ラドン

ladon

ラジウム元素の放射性崩壊によって発生する放射性ガスで、ほとんど化合物をつくらない安定希活性の放射能を含むガス。元素番号はRn222。
アルファー線を出し、半減期が3.825日という短時間のため、物理実験や特に医療に用いられる・・・これじゃなかった・・・

えー、ラドンとはマッハで空を飛ぶ大怪獣でゴジラと大暴れして・・・それも違う!

ギリシャ神話の眠らずの龍です。

ヘシオドスの神統記によると海神とその妹の間に産まれた末の子とされるが、基本的にはテュポーンとエキドナの子とされることが多い。
こちらも登場順から考えて末っ子に当たるようだ。

ちなみに神統記ではあのメデューサは姉になる。
ちなみにエキドナの子とすると、メデューサとは曾祖母と曾孫の関係になる。
エキドナも海神の子とされることもある・・・あーーややこしい!!

ギリシャ神話で相関図作ろうとしたら大変だ。説によって血縁関係バラバラ!!
近親相姦してるやつもごろごろしてやがるんでどうすりゃいいんだ!?
とりあえず神統記ではエキドナの大叔父さんか・・・ややこし。

ゼウスとその妻ヘラの結婚式にガイアより贈られたのが黄金の林檎である。

この林檎はヘスペリスの園に植えられる、ヘスペリスは宵の明星、西の果てを意味するという。
太陽の沈む西方、その果てとは死の国であるという考え方もあり両世界の狭間と考えられた。

この黄金の林檎の守護者がラドンであるが、ケルベロスやヒュドラと同じくこのラドンもそういう意味では冥界の番人といえるかもしれない。

姿に関してはあまり描写はされておらず、辛うじてアポロドロスが巨大で様々な鳴き声を発する百頭の龍としているくらいである。

出展は不明だが顎の関節が尾にあるという、高等生物としてはありえない形態だという説もあるようだ。

さて、このラドンだが登場はこの黄金の林檎に関する話にのみ出てくる。
眠らずに番をしているのだから、当然その地を離れるわけもないので当たり前ではあるが。

これに関わるのは、エキドナさんのお子さん達の半数近くを殺害したことで有名なヘラクレス殿。

12の難行の11番目が黄金の林檎の入手であった。
この入手方は様々なパターンがあり、ヘラクレスはラドンとの対決を避け、この地の支配者であった巨人アトラスと取引をして林檎を取ってきてもらうという話もある。
このアトラスがどうやって取ってきたかは語られていないため、ラドンを倒したのか、ラドンを従えていたのかは不明である。
また別の説では、ラドンと共に林檎を守るニンフ達・・・これがアトラスの娘で(無論、別の説もある)、盗賊に浚われそうになったところをヘラクレスが助けたため礼としてアトラスがプレゼントしたというのもある。

もう一つは倒してしまうというもの。

これについては2パターンあり、弓矢で射殺したというもの・・・ アポロニオスの『アルゴナウティカ』ではヒュドラの毒矢で射殺され、イアソンがそこに辿り付いた時には、尾だけがピクピク動き、死肉に集った蝿が毒で死んでいたという。
もう一つは蜂蜜を口の中に放り込み、それを食べたのを確認した後、今度は蜂の巣を放り込み、蜂たちは蜂蜜にひかれて、ラドンを内側から激しく刺し死んでしまったという。

これを悲しんだヘラはラドンを星座にし、りゅう座となったという。

もう一つはラドンが寝ている隙にというもの・・・眠らずのはずなのだが・・・魔術師であるメディアが同行していたともいい、その魔術によって眠らせたのだという。 うーん金洋の守護龍と混ざったのか?こっちは出典確認できず。