スレイプニル

sleipnir

スレイプニールとも。名は滑走するものの意。

北欧神話の主神オーディンの愛馬である。

死のシンボルでもあり、スカルド(詩人)達は絞首台の事を首吊り縄をたらした背の高いスレイプニルと表現している。
スレイプニルという言葉には、絞首台の木と馬drasilの両方の意味があったという。
この記述やその他の能力をを見るにあたり、ユグドラシルといくらか混じっている印象を受ける。
ちなみにユグドラシルとは恐るべきものの馬・・・つまりオーディンの馬という意味である。

スレイプニルの出自は父スヴァルディルファリ、母ロキの間に生まれている・・・・・ロキは男では。

えー、ある時、工匠に化けた巨人が神々の元にやってきて、堅固な城壁を一冬中に築く代わりに報酬として太陽と月、そして女神フレイアを要求した。

一冬で城壁を作るのはとても無理と高をくくった神々は条件を飲んだがこれが間違いの元。
そもそも勝算があるから言って来てるんだから・・・

工匠の連れた怪力を誇る巨馬スヴァルディルファリの働きで城壁はみるみるうちに完成に近づいた。
やべえと焦った神々は、条件を受け入れたのはロキであるとして、彼に作業の邪魔をさせることにした。
・・・・・・どうも神ってのは古今東西、倫理がどこか破綻してるのが多いようです。

ロキは美しい雌馬に姿を変え、スヴァルディルファリを誘惑した。
文字通り女の尻を追い掛け回し、作業は進まない。
城壁は期限内に完成せず、怒った巨人は正体を表したがトールによって倒される。

ちなみにロキはその後、妊娠してスレイプニルを産むことになる。
そしてオーディンに献上され、それ以来、彼の馬となった。

八本脚の灰色の馬で、陸海空を踏破し死の国でさえ行くことができる。
巨人フルングニルの馬と競争した時は、相手が馬に跨るよりも速く遥か彼方の丘を越えていたという恐るべき俊足の持ち主。
持久力もかなりのもので、冥界まで休まず走り続けることができるという。
グリームニルの歌では最高の馬と評された。

しかしフェンリル達との関係はどうなるんだろう?
異母兄弟?異父兄弟?

またオーディンが人間の英雄シグルドに名馬グラニを与えているが、これはスレイプニルの子孫と言われている。

オーディンがフェンリルに喰われたときにスレイプニルに乗っていたと思われるが、やはり一緒に喰われたのかな?

FFなどのゲームにもよく登場している。
いたっけ?と思われた方・・・よく思い出してほしい。
召喚獣オーディンが乗っていた馬のことを・・・あれがスレイプニルである。
ちゃんと足も八本・・・残像でも間違えたわけでもないのだ。