ワイヴァーン

wyvern

大本は神話ではなく紋章学から発生した怪物。

フランスのドラゴン、ヴィーヴィルVouivreの名が英語読みに変化していく中で、Wivrer、Wivre、Wyvernになったようだ。
また初期はワイバー(wyver)と呼ばれ猛毒を持つ蛇を指すラテン語バイパー(viper−まむし)が語源とも言われる。
ヴィーヴィル自体も語源はバイパーだといわれるので、いずれにしても起源は同じといえる。

ドラゴンに似ており区別は曖昧だがイギリスにおいては2本足で翼をもったものがワイヴァーンとはっきり区別される。

紋章学では強い敵意を表し、戦争時や軍隊で用いられた。

このことから性質は獰猛とされる。
その姿は前述のようにドラゴンに似ているが、蝙蝠のような翼、鷲のような2本脚で鱗に覆われながら所々に毛が生え、ライオンのような鬣を持っているという説もある。
背中には棘が背骨に沿って一列に並んでいて、尾の先端は鏃のような毒の棘をもつという説もある。

ドイツ辺りではリンドブルムと呼ばれるが、厳密には少々違うのでまた別項で紹介しましょう。

ファンタジー系の創作作品ではポピュラーな存在で、一般的に知能は低く獣並みでブレスは吐かない。
大きさは大型の馬や牛程度・・・2〜5m程度だろう。
ただ作品によっては、ブレスを吐くこともある。
代表的なのはエルリックサーガ。発火性の毒液を吐く。

日本においては飛竜という訳が広まり、飛行能力に特化した下級の竜という扱いが多い。

ちなみに17、8世紀頃は実在を信じられていたようだ。
イングランドではモードという少女がワイヴァーンの子供を拾って育てたという伝承がある。