グングニル

gungnir

北欧神話の主神オーディンの持つ槍。その語源は貫く、あるいはその擬音、剣戟の音、もしくは揺れ動くものの意だと言われている。

どんな鎧も貫き、投槍として使えば百発百中で、手元に勝手に戻ってくるという恐るべき魔槍。

かなり大型らしく、穂先は鉄製でルーンが刻まれ柄はトネリコの木で出来ている。
この槍は木製なのである。であるにも関わらず恐ろしく頑丈でどんな武器でも破壊することは出来ないという。

だが原典には材質の記述はない・・・現実にトネリコ製の槍が発見されてはいるが・・・
聖剣伝説はどこからこの説を持ってきたのかなー?

北欧に限らず、どこの神話でも主だった神は雷を使うが、この槍こそオーディンの雷を表しているとも考えられる。
オーディンが戦に出る際、槍を投げて火蓋を切るという。その槍はグングニルかもしれない。
ヴァイキングの戦争では指揮官が敵陣に槍を投げるという習慣がある、この風習が神話に取り入れられたのか、神話にあったからそうなったのかは不明。

この槍は小人イーヴァルディの息子たちにロキが作らせたものである。
簡単に説明すると、ロキがトール神の奥さんシフの自慢の髪を悪戯で切り落としてしまう。
そこ、神が神の髪を切ったなんて言わないように。
当然、激怒したトールに捕まり、髪の代わりとなるものを小人に作ってもらうことを条件に解放してもらう。
前述の小人に髪(かつらだよな、これ)を作ってもらい、小人たちは炉の火が残っていたので追加で魔法の船スキッドブラドニールとグングニルを作った。サービス精神旺盛な方ですね。

この話は続きがありますが、それは別項にて。

かくも凄い槍でしたが、その槍を持ってしてもオーディンはフェンリルに敗れています。
そしてオーディンと共にグングニルもフェンリルに呑まれてしまったのだと思われます。
どちらかといえば、フェンリルの凄さを際立たせているような気がします。

創作作品にもよく登場しますが、命中率は何故か低かったりします・・・何故だろう?