ウェンディゴ
wendigo、windigo、whitiko、wendigo、weetigo
ウィンティゴ、ウェンティゴとも。
森林山岳部のエスキモー達の伝承で語られる氷の精霊。
顔は骸骨のようで、氷の心臓を持ち、人間よりも大型だが、小型という証言もある・・・案外子供のウェンディゴというのもいるのかもしれない。
吹雪の中を鳥が飛ぶような速さで走り、人をさらって喰らうという。
あまりに走るのが速いので、鳥の姿とも考えられている。
足跡も残さず、残しても途中で忽然と消えているのだという。
精霊というよりは雪男のようなものがイメージとしては近い。
エスキモーたちはウェンディゴを非常に恐れて、人間を生贄に捧げたりもしていたという。
住処は山奥の洞窟とも、森の中とも、吹雪の中を当て所もなく彷徨っているともいわれる。
倒す方法も一応はあり、熱した獣油満載の穴に落とせば、心臓を溶かして殺すことが出来るという。
ウェンディゴを倒せば、それがもたらしていた病や災厄が消えると信じられた。
またウェンディゴ伝承の特徴としては、人間がウェンディゴに変貌すると伝えられている点である。
ウェンディゴ病、ウェンディゴ憑きWINDIGO PSYCHOSISと呼ばれるこの病気は、特に男性に多く見られ、心理学者や民俗学者は家族を養っていくことなどの精神的ストレスによるものだという説や、共同体から不要な要素を取り除くための方便とだとする説が存在する。
伝承としては、飢えによって人喰いをしたもの、夢の中でウェンディゴに唆されて人喰いをした場合にウェンディゴになる運命とされる。
どのようなケースにしろ、自分自身がウェンディゴに取り憑かれていると感じることが多いという。
症状としては躁鬱病などに見られる気分変動の他に、言語能力の喪失など動物的になる。
日本では狐憑きなどが近いだろう。
だが狐憑きとの最大の相違点は、人肉食・・・特に家族の者を食べたいと思うようになる点である。
この症状になった人間の心臓は氷で出来ていると考えられ、伝統的治療法は火の側に座らせて患者に無理矢理に熱っした熊の脂肪を食べさせたり、大量のアルコールを飲ませたりして、氷の心臓を溶かすというもの。
サウナなどに叩き込み、呪文を唱えるなどの儀式も効果があるといわれている。
しかし既に人肉を口にしてしまった者などは治療不可能とみなされて、処刑され心臓は火へと投げ込まれる。
クトゥルフ
1933年にオーガスト・ダーレスがクトゥルフ神話シリーズに登場させ一躍有名になった。
こちらでは大気の邪神イタクァ、もしくはその奉仕種族と同一視されている。