくても1mほど。
人型だが全体的にいびつで浅黒い肌をしているという。

主に洞窟や地下に棲むとされるが基本的に日光を避ける性質がある。
無論夜行性である。

性格的には酷い悪戯好きで、人が困ることばかりをする。
また笑い声だけでミルクが腐るともいわれる。
さらには疫病を流行らせることもあるという。

人の家に住み着くときには、牛乳容器の中に木っ端を投げ込んでくる。
そのままにしておくような不精な家にゴブリンは住み着くからだという。
まあ、そんなの入ってたら捨てるよな・・・あー、でも昔の食糧事情じゃそうもいかないか・・・

本来は種族名というよりは、性質の悪い悪戯好きな妖精の総称といった感じのようだ。

ゴブリンの登場する作品ではジョージ・マクドナルドが書いた「お姫さまとゴブリンの物語」があり、J・R・R・トールキンも少年時代に好きだったそうである。
物語とはいえ伝統的なゴブリンの性格が十分に反映された作品として研究家のキャサリン・ブリックズもこの作品をあげている。

この作品中のゴブリンは、太古は人間と同様地上に棲み人間と似た容姿をしていたが、地上が人間のルールで縛られ気に入らず地下へと移り棲んだとしている。
地下での生活は、次第に彼等の身体を変化させ、頭は異常に頑丈になり、腕力も高く手先も器用、足は柔らかく指は無いため靴は履かない。
ときおり2本指、6本指などの者も産まれるが、これは人間の血が混じっているためだという。
地下に王国を作り、王と王妃の下で集団で生活しており、自分達を地下に追いやった人間を恨み、地上の人々を困らせる事ばかり考えている。
歌を嫌い、特に古い歌より新しい歌を嫌うという・・・そういうのにミーハーな日本には寄り付きそうにないな。

その他、ファンタジー作品にはよく登場するが、これらは悪戯好きを通り越してきわめて邪悪な存在として描かれる。

知能は子供並みで、正確は邪悪で残酷・非情・臆病で好戦的つまり弱いもの虐めが大好き。
一対一なら体格も小さいため一般人よりも弱いが、基本的に徒党を組み武器を持って襲ってくるので性質が悪い。
繁殖力も強いのか、一向に減る気配もない・・・

ソードワールドでは特に顕著で、村落などがよく襲われる・・・ロードス島でも冒頭で主人公のパーンがゴブリン退治に戦っているし、3・4巻に登場した狂戦士オルソンも姉をゴブリンに殺されたのがきっかけでバーサーカーになっている。

またソードワールドを始め、一部作品では他の固体よりも大きく賢いロード種が生まれることがあり、それがリーダーとなると設定していることもある。