ヒポグリフ

hippogriff

ヒッポグリフ、ヒポグリフォhipogrifoとも。

ヒッポhippo(ラテン語で馬)とグリフォンを二身合体させた名前。
神コロ様と同じようなネーミングセンスである。

起源としては古代ギリシャの詩人ウェルギリウスの「アイネイス」にて、不可能な事という意味でグリフォンと馬の交配という表現がある。
グリフォンは神の車を牽く仕事をとられるのを恐れて馬を目の敵にしてたちまち殺してしまうとか、馬肉が大好物だとかいわれている。、

つまり捕食者と被食者の関係で、こちらでいう犬猿の仲を通り越して、不倶戴天の敵である。
ガルーダにナーガ、しっぺい太郎にヒヒ、キリストにベルゼブブな感じである。

まあということで、グリフォンと馬のハーフであるヒポグリフとは有り得ない事の代名詞だったのである。

さて、グリフォンが実在を信じられていた当時でさえ架空のものだったこのヒポグリフが魔獣として初登場したのは、判明している中で一番古いのが、16世紀ルネサンス期イタリア叙事詩 のルドヴィーコ・アリオストによる狂えるオルランドである。

とはいえ歴史・時代・地理公証は大雑把でいい加減、完全に現在のライトノベル的な娯楽作品で、魔法使いや魔獣も出てきて、ヒポグリフは月にまで飛んでいくという驚くべき航続距離を発揮している。

狂えるオルランドでは、雄のグリフォンが雌馬に産ませたもので、鷲の頭と鈎爪、翼、下半身は馬の姿をしているとされる。

現在の創作作品でも、グリフォンが猛禽類の上半身と翼、獅子の下半身で、ヒポグリフは獅子の部分が馬に置き換わったデザインが多い。

また馬の気性を受け継いでいるので、グリフォンよりは比較的にだが大人しく、飼い慣らすことも不可能ではないとされる。
ただグリフォンの血も入っているので、馬よりも気が荒く、人肉や馬肉を好んだりするともされる。

文字通りグリフォンと馬の中間の存在なのである。