一撃、二撃、三撃、四、五・・・
「あああああああああああああ!!」
絶叫とともに神速の刺突を繰り出す。
いずれも音速を超える、致命の一撃!
だが、奴はいとも容易くその全てを紙一重で避ける。
数秒で百撃を超える攻撃を繰り出したのにもかかわらずだ。
「っく!!」
ならば!!
刺突から払いへと変化させる。
薙ぎ払いは刺突のような点の攻撃ではなく、線の攻撃だ。
そして長柄による薙ぎ払いは、当然広範囲に及ぶ。
身を引いて躱すことも困難、前に出ても柄による打撃が待っている。
高位吸血鬼の私の膂力なら長柄の打撃でも十分に体を両断できる威力がある。
このタイミング!!
もらった!!
勝利を確信し、槍を振り抜いた・・・
瞬間、
奴の姿が消える。
「な!?」
私の一撃で吹き飛んだのではない。
振り抜いた槍には何の手応えも返ってこなかった。
・・・消えた!?
「どこを見ている?」
声の出所は・・・
私の槍の上!!?
奴は槍の上に立っていた!!
衝撃!
重い一撃、蹴り!?
骨の砕ける音が耳に、否、頭に直接響く。
「がふっ!!」
馬鹿な!馬鹿な!!馬鹿な!?
私は本当に人間と戦っているのか?
何故!何故!!何故!?
ヴァンパイアが身体能力で人間に負けるのだ!?
奴は魔術どころか、武器一つ使っていないのだぞ!!
「・・・致命傷ではあるまい?」
底冷えのするような声。
「っがは・・・・・・・・・・・・
聞いていない、
聴いていない!!
この国の退魔士は二年前に壊滅したのではなかったのか!?
何故キサマのような化け物がいる!?」
「吸血鬼に化け物呼ばわりされたくはない・・・
どちらにしろ、お前はここで死ぬ。
考える必要はない」
日本刀!?
どこに持っていた?いつ出した!?
「もうお前に夜は訪れない・・・」
動け・・・動くんだ・・・
動けないダメージではない・・・動け・・・
殺気が脹れあがる・・・
来るぞ・・・来るぞ、来るぞ!!
避けろ、躱せ・・・動け!!
動け、
動け、
動け、
動け、
動け、
動け・・・
ぬ!?
奴の眼光に飲まれた私は、蛇に睨まれた蛙の様に身動き一つできず立ち尽くすしかなかった。
「
何かが光ったのが見えた。
そこで・・・私の意識は
・・・途絶え・・・た・・・