リヴァイアサン

Leviathan

レヴィアタンともいう。
というかリヴァイアサンは英風の読み方。

様々な伝承に登場している、ドラゴンもしくは悪魔。
名の意味は突き刺すもの、曲がりくねるもの、捩じれた、渦を巻いたといった意味のヘブライ語liwjatanから。

アッカド神話では死神モートの部下の「ロタン」「シャリート」(自分を取り巻く者。とぐろを巻く者の意) がルーツとされる。
モートの命令によって世界を荒らし太陽や月を食い荒らして日食、月食を起こし世界から光を奪う存在とされる凄まじき七頭の龍。
最終的に豊穣神バールによって倒される。

旧約聖書ではバールと共に、神の敵対者となっておりベヒーモスと同じく神の創造物の中でもっとも邪悪で恐ろしい怪物されている。
ユダヤの伝説によれば、神は天地創造の第五日目(六日目という説あり)にリヴァイアサンのつがいを創るが、子供で海が埋め尽くされることを恐れた神は雄を殺してしまう。
その死体は最後の審判の日に信心深い人に与えるために、海底に沈められ雌はベヒーモスと戦っていき絶えるという。

また別の伝説では、アダムとイブを誘惑した両性具有のドラゴンという説もあるようだ。

リヴァイアサンは死ぬ前に、子供を残していたという。

子供たちは親と比べると比べ物にならないほど小さいが、それでもベヒーモス以外の全ての動物より大きく強いという。
肉も厚く、木、石、青銅、鉄などいかなる材料からできた武器も役には立たない。
眼は朝日のように光り輝き、多くの牙を備えた口からは炎を吐き、鼻からは白い煙を吐きだす。
心臓は石でできているかのように堅い。
身を震わすと大きな振動が起き海を煮立たせ、通った跡に光る道を残す。
そして慄きを知らぬ強い精神をもつとされている。

中世で堕天使の一人として悪魔の仲間に分類されている。
もとは熾天使であり天使の中でもルシフェル、ベルゼブブに次ぐ第三位の地位をしめていたが、堕天し地獄の海軍大提督になったという。
七つの大罪の嫉妬を司る悪魔とされた。

また水から生まれた悪魔ともされ、大嘘つきで女性に好んで取り憑き、頑固で職務に忠実で祓うのが難しい恐るべき存在ともされている。