マーラ

マラ、マーラーとも。
マーラとはサンスクリット語で殺者、奪命を意味し仏教徒の修行を邪魔する悪魔のことです。
中国に入ったとき、漢字を当ていわゆる悪霊を意味する鬼と発音を表す麻を合体させ魔としたといいます。
そして正確な発音を表すために羅の字を付けて魔羅としました。

つまり魔という字はこいつのために作られたのです。
日本で魔や悪魔というのは、本来こいつのこと。

また仏典では悪を意味するパーピーマーをつけて、マーラ・パーピーマーと表現されることもあります。

ちなみに日本では男性器の呼び名の一つであり、やはり修行中に誘惑する存在であるからだそうだ。

遠藤周作氏はエッセイの中で、善魔という表現を使いました。
つまり自分の考えや行動が正義だと信じ込み、省みることもなく他人を悪と断じて傷付けることだそうです。
これは悪魔よりたちが悪いとされます。

ある作品では良い悪魔という表現が出たが、矛盾した表現である。
良い悪魔なんて存在しません。
悪い魔、悪い奴だから悪魔なのに・・・良いやつは悪魔とは呼べません。まあ、種族そのものを悪魔とするのが間違いですが。