仙薬
肉体を持ったまま仙人になるために必要なものの一つ。
これについて書かれた書物はそれこそ千冊を越える。
上・中・下の三種類に分かれ、下薬は病気を治し、中薬は身体能力の強化、上薬は超常能力の付加となる。
金丹
上薬中の上薬。DRUG THE DRUGそれが金丹。
製法は失われていたが、三国時代の伝説的道士である左慈が復活させたという。
このため抱朴子では左慈を金丹製作の元祖としている・・・元祖?
抱朴子にはこれらの作り方が詳しく書いてあるそうだ。
どうみても毒としか思えないものもあるようだが・・・錬金術と同じく寓意的表現なのかもしれない。
こういった薬を作る術を錬丹術といい、錬金術と同一視されることも。
実際、両者には共通点が多い。
金丹は全部で九種類ある。
一.丹華。雄黄、明礬などの材料を混ぜ、三十六日間火にかけて作る。
これを七日間飲むと仙人になれる。また玄膏という薬に包んで焼くと、金になるという。
二.神符(神丹ということも)。百日飲み続けることにより仙人になれる。また三錠(三匙とも)服用すれば病気が治り、足の裏に塗れば水の上を歩くことも出来るという。
三.神丹。一錠飲めば百日後に仙女や鬼神が迎えに来て仙人になれる。
またどんな武器でも傷付かなくなる。動物に飲ませれば不死になる。
四.
目の上に塗れば化け物が近寄らなくなる。水銀と一緒に焼けば金になり、銭に塗れば使ってもすぐに戻ってくる。
五.
六.錬丹。十日飲み続けると仙人になり、水銀を使って金が作れる。
七.
八.伏丹。飲めばすぐに仙人になる。持っているだけでも強力な魔除けになり、これで門に字を書けば害意のある者は入ることが出来なくなる。
九.寒丹。一錠飲めば百日後に仙人になれる。また空を飛べるようになる。
以上九種。どれを飲んでも仙人となることができ、全部作る必要はない。
他にも「歴世真仙体道通鑑」には、死人を生き返らせたという話もある。
その他
丹砂(硫化水銀)、金、白銀、雲母、石英、真珠なども仙薬とされ、丹砂は金丹の材料の一つである。
他にも桃や黒胡麻なども仙薬とされたようだ。