グリフォン

griffon/gryphon(仏)、griffin/gryphin(英)、Greif(独)、gryps(羅)、Γρυψ(希)

グリフォン、グリフィン、グライフ、グリプス、グリュプス。
ギリシャ語で曲がった嘴を意味する。

中東やインドなどで発祥し、各地に伝播したとみられている。
はっきりとした起源などは分かっていないが、ヘロドトス著の『歴史』等にも記述が見られており、三千年前には伝承が存在している古い魔獣である。
知名度も高く、のび太ですら知っている。

棲息地はスキタイ(現・南ウクライナ)、極北、インド北部。コーカサス地方と諸説あるが、高地で宝を貯め込む習性があるというのが共通した伝承である。

その姿は一般的に鷲や鷹といった猛禽類の上半身と翼、獅子の下半身をしているという。
他には尾が蛇、ハゲタカの頭、獅子ではなく牛、前足も獅子など地域によって微妙な変化がある。
アジアでは頭部に鶏冠、ギリシャでは鬣に馬の耳を持つという。

ギリシャ神話では天上の神々の車を引く役目を持ち、特に女神ネメシスの車を引くグリフォンは全身漆黒だという。
中東では宝の番人として強欲な人間を排除する役目を持つ。

グリフォンは役目を横取りされると思っているのか、馬を目の敵にしているという。
見かけたら即座に襲い掛かり、喰らってしまうとされる。

グリフォンと牝馬の間に生まれる魔獣にヒポグリフがいるが、上記の伝承から有り得ない事の例えとして語られていた。

またイギリスの民話では王を背に乗せるとされ、高貴な獣とされた。

紋章学では、知識を象徴し、鳥の王・獣の王が合体しているので、王侯貴族が好んで用いた紋章である。

創作作品ではファンタジー以外にも、戦隊などのヒーローや敵役のモチーフにもされる。
またガンダムでも戦役の名前(グリプス戦役)、現実にもスウェーデン戦闘機のJAS39グリペンとして名前が使われている。

自分としては最初に思い浮かぶのは、機動警察パトレイバーの黒いレイバーである。